165話目
「くぅ・・・こうなれば・・・。」
そういって魔人は、宿の中だというのに剣を抜いた!!
「さ、サーター?」
現状を理解していないバリティッシュ男爵様は、
いまいち現状についていってないようで俺に尋ねてくる。
というか、冷静に考えて俺も不思議でならないことがある!
なに?
ああ、それはね・・・
どうして俺たちが魔人を探しているかということを
一発でばれたのかということだ!
まず、俺たちは魔人の姿を見ていない!
・・・うん?・・・最初から分かれて探すの失敗してないか?
どうやって魔人を探すつもりだったのだろうか・・・
今までの魔人は・・・ああ・・・向こうからこれでもかっていうアピールがあったな・・・
そして、この魔人・・・
どうして魔人って言ってきたんだ?自分で?
だって、言われないと俺は少なくとも気づかなかった。
目の前にいるのは旅人風の服装であり、
顔も見えていない。
だから、自分で言わなければ少なくとも俺は魔人とは気づかなかっただろう。
魔人てバカなんだろうか?
さらにどうしてこの魔人は俺たちに気づいたんだろうか?追手ということに?
まあ、そんなことを気にしていても仕方がない!
ここが宿屋であるが、目の前には魔人がいて、
さらには臨戦態勢になっているということは・・・やるしかないのだからな!!
俺は剣を抜いて、ゆっくりと構える・・・
相手は、フードのせいで視線がわからないし、
手の部分もコートでおおわれているため
なんの武器を所持しているかはわからない。
ナイフか、短剣の類か?・・・いや、魔人なら魔法の杖かもしれないな・・・
俺と魔人の前には緊張した空気が流れる。
お互いが出方を待っていたのだが・・・
「ふははは!!このバリティッシュ男爵様に対して、
武器も持たずに出会うとは不幸だったな!
だが!俺はそれでも手を抜くことはないぞ!!」
そういって、バリティッシュ男爵様は剣を抜いたかと思うと
「我が・・・ソウルイーターを食らえ!!!」
そういって、剣を高々と上げて、魔人に向けて突進するのであった!!
「我が秘剣!!バリティッシュ流剣術!
岩に打つ水滴一滴一滴は弱く、岩を削ることはできないが、
長い年月をかけて一滴一滴が同じ個所で岩をえぐることができる!!!
そう!!・・・・。」
・・・長いな・・・
そもそもその秘剣っというのは、声に出さないといけない技なのだろうか?
というか、バリティッシュ流剣術というのを初めて聞いたぞ?
以前にサーターにバリティッシュ男爵様が何か剣術を習っているかと尋ねたら、
「・・・バカに剣術を習わすなんて、時間と金の無駄ですよ。」
そう断言していたはずなのに・・・
まあ、すぐにわかるけどな・・・
そんな剣術をやっていないのは!!
っていうか・・・
「・・・この続きってなんだったっけ?」
バリティッシュ男爵様が尋ねてきた・・・
「・・・さ、さあ・・・。」
・・・なぜか魔人がそう答えるのであった・・・
誰に聞いてんだよ・・・
「なあ!グンテ!続きは何だった?」
「・・・私に尋ねられても・・・。」
知らないし・・・というか、
「そもそもその秘剣ってのは、
そんな教訓じみたな言葉を言わないとダメなんですか?」
「当たり前だ!!
だって、サーターがそう教えてくたんだもん!!
俺は長いって言ったんだよ!
だけど、あいつが・・・
『バリティッシュ男爵様・・・ためになる言葉をいう男って・・・
素敵だと思いませんか?』
って、言ったんだもん!!!」
・・・ろくでもない奴に教えを乞うたな・・・
ああ・・・
バリティッシュ男爵様なら食いつくな・・・
基本、良く見られたない人間だし・・・
こうして教えながらサーターは心の中で笑っていたんだろうな・・・
『バカなことを一生懸命に。』
とか、思いながら・・・
俺は呆れを通り越して、呆然としてしまっていると、
「・・・なるほど・・・確かに・・・その通りですね・・・。」
「・・・は?」
俺は予想外のところから聞こえてきた声に間抜けな声が漏れる。
その声の主のほうへと視線を向けると、
「なるほど・・・自然って壮大ですね!!」
って、感心したようでコートから出た手を
顔の顎の部分だと思われるところに伸ばしてうなづいていた。
「だろうぉ!!」
嬉しそうなバリティッシュ男爵様・・・
「すごいです!!」
相槌を打ち魔人・・・何だこの光景・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




