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144話目

「ちょっと待ってくれ、カンナ殿!

 賢者サイ様がなぜ魔人なのだ!?」


俺は思わずカンナ殿に聞き返してしまう!!



「わ、わかりません・・・ですが、目の前にいる魔人は・・・間違いなくサイ様です。」


そう言って、ガクガクと震えながら

魔人に視線を向けているカンナ殿。


どうやらカンナ殿はサイ様を知っているような感じだな・・・


カンナ殿の言葉を聞いて、さらには俺が

サイ様の名前を知っていたことで気分を良くしたのだろう。


先ほどまでの絶望しきっていた顔が

今では笑みを浮かべるほどにまで変わっていた。



「そうか、そうか、やはり俺の名前は

 世界中に響き渡っているようだな・・・ククク・・・。」


「・・・本当にサイ様なのですか?」


俺がサイ様に尋ねると、



「いかにもだ!!俺こそは世界が誇る賢者であるサ・・・。」


そこまで言いかけたところで、

魔人サイの周りに黒い塊が周囲から集まり始めたのだ!


そして、次の瞬間に強烈な黒い閃光が走るのである!!!



「シャドウフレア!!!」


閃光が走ると同時にマリの言葉が響き渡る!!


その言葉と同時に閃光と激しい爆発が辺りを包み込んでしまうのであった!!!


俺はとっさのことで、反対を向いたと同時に

懐にカンナ殿を抱きしめる!!



「グンテ様ぁーーー!!」


ギュッと俺の抱きしめにこたえて、

しがみつくように返してくるのである。


記憶があったのはそこまでで、そこからは気がつけば

強烈な爆発も止んで、闇の閃光も消えたころであった。



「・・・やったのか?」


俺は破裂したほうへと視線を向ける。

だが、そのあたりには土煙が立ち込めているだけで

何も見ることが出来ない状況になっていたのである。


・・・というか・・・


こんな魔法を使って街は大丈夫なのだろうか?


一応ここはシンガー王国の王都であり、

先ほどまで俺たちの周りには家々が壊れていたとはいえ、

存在していたのだが・・・


ざっと見まわしただけでもそんな建物があった痕跡がなくなっていた・・・


ダメだ・・・


マリにこんな魔法を使わせると

魔人が討伐できるかもしれないが、街が消滅してしまう!!


やっていることが魔人となんら変わらないじゃないか!!


というか、どっちが悪役であるのかが全く分からない状況になるじゃないか!?


いや、さっきまで魔人が暴れていたとはいえ、

町の面影が残っていたのに・・・


今俺が見える範囲では荒野に変わっている・・・


これ・・・


マリのほうが悪役じゃないのか?


そんなことを考えているとマリのほうの土煙が晴れてきて・・・


・・・なんか決めポーズをマリが取っているのだが・・・



「ふ・・・悪が栄えたためしなし。」


気目顔で決め台詞を言うマリなのだが、


・・・俺の目にはお前のほうが悪役に見えるのは気のせいだろうか・・・


だって、さっき明らかに名を名乗ろうとしていたところを

待ったなしで攻撃するなんて・・・



「き・・・貴様ぁ!!!!」


そう言って、土煙の方から大声が響いてきた!


・・・どうやら魔人は・・・


そう思って声の聞こえたほうを見ていると、

やっぱり魔人の姿が現れたのであった・・・



「・・・あの魔法で倒せないとは・・・。」


俺は絶望感に襲われていた。

ちょっと周りへの被害がひどいことになっているが、

人類が使える最強の攻撃魔法で攻撃したにも関わらず、

死なないとは・・・



「・・・チィ!やっぱり魔人は・・・。」


先ほどまでの決めポーズをとっていたマリであったが、

魔人の声を聴いたところで、思わず舌打ちをしていた。


マリも討伐できていたと確信していたのだろうな・・・


ゆっくりと晴れていく土煙の中、



「俺が名を名乗っているさなかに攻撃してくるとは、

 なんと汚いことをしてくるんだ!!」


・・・どうやら魔人は自分の名乗りを邪魔されたことにご立腹のようだ・・・


・・・攻撃されたことではないんだな・・・


ちょっとずれているが、よっぽど自分の名乗りをしたいのだろうか・・・


徐々に晴れていき、魔人の姿があらわになると、

俺が想定していた姿はかなり違っていた。


怒気を含んでおり、怒り狂った顔をしているのは

想像していた通りなのだが・・・



「・・・俺に・・・あんな魔法がきくと思ったか!!」


そう叫ぶ魔人なのだが・・・


明らかにきいていた!!


肩で息をしていて、体の半身はすでにボロボロになっている!!


それでも何とか威厳を保とうとして、余裕のあるふりをしているが、

明らかにフリなのがわかるほどにフラフラとしていた。


っていうか、生まれたての小鹿のように

足がガクガクぶるぶると震えているし・・・


・・・これ・・・


勝てるかもしれない!!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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