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167話目

「そいつは魔人なんですよ!?」


「ああ・・・そうだ!そうだとも!だから何だ!

 だからと言って、討伐してもいいってわけじゃないだろう!!」


足を震わせて俺の前に立ちはだかるバリティッシュ男爵様・・・


いや、まあ、かっこいい姿ではあるけど・・・



「・・・ステキ・・・。」


魔人がその姿を見て声を漏らす。



「ま、任せておけ!俺は友を見捨てるなんてことはない!!」


震えた声で精いっぱいの声を出す!


・・・ていうか、いつの間にこの二人はこんなに仲良くなったんですかね?


どこからこんな友情が沸いてきたんでしょうか?


沸くようなイベントは俺が見た中で皆無だったけど?



「・・・バリティッシュ・・・男爵・・・様・・・。」


「お、俺はルイスだ!親しい友人はルイスと俺のことを呼ぶ!」


「る、ルイス・・・。」


「あとでお前の名前を教えてくれ!

 俺は・・・友人であるお前を絶対に助けるからな!!」


そういって、俺をにらむような眼で見てくるバリティッシュ男爵様・・・


あれ・・・


気がつけば俺が悪者になっている???



「ルイス・・・。」


感動したような声を出す魔人に、



「任せておけ!」


返事をするバリティッシュ男爵様。


男と女であったのなら、完全にあちらが主人公の物語だろうな・・・


・・・あれ?・・・“私”?


ふとした疑問が沸いた時に、



「サラ・・・もういいわ。」


後ろから声を掛けてくる者がいた。

その声の主もまた、フードをかぶり、

コートで全身を覆っていたのであった。



「ルー王女!?」


・・・ああ、やっぱり第一王女なのか・・・


そこにはどこにも攫われたような形跡もない姿があり、

そうなると意図して魔人とともに逃亡したんだろうな・・・


というか・・・



「サラ・・・あなたは十分に私に尽くしてくれたわ。

 だから・・・もういいのよ。」


そういって、やさしく魔人のそばへと近づいていくルー王女。


そして、そばに寄ったかと思うと、魔人のフードをはらりと払いのけると、



「お、女!?」


驚いたような声を上げるバリティッシュ男爵様。

ただ、俺の方は気がついていた・・・



“私”


その呼称でもしかしてと思っていた。

魔人にも性別があるのか・・・


というか、先の戦いでも人間から魔人に代わっているのだから、

当然か・・・



「ルー王女・・・ですが、もし彼らに捕まってしまって

 また王城に戻ることになってしまわれたら・・・。」


そう言いながら、ルー王女を見つめるサラ。



「・・・それでも・・・あなたに辛い思いをさせるわけにはいかないわ・・・。」


「私は大丈夫です!!

 それに私はルー王女が王城に戻って迫害を受けている姿を見るほうが、

 私には耐えられません!!」


・・・どういうことだ?


ちょっと話が見えてこないのだが・・・


・・・迫害?


・・・第一王女が?


・・・なんで?


当然、私もだがバリティッシュ男爵様も呆然としてしまう。

二人の話についていけないのであるから。



「・・・詳しい話をしてもらえますか?」


俺から二人へと提案する。

だが・・・



「そ、そういって、油断させておいて、二人を一辺に始末するんだな!!!」


・・・目の前の素晴らしい主従関係とは

まったく違う信頼されていない主従関係・・・


・・・今後はちょっと見直していくようにしよう・・・


そう心に決めるのであった。



「・・・大丈夫です。

 とりあえずバリティッシュ男爵様に武器を渡しておきますので、

 これで安心していただけますか?」


俺の言葉にうなづくルー王女と侍女サラ、

・・・まだ怪訝そうな顔をしてくるバリティッシュ男爵様。



「・・・まだ納得されませんか?」


「・・・うちの領のメンバーは信用できない・・・。」


・・・確かにその通りだ・・・


バリティッシュ男爵様の言葉が正しいな・・・


俺はこれほど説得力ある言葉を聞かせることになるとは思ってもいなかった。

俺だって・・・・


同じ主だからな!!!


なんてこった!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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