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134話目

気がつけば寝ていたらしくて、

揺れる馬車の荷台で横にされていたのである。


一体どうして寝ていたのか・・・思いだそうとするのだが、

何も思い出せない・・・


そんな中で、俺が起きたのに気づいたグンテが

俺に対して、



「シンガーに魔人が現れたようです。」


「なんだと!?」


魔人だって!?


そんなのを相手にするわけないじゃないか!?



「そもそも俺の仕事は、魔人がいるのかの調査だろう?」


「はい・・・。」


「なら、魔人がいるという情報を手に入れたのなら、

 俺の任務は終わりだろう!!

 その情報を王都に送れば、万事問題なしだな。」


「・・・ですが、今でも魔人がシンガーにて暴れているとの情報があります。」


「・・・何が言いたい?」


「討伐をしに行きましょう。」


「却下だ!!

 何を言っているんだ、グンテ!?

 魔人を相手にしに行くなんて自殺をしに行くようなものではないか?」


「ですが・・・その間にも罪もない国民が死んでいくのですよ?」


「そんなの知ったことじゃない!!

 ハッキリと言ってやるが、俺の命とそこら辺の有象無象の命、

 どちらのほうが価値があると思っている?

 1万人分あっても俺のほうが価値は高いぞ!!

 それなのになんで俺が命を懸けて助けるなんてことをしなくてはならないんだ!?」


グンテは・・・もうちょっとマシな奴かと思っていたのだが・・・


自分の主の命をそこら辺の有象無象と一緒にするなんてな!!



「・・・サーターから手紙を預かておりますが・・・。」


「いらない!!」


サーターからの手紙!?


絶対にろくなことが書いてないのがわかる!


あいつは、絶対に俺の命を軽く見ているはずだ!


その結論から導き出される回答は・・・


うん!


読まないことにしよう!


そうすれば預かっていたグンテが悪者になる!


こいつが渡していないのが原因なのだから!!



「・・・わしがサーター様より預かってきておりまして・・・

 受け取っていただかないと・・・わしがサーター様に怒られてしまいます。」


そう言いながらおずおずと俺の元へと出てきたマリ!!!



「・・・クゥ・・・そういう手で来るとは・・・。」


愛しのマリちゃんが困ってしまうじゃないか・・・


受け取らないと・・・


だが、受け取ると・・・ろくなことにならないのが容易に想像できる・・・


どうするべきか?


どうするべきなんだろうか!?


俺もマリも一緒にハッピーになるには!!


・・・マリと結婚か・・・


こんなにかわいい子ならきっと幸せな家庭が築けるな・・・


子供は二人は欲しいな・・・


ああ!!だけど、ダメだ!子供ができるとマリがかかりっきりになってしまう!

マリは俺だけのメイドであり、俺だけを見ていないとダメだ!!


いつまでも一緒か・・・



「バリティッシュ男爵様!!!」


「はうぅ!?」


体をゆすられて名前を言われて

やっとトリップしていた世界から戻されるのであった!!



「・・・何を想像されていたのですか?」


不審そうな目で俺をみんなが見てくるのだが、



「や、やましいことは何も考えてないからな!!マリと結婚なんか考えてない!!」


「・・・気持ち悪い・・・。」


なにごとかをつぶやいたと思ったら冷たい目でこちらを見てくるマリなのだが・・・



「どうかしたのか?」


俺が声をかけると、さっと笑顔になって、



「何もございません。

 ただ・・・そうですか・・・

 今回はシンガーの美人女性騎士が懇願しているのですが。」


「・・・え?」


マリが言うと外に待たせていたという女性騎士・・・確かに美人だ・・・ゴクン・・・

が中に入って来るや否や、



「是非ともご助力を!!バリティッシュ男爵様!!!」


縋りついて懇願してくるのであった・・・


どうしよう・・・


こんな美女二人に懇願されるなんて・・・



「いや、わしは懇願しておりませんが・・・。」


そんな声が急に頭に聞こえてきて、思わずマリの方を見るのだが、

マリの方はなんでこちらを急に見た?みたいな顔をしていた・・・


気のせいか・・・


しかし・・・


そんな時だった。

マリがすっと俺の耳元まで近づいてきて、



「サーター様からの伝言です。


 “ベッドの下、本棚の間、執務机の中に隠されたエロい紙を燃しますよ?”


 とのことです。」


「な、なんでバレてるんだよ!?誰の目にも触れないように隠しているのに!?」


「ご返答は?」


にっこりとほほ笑むマリの顔が悪魔にしか見れないのだけど・・・


そんなのサーターだけでお腹がいっぱいなのに・・・



「わか・・・った・・・。」


俺はしぶしぶ・・・本当にしぶしぶ受けるのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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