188話目
「街を破壊するような魔法は使われないほうがいいかと思いますが・・・。」
「ご忠告ありがとうございます。」
どうやらサーター様は私が決心したことを
悟ったようで私にご忠告をくれるのだが、
「ご心配には及びませんわ。
この街ではよくあることですから。」
ニッコリとほほ笑み返事をすると、
「・・・よく・・・ですか?」
「ええ。それに御心配には及びませんわ。
破壊してしまったのものは、我が家が修復させていただきますし。」
「・・・さすがですね。」
「ええ、それにそうやってお金が使われることで、
住人に仕事が舞い込んでくるし、
市場が潤ってきますから。
これは必要な行動だということです。」
「それで・・・容認されているのですか・・・。」
「ええ、まあ、それと当然貴族の特権というものもございますが。」
私は10個の指はすべてに魔力を流し始める。
それを察知したのであろう困った様な表情を浮かべながらも
サーター様もまた指輪に魔力を流し始めていた。
一つの魔法を放ち、それが直撃したことを確認してから
次の魔法を放つ!!
私が選んだのは絶え間ない魔法による攻撃と共に・・・
「我に向かいし敵どもを駆逐する!!」
詠唱を唱え始める!!
これこそが私が百年に一人の逸材と言われる最たる所以!!
魔法を使用しつつ、別の魔法を詠唱する!!
「世界最強の力にて敵どもを駆逐する!!」
詠唱を唱えながら自分の体内で魔力を練っていく。
そして詠唱によって自分の体内の中で練らている魔力が変異していく!
「火竜の力となりて我が敵を駆逐する!!」
どんどん私の魔力が高まっていくのを感じながら
私はある異変を感じていた!
それはサーター様の方からも魔力の高まりを感じていたのだ!
もしかして私の魔力の高まりを感じて
それに備えるために魔力をより流している?
ただ・・・
そんなこと無駄でしかないですわ!!
私の火属性の全力を防げるなんてことはないですから!!
一つの街をも破壊つくほどの私の全力を防ぐことなんてできません!!
「火竜の息吹にてすべての敵を駆逐する!!
死になさい!!
“火竜の息吹”」
私の詠唱が完成したと同時に
体内にあった魔力が一斉に口元に集まると同時に
私の口から獄炎の火が噴かれるのであった!!!
そして、その火によってサーター様は死の淵に追いやる!!
大丈夫!
虫の息程度までには留めるつもりですわ!!
私が噴いた火はサーター様がおられる場所周辺を蹂躙していく!!
そこにあった壁や道路などは一瞬で蒸発していく!
ただ、それも束の間であり、
いきなりサーター様のいた場所から黒い影が広がっていくのであった!!
「な、なに!?」
私が噴いていた火がその闇に・・・かき消され始めたのだ!?
「いったい何が起きているの!?」
私は火を噴きながら、目の前で起きていることにビックリしてしまう!
ただ・・・
そこで固まる私ではない!!
何かが起きている!
しかも私の魔法がかき消されているのか、
吸収されているのかはわからないけど、
消滅されているのは確かだ!!
先ほどまで一瞬で焼失していた壁や道路がそのままでいるのが
その答えだろう!!
ならば・・・
私のやることは一つ!!
さらなる威力増加よ!!
サーター様を殺さないようにと手加減していたけど、
この訳の分からない現象がおきているのなら、
それを打破するしかない!!!
私は体内にある魔力をさらに練りこみ
吐いている火にさらに注ぎ込む!!
・・・チィ!!魔力が足りないわ!!
やはり火は最も私に適した魔法じゃない・・・
そんな思いに駆られながらも火を噴き続けていたのだが・・・
魔力が尽きかけているのを物語っているようで
徐々にその火は小さくなっていく・・・
そして最後には止んでしまうのであった。
その時になって初めて何が起きているのかを理解したのである!!
「それほどまでとは・・・。」
私は驚いてしまった。
火が止むことでサーター様の姿が確認することができたからだ。
サーター様も魔法を使っていた。
確かに魔力の流れを感じていたのだから
使うだろうとは思っていたのだが、
それは指輪に注がれていたのではなく、
まったく私と一緒の魔法を発動させていたのである!!
闇竜の息吹!!
サーター様も使えるとは・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




