187話目
「しかし、こんな街中で魔法を使うつもりなのですか?」
サーター様が困った様な表情を浮かべてこちらに尋ねてくるので、
「ええ。」
私は満面の笑みを浮かべて答えたと同時に、
指輪の一つに魔力を流して放つ!!
「火球ですか!?」
一般の魔術師が使う火球であれば、
野球のボールほどのサイズでありますけど、
私ほど魔力を持っている者が使うと・・・
「少々魔力がありますので・・・人ほどのサイズになりますがね。」
その言葉がサーター様に聞こえたかどうかはわからないけど、
サーター様に火球が襲いかかっていた。
ドゴォーーーン!!!
早朝のためかよく街に響く!!
・・・ちょっとやりすぎましたかね?
そんな一抹の不安が頭をよぎるのですが・・・
それも余計なお世話だったようで、
「やれやれ、困ったお嬢様ですね。」
サーター様の周りには風壁が形成されいたのであった。
「この間使われたのは風壁でしたか?」
先日私の目の前からいなくなった際、
風を起こしていたが、あれが風の攻撃魔法ではないことはわかっていたし、
それならたぶん風壁だろうと予想はしていた。
そして、私の狙いはもう一つあって・・・
「その手袋の下に・・・指輪をハメられているのですね。」
そういってニッコリとほほ笑む。
私がしたかったことの一つには、
魔法を使っている方法である!
サーター様が詠唱を唱えて魔法を使っているの出れば、
風属性であることが分かり、対風属性での戦闘をすればよくなる。
だけど、そうではないようね・・・
まだどの属性なのかがわからないけど
サーター様の魔術師としての最低限のレベルはわかった!
私の火球は、一般の魔術師が使う次の段階の火弾よりも
数倍威力がある!!
そうなのだけど、それを受けきれるだけの魔力があると・・・
これだけでそこら辺にいる魔術師よりも数段上!
そんな使用人か・・・・
私に・・・ふさわしいわね!!
「次を行きますわよ!!」
「あきらめてもらえると幸いなのですが・・・。」
困った様な表情をしながらそういうサーター様に
いくつかの指輪に魔力を込めながら、魔法を放つ!!
まずは・・・風の爪!!
そして、当たったのを確認してから私は、
もう一つの魔力を流していた指輪から魔法を発動させる!!
次は・・・土槍!!!
地面から無数の土で形成された槍が生えてくると同時に
サーター様に襲い掛かる!!
だけど、その土槍を用いても
サーター様の風壁を破るには至っていない!
ただ、数本がサーター様がいた場所の真下から発生したため
それをかわすために避けてしまい、
風壁外へと移動する羽目になっていた。
そのため形成していた風壁も霧散してしまう!!
ここだ!!!
私は、あらかじめ魔力を流していた指輪の一つをまた発動させる!!
風弾!!!
低魔法レベルの中では、最も速い攻撃魔法である!
発動と同時にサーター様に襲い掛かった!!
だけど!!!
「末恐ろしいですね・・・。
私の風壁が一瞬霧散したところを狙っていたとは・・・。」
「・・・ですが、再度風壁を発生させるスピードが
そんなに早いとは思ってもいませんでしたわ・・・。」
着弾した!!と思った瞬間に、サーター様の体の周りに風が発生してしまい、
その風によって直撃は避けられてしまった・・・
というか、触れたはずなのではと思ったのだが、
その個所にけがをしたような跡も見当たらない・・・
ギリギリ風壁が間に合ったってところですわね・・・
態勢を立て直しながら、こちらの様子をうかがっているサーター様。
思った以上に頭も切れるようですわ。
さっきの風壁が霧散したのも意図してやっていて、
次の私の攻撃が来るのを想定していたっていうところでしょう・・・ね。
しかも私の魔法で一度もあの風壁は破れていない・・・
「そろそろあきらめていただけると幸いなのですが・・・。」
「ふふふ、俄然やる気が出てきておりますから
あきらめるなんてことはありませんわよ。」
そう言いながら私はどうするかを頭で考えている。
今日は拿捕用にと思って低魔法レベルの指輪や
杖を持ってきていた。
そう!低魔法レベルだけしかない!
その低魔法レベルではサーター様の風壁を突破するには至らない・・・
であるなら・・・
私の本来の魔法を使うしかないですわね!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




