147話目
「ば、バカな!?そんな魔法は聞いたことがないぞ!?」
慌てふためくのは魔人である!
それもそのはず!
先ほど一発くらって瀕死の状態に落ちたシャドウフレアよりも
強い魔法が存在すると聞いたのだから!
「ありますよ、ただ、この魔法はあまり使いたいと思いませんけどね・・・。」
苦々しい顔をするマリ。
どうやら本当に使いたくはないため
今まで使わなかったのだろう。
そのマリのセリフを聞いて・・・明らかに顔を青くするのは魔人である。
「そ、そんな強がりを言ってもだめだぞ!!
も、もう魔力もないのだ!!
ぜ、絶対に俺に効く魔法など使えるも、ものか!?」
・・・わかりやすいほどの動揺だ・・・
「使えますよ・・・。」
そう言って、魔法を使おうとするマリに対して、先手必勝とばかりに
魔力を高める魔人!!
すでに隠ぺいするのは止めており、
魔力が流れることで体中からいくつもの魔方陣が浮かんでいた!!
「これだけの魔法をお前が防げると思うのか!!!」
いっきに魔力を流していく魔人に対して、
「遅いですよ!」
その言葉を言うのが早いのか、魔法が発動するのが早いのか、
すでにいくつもの闇が魔人の足元に発動したかと思ったら、
その闇の部分からいくつもの手が沸き上がってくるのである!!
「バインドだと!?そんな魔法が俺に効くと思っているのか!!!
やはりハッタリであったな!!!」
いくつもの手が魔人の手足を掴んでいくのだが、
切り札と言っていた魔法が闇の手であると悟ると
安堵の表情ととともに嬉しそうな笑みを浮かべる魔人。
「ま、マリ!?」
俺は逆に悲痛な思いに駆られてしまう!!
あの魔人にそんな初歩的な魔法・・・
しかも足止め魔法が効くとは到底思えないのだ!!
魔人も同様でいくつもの闇の手に絡めとられているというのに
それを避けることもなく、捕まえられるがままになっていて、
「ふふふ、さあ、貴様の奥の手もこれまでだ!!」
この程度の魔法なら簡単に振りほどけられるとわかっているためか
あえてバインドで捕まっているのである!!
「くぅ!!!」
俺はとっさに剣を構え直して、魔人に突撃をしようとする!
この一瞬の隙を活かせなければ俺たちは死んでしまう!!
そう思っての行動であったが・・・
「ふふふ、お前に近寄られる隙など作るわけが・・・・。」
そう言いかけたところで魔人が言葉を止めた!!
そして自分の下の方へと視線を向けるのであった!
そんな隙を俺が逃すわけがない!!
すでに俺は火の海の中に飛び込むだけの覚悟もできている!!
だが・・・
俺が一瞬魔人の視線が下に向いたのを気にしてしまい、
そちらに視線を向けると・・・
「うぐぅ!?」
短い悲鳴を上げる魔人!?
どういうことだ!?・・・って!?
俺の視界に入ってきたのは・・・
魔人の股間に闇の手が!?
っていうか、あの位置は間違いなく男のシンボル部分を掴んでいる!?
俺はその光景を見て・・・
内股走りになってしまう!!
いや・・・だって・・・あそこは急所ですよ?
あ、あそこをあんな乱暴な鷲掴みされると男は・・・
そんなことを考えただけで一層縮こまってしまう・・・
「ぎぃやぁーーー止めてくれ!やめてくれ!!お願いだ!やめてくれ!!」
悲鳴と共に懇願する魔人。
・・・だが、そんな懇願をゾクゾクするような光悦した顔で聞いているマリ・・・・
あ、これ本気だ・・・
俺が悟るには十分だったのだが、
「お願いの仕方が違うのでは?お願いする時は?どうするのですか?
賢者・・・サイ様?」
その言葉を聞いてすぐに、
「ま、マリ様!!お願いします!
お願いしますから、ご慈悲を!!」
完全にしたから懇願する魔人に対して、マリは笑みを浮かべて、
「わかりました!」
笑みでそういうと、魔人はホッとしたような顔をしたと思ったら・・・
「それではつぶして差し上げますね♪」
黒いマリの笑みを見た瞬間に絶望へと変わるのであった・・・
「クラッチ!!」
そうマリが叫ぶととともに魔人の悲鳴が辺りにこだまするのであった・・・
ただその悲鳴を少しだけであり、
今では魔人の周りにあった火も消えて、そこに泡を吹いて倒れこんだ魔人の
あられもない姿になったのであった・・・
「また・・・つまらないものを切ってしまったわ・・・。」
そんな哀れな姿になった魔人を見て、
そんなセリフを吐くマリであった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




