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149話目

「サーター様、血をこちらで拭いてください。」


そう言って、マリがカバンから一枚の服を差し出した。



「ありがとうございます。」


そう言って、さっと魔人を討伐した手を拭くサーターであったが・・・



「・・・このボロ布が汚れてしまいましたね。」


「ボロ布なのでもう捨ててしまわれても問題ないと思いますが。」


「それもそうですね。」


そう言って、血を拭きとった布を雑にポイっと捨てて、

動き出すサーター・・・


・・・今捨てたの・・・


バリティッシュ男爵様の一張羅ですけど!?


二人そろってボロ布って言ったけど!?


いいのかよ!!?


俺の目には、サーターが倒れているバリティッシュ男爵様の腰のあたりを

つまんだと思うと、近くにあった台車の上へと投げるのを見た!!


すでに台車の上には、3バカが投げ捨てられており、

それがクッションになって無事に台車の上に載るとはいえ、

そんなに雑に扱っていいのか?



「さあ、行きましょうか?」


そう言って、すっと俺に台車の持ち手を差し出すサーター・・・・



「・・・今、俺の背中にはカンナ殿が・・・。」


「・・・役立たず・・・。」


俺が言葉を発しようとしたところで、ボソッとマリがそんなことを告げてきた。


すでにイケメンに対して会話ができないポンコツがまた発動したようで、

顔を表に上げることができない状態になっているマリ。


ホントに・・・さっきまでとは別人なのですが・・・・


俺はカンナ殿を背負ったままで、

台車を引いて王城へと向かう。



「さて急がないと本当にこの王国は滅びてしまいますよ。」


「・・・え?」


サーターの言葉に驚いてしまう。

え?だって、さっき魔人は討伐して・・・


そこまで言ったところで、目指していた王城の付近で


ドーン!!!


そんな爆発音が聞こえてくるのであった!!



「ど、どういうことだ!?」


「どういうこととは?」


「まだ敵がいるのか!?」


俺がサーターに詰め寄ると、



「ええ、魔人がまだいますよ。

 今の音だと・・・どうやら王城の門を破壊したのではないですか?」


「な、なんだと!?」


俺ももちろんマリも驚いたような表情を浮かべる!


それもそのはずで、やっとの思いで魔人を討伐したと思ったら、

まだ魔人がいるなんて・・・


魔人なんてここ数十年一度も現れたことがないはずなのに

どうして立て続けにそんなに現れるんだ・・・


俺は思わず絶望してしまう。

今の状態で魔人と遭遇すれば・・・



「バリティッシュ男爵様がいるので、容易に魔人を討伐できますから

 安心してください。」


俺の考えを読んでなのか、そんなことをいうサーターであったが、



「・・・さっきの戦いでも簡単に気絶したんだぞ!?」


「だから、まだまだ力が残っているのですよ。

 温存していたのですよ。」


「・・・温存って・・・。」


「さあさあ、急がないと本当にカンナ殿のご両親が不在になりますよ

 グンテ殿のせいでね。」


そう言われて思い出す!


王城にはカンナ殿のご両親がいるのだ!!


っていうか・・・うすうすとは気づいていたのだが・・・



「・・・うん?まずいですね。」


俺が思っていることを口に出そうとしたところで

俺の言葉を遮るサーター。



「どうされましたかサーター様?」


「門を壊したのはわかっていましたけど、

 すでに城の中まで侵入しています。

 それももう少しで国王たちに迫る勢いですね・・・。」


「な、なんだと!?」


俺は思わず動揺して大声をあげてしまう!

国王たちというのは・・・



「だから急ぎましょう・・・というか、私とゴミ・・・・

 バリティッシュ男爵様だけで先に向かいますね。」


そう言って俺の引いていた台車からバリティッシュ男爵様を

つまむサーター。


・・・持ち方がおかしいんだけど・・・



「それでは、先に行きますよ。」


そう言った瞬間、目の前にあった姿は

足元の影へと沈んでいくのであった!!



「魔法!?」


それはマリが使っていた闇の魔法と全く一緒の魔法である!!


ただ、マリよりも素早いのはわかり、

すぐに沈んでしまってトプンと言った水滴音を残して、

一瞬で姿かたちが消えたのであった。


・・・ていうか、その魔法が使えるのなら俺たちも連れて行ってくれてよかったのでは?



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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