138話目
「瞬間移動と言う魔法があって、それを使えば一瞬です!」
「「「「「「・・・。」」」」」」
俺たちはその言葉を聞いて唖然とする。
そもそも瞬間移動ってなんだ?
「・・・あれ?聞こえてないんですか?
この距離で聞こえないって・・・
あのですね!私は・・・。」
どうやら俺たちが唖然としていたのを聞こえていないと
判断したようで声の大きさが一段と大きくなったマリに俺はあわてて、
「いや、聞こえてるからな!!」
「なら、どうして反応しないんですか?
私はてっきり私の魅力に魅了されてしまって、
言葉を失ってしまったのかと心配しちゃいましたよ。」
「・・・そんな心配は一生しなくていいぞ・・・。」
「はぁ~!?そんなこと言う人には、
瞬間移動魔法を使ってあげるつもりはありません!
まあ、頑張って泳いででも行ってみたらいいじゃないんですか?」
そう言って今度はへそを曲げてそっぽを向くのであった!
「ちょ、ちょっとマリ!こんな時に・・・。」
あわてて、へそを曲げたマリを諭そうとした時、
俺の横で勢いよく頭を下げ・・・たというか、
地面に座り込んで擦るように額を地面につけだすカンナさん!!
「お願いします!助けてください!!!」
その行動を見てあわてて、止めるマリだった。
「そ、そんなことしなくても大丈夫ですから!
すぐに瞬間移動魔法を使いましょう!!」
「ほ、本当ですか!?」
涙を浮かべた目でマリを見ると、何度もうなづくマリ。
・・・どうやら自分の意地悪にこんな反応をされてしまって、
罪悪感でいっぱいになったようで、すぐに魔法の話をしてくれる。
「瞬間移動魔法と言っても万能ではないんですよ。
だから、まずは補う魔法を使わなくてはいけないんです。」
「・・・補うとは?」
「瞬間移動魔法は、今まで行ったことがあるところで、
記憶がちゃんと鮮明な場所であれば使えます、
逆に言えば行ったけど記憶が鮮明でなければ使えないでし、
失敗する可能性が高いのです。」
「・・・失敗すれば?」
「・・その道中のどこかまでしかいけないか、、
最悪の場合には次元の狭間に挟み込まれてしまう可能性があります。」
「・・・挟み込まれたら?」
「瞬間移動魔法が使えれば、もう一度使えばいいんです。」
「・・・使えなければ?」
「・・・テヘ。」
舌を出してかわいらしく笑うマリ。
「そんな仕草をしてもだめだ!!
そんな危険な道をカンナさんに選ばせることはできない!!」
「別にカンナさんを連れて行かなければいいんじゃないんですか?」
「・・・俺たちならどうなっても良いということか?」
「・・・で、そこまで説明すればわかると思うのですが、
そもそも私の記憶にないところには行くことが出来ないんです。」
「・・・見事に話をそらしたな・・・。
で、マリはシンガーには行ったことがあるのか?」
「あるわけないですよ。
私は生まれも育ちも王都の箱入り娘です!」
胸を張ってそういうのだが・・・
箱入り娘・・・
俺の知っている箱入り娘とはずいぶん違うのだが・・・
「・・・失礼なこと思ってると、骨すら残らないように燃やしますけど?」
そう言っているマリの背中に俺には黒い火が見えたので、
あわてて、
「何も考えてない!マリは、立派な箱入り娘だ!
間違いない!俺もそう思っていたんだ!!」
「ですよね~♪」
嬉しそうにくねくねし始めるのだが・・・これじゃあ、話が進まないのだが・・・
「ですが!それを補う方法があるのですよね!!」
マリに詰め寄り尋ねるカンナさんに、
「はい!そのためには・・・
カンナさんの協力を得るしかありません!!」
「どんな協力も惜しむつもりもございません!!
たとえこの身が尽きようとも協力所存でございます!!」
「そこまで言ってもらえるのならよかったです。」
カンナさんの決意に安心したような笑みを浮かべるマリ
・・・その笑みが怖いのだが・・・
「いったい何をするつもりなんだ?」
「至って簡単ですよ!カンナ様の記憶を一部読み取らせてもらって、
その記憶を使って瞬間移動魔法を使います!!」
ことも簡単気に言うのだが・・・
「・・・記憶を読み取るとは・・・。」
そこまで言いかけたところで、マリの属性を思い出した。
「わかりました?私は闇属性ですからね。
その手の魔法はお手の物なんです・・・グスン・・・。
・・・闇属性のせいで・・・
昔からいじめられていた記憶が・・・グスン・・・。
目から汗が出てしまって前が見えないです・・・グスン・・・。」
「す、すまなかった・・・。」
どうやら触れてはいけないモノに触れてしまったようだ・・・。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




