表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/266

17話目

「・・・なあ、サーター・・・この切り裂かれたゴブリンは・・・。」


「はい、それは見事にソウルイーターで切り捨てていました!」


「だが、なんか・・・引きちぎられたような感じなんだが・・・。」


「そうですか?私の目には剣で切り裂かれたようにしか見えないのですが・・・。

 やはり武術をたしなむ方の目は違いますね!!」


「・・・ま、まあな!」


「ですが、それは紛れもなく領主様の剣で切り裂いたゴブリンですよ。

 もちろん・・・おわかりですよね?」


「ああ!当然だ!俺の剣がこういって、こうなって切り裂いたんだ!!」


身振り手振りで私に説明してくれるのですが・・・


領主きぜつが倒れていた時に、私が倒したんですけどね・・・


領主はその頃、脱糞が付いたケツを天に向かって突き出したまま、

頭を打って気絶していたし・・・


しかも気絶した理由が、自分の脱糞に足を取られてって・・・


どんだけ間抜けなんですかね!!!


実際にいるんだな・・・自分の糞で転ぶ奴って・・・


こいつなら、バナナの皮を置いていたら、本当に転ぶかもしれませんね・・・


よし!今度やってみよう!!


話では聞くことはありますが、実際には見たことないし・・・というか、実際に見てみたいし!!


あぁ・・・楽しみが増えたな・・・


そんなことを考えている私に対して、

領主はまだまだ何かが気になるようで、



「こっちのゴブリンの遺体なんかは、頭が砕けているんだが・・・。」


「そちらは、剣の刃の部分ではなく、腹の部分で殴っておられました!

 すごいですね・・・ゴブリンの頭部が腹の部分で殴ると砕け散るなんて・・・。

 そちらももちろんご存知ですよね?」


「あ、ああ!と、当然じゃないか!!そう!腹の部分だ!

 これは腹の部分で殴ったんだった!!

 それで、その一撃でゴブリンの頭を砕いたんだったな!!

 いやぁ~、俺もあんな風に砕けるなんて思ってもいなかったよ。」


今度は剣を持って、スイングを始める領主!!


・・・意外とそのスイングが的確なのは気のせいだろうか?


・・・野球選手の才能があるんじゃないですかね?


いっそ領主を辞めて、野球選手になってみてわ?と言いたいですが、

それはこちらの都合上とても悪手なので言いませんけど・・・


それにこの領主クズが滑稽なところを見たいのに

何でわざわざ活躍することを教えなければならないのですかね?



「しかし・・・やはりソウルイーターは無傷なんだな・・・。」


「そうですね・・・。

 むしろ神々しさが増しているように思えるのですが・・・。」


「・・・やはりそう思うか?俺もそう思う・・・。

 この剣は恐ろしいな・・・

 魔物の血・・・いや、魂を吸うことで更に輝きが増すとは・・・。

 まるで呪われた剣のようだ・・・。」


そう言って眺める領主・・・


まあ、実際のところゴブリンを一匹たりとも切っていないのだから、

無傷なのは当然だし、汚れてないのはもちろんですよ!


それに輝いているって言ってますけど・・・


それ・・・


日の光にあたってじゃないですかね?


ゴブリンたちを討伐するにあたって、

ちょっと・・・やりすぎた・・・うぉほん!


なぜか、木々が倒れてしまって、ここに差し込む光の量が

相対的に増えたからだと思うのは気のせいでしょうか?


・・・それとも私には見えないなにかが見えているかもしれないので、

特にこれ以上は何も言う気はないですが・・・


ちょっと気絶をさせ過ぎて、あちらの世界で何か変なものでも拾ってきたりしたかな?


・・・今度からは気絶のさせ方にも配慮するべきだと脳内メモに書いておきます・・・



「それで、このゴブリン達の遺体はどうするんだ?

 さすがにこの量を運ぶわけにはいかないだろう?」


「そうですね・・・さすがに2人では・・・。」


「うん?何を言っているんだ?サーター1人で運ぶには日も暮れてしまうと言っているんだぞ?

 ・・・ああ!村人を呼んでくるつもりか?あの男・・・ランベルだったかな?

 あの者を呼びに行くつもりか?」


「・・・いえ、私と領主様でと思っていたのですが・・。」


「なぜ俺がそんなことをしなくちゃいけないんだ?

 そんなのは使用人や村人にさせるに決まっているだろう!

 俺は、ゴブリン討伐で疲れたんだからな

 ここは働いていない皆でやっておけよ。

 ランバラルにもそう言っておけ!」


「・・・さきほどと名前が違っていますし、

 元々の名前はレイです。一文字もあっていませんが・・・。」


「・・・所詮下っ端なの人間の名前だからな、

 私は覚える必要がないんだよ!!

 ええい!この遺体を運びだすように手配しろ!

 これがあれば、この村人たちも俺が討伐したことを信じるだろうし、

 何より俺を敬うだろうからな!!」


「・・・敬わらせるために運べと?」


「愚民どもは実物がないと納得しないからなぁ~。

 それに遺体がないと討伐確認ができなくて、

 冒険者ギルドからの報奨金がでないのだろう?」


「・・・冒険者ギルドからの報奨金については討伐部位があれば問題ございません

 ゴブリンの場合は耳で、回収はすべて済んでおります。」


そう言って、ゴブリンの耳を包んでいるマントを見せる。

そのマントには血が染みわたっていて、それを見た領主は嫌そうな顔をして、



「そんなの見せる必要がないだろう!気持ち悪いモノをみせるなよ!!」


反対側に顔を向けて、こちらには手で払うようなしぐさをする


・・・その気持ちが悪いゴブリンの遺体を村に持って帰って、

村人たちに見せつけようとしていたのは・・・


領主ですが?


村人が気持ち悪いと思うとは思わないのでしょうかね?


・・・自分の力を見せつけることだけしかない領主たんさいぼう

ホトホトあきれてしまうのであった・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ