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152話目

完全にぶちギレている“魔人様”は、

何やら詠唱を唱えだす。


凄まじいまでの魔力が集まってくるのだが、



「だから、不許可ですって・・・。」


そう小声で言ったかと思うと、指を鳴らすと、

集まっていた魔力が霧散していくのであった!!



「な、なぜだ!?どうして魔力が霧散していくのだ!!!」


悲鳴にも似たような声をだす魔人様。


何が起きているのかはわからないが、

どうやら魔人様の魔法が封じられているようだ・・・


自分の両手を目の前にもってきて、

ジッと見つめてわなわなと震えてしまう魔人様。


そんな姿を見て・・・



「ぷぷ・・・。」


「ぷぷぷ・・・間抜けですね・・・ぷぷぷ。」


サーターとマリが笑いを必死にこらえているのだが、

肩が上下しており、笑っていることを隠すことはできていなかった。



「お・・・おれを・・・バカにするな!!!」


その光景にやっぱり切れる魔人様は、

激怒したともったら、駆け出して距離を詰めてくるのである!!



「やれやれ、魔法が使えないのであれば、ただの人族でしかないのを

 理解していないのですかね?」


哀れな者を見るような目と声色でそう呟くと、

剣を抜いて近づいてくる魔人様に対して、



「マリ、少し下がっていなさい。」


「・・・は、はい!!」


目をキラキラさせながら、嬉しそうにサーターに言われた通りにするマリ。


・・・よっぽどうれしかったのだろう、頬を赤く染めて下がった位置で

くねくねと嬉しそうにしているのである。


距離を詰めて、剣をふるう魔人様であるが、

その剣は・・・まあ、並よりもちょっと上程度の技量であるのが一瞬でわかる。


・・・それだと・・・


そう思った時には、鮮やかに決まっていた!


サーターによる投げが!!


振り下ろされた剣を受け流したと思ったら

そのまま腕をからめとって投げ技へと移り、

見事なくらい地面へと叩きつけるのであった!!



「ぐはぁ!!!うぐぐぐぅうう・・・。」


蠢くような声を上げて地面に這いつくばる魔人様。


こうなると勝負は見えている。

サーターが勝つだろう。


そう思っていたのだが、そうはならなかった!!



「さあ!バリティッシュ男爵様!!魔人へ止めを!!」


「わ、わかった!!」


「あの伝説のソウルイーターを使ってとどめを刺してください!」


「わ、わかった!!」


「その剣に切られると魂が食べられて、一瞬で死に至るというソウルイーターで

 あの伝説の魔人の二匹目の討伐をしてください!!」


「わ、わかった!!」


「すでに王国内で、ドラゴンスレイヤーの称号を持ち!

 さらにはデーモンスレイヤーの称号を持つバリティッシュ男爵様!!

 今です!今こそその力を開放する時です!!!」


「わ、わかった!!」


・・・なんだろう・・・この三文芝居は!?


明らかに説明口調でしゃべるサーター。


そしてその言葉を聞いて、シンガー王国の面々は

そのたびに驚きの声を上げていた。


というか・・・


返事をしているのはマリなんだけど!?


何とか、男の声になるように必死に下げた声で

後ろを向きつつ、顔を少しだけバリティッシュ男爵様が

いる方へと向けてから声出している・・・


・・・気づかれないと思っているのかな?


しかも、サーターの方もセリフを言った後で、マリの方をチラリとみており、

チラリと見た後で、マリが返事をする。


・・・せめて、事前に打ち合わせをしておけよ・・・



「いよいよ、とどめを刺しましょう!」


「わ、わかった!!」


・・・マリはほかの言葉が思いつかないんだろうか・・・


しかも毎回どもるって、何をそんなに緊張しているんだろうか?


それよりも無理やり立たされているバリティッシュ男爵様が

どうやって止めを刺すというのだろうか?

また飛ぶというのだろうか?


そんな俺の疑問に対して、想定外の回答が示されるのであった!!



「いつも通り、私を踏み台にしてください!!」


・・・いつもどおり?


・・・踏み台に?


・・・いや、サーター、お前が踏み台にしているんだろう?いつも・・・


って!?


何を思ったのか、サーターがバリティッシュ男爵様の傍へと歩み寄ると、

いきなり・・・


足を掴んだ!?


っていうか、後ろからバリティッシュ男爵様の足を掴んだので、

そのまま引っ張ると・・・



「あ、間違えました。」


見事に顔面から地面に突っ込むのであった!!!


・・・絶対に間違ってない・・・あいつは意図してやったんだ・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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