157話目
よかった、記憶があるって言えて・・・
俺は胸をほっとなでおろす。
舌打ちをしたサーターは絶対に俺を殴り続けるつもりだったに違いない!!
以前にもしこたま殴られた記憶がある!
それも逆に記憶がなくなりそうなくらい殴られた。
気絶から起きたと思ったら、また気絶させられそうになるくらいにだ!
ふふふ、いつまでも調子よく自分の思い通りになるとは思うなよ!!
「・・・そうですか・・・それは・・・良かった・・・です・・・。」
不承不承という感じのサーターの返事に
やっぱりかと思い安堵するのであった。
「・・・そうだ!!魔人は!?」
そこまで言ったところで、
スチャ
そんな音が聞こえた気がする!!
っていうか、誰も剣などに手を出していないのだけど、
間違いなく剣を抜くような音が聞こえた気がする!!!
慌ててあたりを見回すが・・・いたたたぁぁぁああ!!!
だけど、こんな痛みよりも命のほうが大事だ!!
・・・命がけで見回したにも関わらずだれも剣を抜いたような動作はしていない・・・
き、気のせいだったのだろうか?
「・・・やはり・・・。」
その言葉に全身の毛穴が開いていく!!!
やっぱりさっきの気配は・・・サーターか!?
そして、続きの言葉を言う前に俺は動き出そうとしたのだが、
すでに時遅く・・・
パーン!!
そんな音が部屋に響き渡ると思ったら、
俺の視界はぐるりと回った感じに陥った!
こ、これは・・・
パーン!!
「ちょ・・・。」
パーン!!
「ちょっとま・・・。」
パーン!!
俺が言葉を発しようとしたときには、
すでにサーターの一撃が俺のほっぺを襲う!!
パーン!!
パーン!!
パーン!!
「・・・って、死ぬぅ~!!!」
思わずそう叫んでしまう!!
だって、俺が言葉を発する前に頬を叩く一撃がくる!
っていうか、その一撃一撃がやたらと重いし!!
何より、その一撃一撃が加わるたびに俺の体には激痛が走る!!
俺が追っているケガに負荷がかり、痛みが発するのだ!!
っていうか・・・
「や!」
パーン!!
「め!」
パーン!!
「て!」
パーン!!
すでに俺が発せれる言葉は、単語のみ!!
っていうか、死ぬ!死ぬから!!
「ちょ、ちょっと待てサーター!!」
そういってやっとグンテがサーターの暴挙を止めてくれるのである!
「・・・何ですか?」
せっかく盛り上がってきたのにという感じだったのを
水を差されてしまい不満なのがありありとわかる態度をするサーター。
「いやいや、お前もわかっているだろうに・・・。
最後なんか、ダイイングメッセージのようになっているぞ・・・。」
「・・・そうですか?私には何を言っているのかさっぱりわからなかったですけどね。」
「いやいや、“や”“め”“て”って言っていただろうに!?」
「・・・うまくつなぐとそうなります・・・かね?」
「全然うまくつないでないからな!
そのままだ!歪曲も何もしていないからな!!」
「・・・そうですか、私は気づかなかったので・・・。」
そう言って、また手を挙げて俺の頬を叩こうとするサーター!?
「や、やめてくれぇ~!!!」
俺はその行動を必死に制するのであった!
・・・ギリギリ・・・チィ・・・
歯ぎしりと舌打ちしたけど!?
やっぱりこいつ確信犯でやってるな!?
・・・っていうか、気が付けば胸倉つかまれているんですけど!?
俺が叩かれても逃げれないようにしてるし!?
というか、執事が主人の胸倉を掴むってどういうことだよ!?
何とか、グンテの助け舟で命の危機を回避することができた・・・
後でグンテには命を救ってくれたお礼として
何か役に立ちそうなものを送ってやるか・・・
・・・肩たたき券とかでいいかな?
もしくは食器洗いを交代する券でいいかな?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




