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148話目

「・・・やれやれやっと終わりましたか。」


死闘?を繰り広げていた俺たちのすぐ近くの家の扉が

いきなり開いたかと思えばそんなセリフが聞こえてきたのである!?



「「!?」」


俺もマリもあわててそちらの方を見ると、

中から出てきたのは・・・



「サーター!?」


「さ、サーター様!?」


なんといつも通り執事の服装をしたサーターがそこから現れたのであった!?



「ど、どうしてここに!?」


俺のセリフに何かを考えるようなしぐさをしたかと思ったら、

いい案が思いついたような顔をしたかと思うと、



「なぜか扉を開けるとここに・・・どういうことですか?」


驚いたような表情を浮かべるのであった・・・


っていうか・・・



「それは無理があるだろう!?

 お前、さっきそこの扉を開ける時に、『やっと終わりましたか』って言ってから、

 そこの扉から出てきただろう!?」


俺は先ほどの登場した瞬間に発した言葉を

サーターへとぶつける。

すると・・・



「そんな細かいことは覚えてませんね。

 ・・・もしかしたらこことバリティッシュ男爵様の屋敷の扉が

 つながったのかもしれませんね・・・ふむ・・・

 それなら納得します。」


「俺は全く納得しないぞ!!

 どうして屋敷の扉とここの扉がつながるんだ!?

 しかもそんなに都合よくだ!!

 それにちょうど魔人を討伐した瞬間になどつながってたまるか!?」


「・・・ありません?

 家の玄関から出ようとすると異世界につながっていたみたいなことが?」


「あってたまるか!!そんな話も聞いたことがないわ!!」


「そうですか?

 バリティッシュ男爵領ではたまにあるので、

 それが世間一般だと思っていたのですが・・・。」


「バリティッシュ男爵領には俺も住んで何カ月も経つが、

 そんなことになったこともそんな話も一度たりとも聞いたことがない!!」


「それはグンテ殿が村の人間と仲良くなっていないのが原因ではないですか?」


「俺に問題があるとでも!?」


「はい、なので、これからはもっと仲良くなるように

 努力をしっかりとしてくださいね。」


「は、はぁ!?」


「・・・そんなことはさておき、マリ。」


「いやいや、そんなことではないだぁ・・・。」


話をマリに振ろうとしたので、それを止めようとしたのだが、

マリと呼ばれた瞬間に俺の目の前には・・・


先ほどまで男の急所を嬉々として掴んで・・・潰して嬉しそうな顔をしていたマリが、

今では恋する乙女の表情に変わっているのを見てしまい、言葉を失ってしまうのであった。



「は、はい!!!」


声が裏返って返事をするマリ。

ものすごく緊張をしているのだろう。



「魔人を討伐するとは・・・あなたは私が見込んだけのことはありますね。」


そう言って笑みをマリへと向けるサーター、

その笑みを受けて、涙をこぼしながら口元を押さえて

その場で崩れるマリ・・・・


え?ここまで重傷だったのか!?


いつもは、サーターと話していてもそんな大げさな行動はしないのに・・・


どうやらサーターの笑みがマリにとってはクリティカルだったようだ・・・



「私に・・・そんな・・・期待を・・・。」


震えるような声を上げるマリ・・・


喜んでいるのはわかる・・・


わかるけど!!!


お前、さっきまで死にそうだったんだぞ!?


最悪の魔人と戦わされていたんだぞ!?


街一つつぶした・・・いや・・・まあ、一部はマリの魔法でつぶれたけど・・・


死にかけたのに、そんな口先だけの言葉でコロッといかされるなんて!?



「・・・マリ。」


「は、はい。」


「これからもバリティッシュ男爵様・・・いいえ、私のために

 助けてくれますか?私を・・・。」


そう言って、崩れていたマリへと片膝をついて、

スッと手を差し出すサーター。


その姿に感極まるのはマリであり・・・



「もちろんでございます。」


嬉しそうにその手を取るのであった・・・


これって・・・・


まさにアメと鞭だ!!!


ちょっと鞭が恐ろしいほど強力だけど・・・


っていうか、完全に光悦な顔をするマリ・・・


マリ・・・


お前・・・本当にちょろいな・・・



「さあ、とりあえずは、そこに転がっている魔人に留めを指してから、

 王城へと向かいましょう。マリ、あなただけが頼りですからね。」


「はい!!」


恋する乙女を転がす悪い男・・・


自分の娘が出来たら、絶対に男を見る目だけは

つけさせようと心に決めるのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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