18話目
「まったく!せっかくの討伐した功績をあの場で焼き捨てるなんて!!」
ブツブツと後ろを歩きながら、文句を言う領主・・・
「ですが、あのままあそこに放置しますと、
他の魔物を呼び寄せたり、腐敗して不衛生となり
その被害が村にも出てしまうかもしれませんので。」
「だがな!せっかくの俺の手柄だぞ!
村人たちに見せびらかさないと!!」
・・・
どうして、こんなに自尊心が強いのでしょうかね?
というか、自分の今の状況を分かっているのでしょうか?
靴の方から臭いにおいが・・・
自分の脱糞が付いていることに今だに気づいていないのですか領主?
というか、この臭いにおいがこの領主の所には届いてないのでしょうか?
2メートル程前を歩く、私のところまで臭っているにも関わらず・・・
とういうか先ほどから後ろで剣を振る回すのをやめて欲しいのですが・・・
まるで子供が興奮して、浮れていようですけど・・・
それにそんな風にふりまわ・・・
ドン!!!
「あ!?」
・・・・
今、私の腕に当たったのは・・・
やっぱり・・・
剣か・・・・
どうやら運よく、柄の部分が私に当たったようです・・・
「いやぁ~、すまないすまない!」
頭を掻きながら、平謝りをする領主。
とりあえず・・・
殴っていい?
「いやぁ~、剣を振る回して・・・おっほん!練習していたら、
うっかり手からすべてしまった。悪気はなかったんだ!許してくれ、あははは!」
・・・
それで許されるのなら、私も今度剣の練習でもしながら、
領主の四肢に剣を当ててもいいですかね?
「いやぁ~すいません、手が滑っちゃって~」っで済ませてくれるんですよね?
・・・絶対に領主は許すことはないだろうなぁ~・・・
「絶対に、死刑だ!」って叫ぶでしょうね・・・
「・・・大丈夫です。」
「だろう?なら問題ないな!ほら!早く剣を拾ってくれ!」
・・・全然謝罪の意が感じられない謝罪を受けて、
更には、悪びれた様子もなく剣を拾わせる領主・・・
この行動は私の恨みノートに絶対に記載しておきますからね!!!
絶対に将来・・・
倍返しだ!!
そんなハプニングもありながらも何とか森を抜けることが出来て
村へとたどり着いた。
すると森から出てくる私達の姿を見たのでしょう。
レイがこちらへと駆けてくるのである。
「お、お疲れさまです。それでゴブリン達は見つかりましたか?」
レイが話かけると、すぐに私の前に出てくる領主。
そして、レイに向かって、
「ああ、すべて討伐してきたぞ。」
そう言いながら私に討伐部位の入ったマントを出すように指示を出してくる。
私はその言葉に従って、討伐部位が入ったマント・・・風呂敷?を差し出すと、
「ひぃ!?」
短い悲鳴と共に一歩後ろへとさがるのである。
それを見た領主は、その行動を鼻でわらう!
まるで臆病者がする行動を見て小馬鹿にしたような感じで・・・
自分のさっきの行動をまるで忘れているようだし、
自分がされて嫌なことを普通にするって・・・
なので・・・
「領主様。」
そう言って、私は討伐部位が入ったマントをスッと領主に差し出す、
「ひぃぃ!!?」
そういって、今度は領主が後ろ数歩下がるのであった・・・。
ただ、その行動と表情もすぐに元に戻る!
どうやら、さっきレイを馬鹿にしたばかりなのに
自分も同じ行動をしてしまったことで大変ご立腹になり、
怒り口調で私に向かって、
「な、何をする!?そんな気持ちが悪いモノをこちらにむけるな!!」
私に罵声を浴びせてくるのであった。
その光景を見ているレイに気づいて、ばつの悪そうな顔をしながら、
「おっほん!ここにゴブリンの討伐部位がある。
だから、安心しろ!こいつらのボスであったホブゴブリンも合わせて討伐してきたからな!」
決め顔でいう領主に、驚きの表情を浮かべるレイ!
それもそのはずで、ホブゴブリンはかなりの強敵に分類される魔物であり、
それを1人で討伐するのは驚きなのである。
「ほ、本当ですか?」
やはり領主からの言葉では信じられないようで、
討伐部位の耳を確認して、ひときわ大きな耳をみつけて
話が本当であることを理解するのであった。
そして、理解すると今までの態度が一変する!!
それは傍から見てもわかるほどであり、
領主に対して尊敬の念を込めた目で見ているのがハッキリと分かるのだ!
そして・・・
当然、領主も気づく!!
っというか、すでにその態度にも変化が出てくるのである!
すでに甲冑の頭部は外しており、右手で髪をさっと掻き上げて
すました顔をする領主!
さすがはこういうところだけは素早い!!
先ほどまでのレイに報告することを鬱陶しそうにしていた態度が微塵もない!
「さ、さすがは領主様です・・・。」
「ふ・・・、こんなの造作もないことだ。」
・・・ホント、森に入る前の発言を思いだして欲しいのですが・・・
「なぁ~んでこんな森の中にはいらなきゃいけないんだよ!!
暗くて、気持ち悪いしさ~!
めんどくさいったらありゃしないだろう!!」
レイがいなくなった途端にブツブツ文句を言っていたにも関わらず
掌を返したような言葉を言い出す領主。
「貴族として当然の務めだ。
また何かあれば我々を頼るといい。」
・・・もうツッコミも出てきません・・・
そんな領主をキラキラした目で見るレイ・・・
お前もお前で、うちの村の時にさんざんなこと言われてたのを忘れたのですかね?
うぅ~ん・・・どっちもどっちか・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




