133話目
「しかし・・・魔人討伐となると・・・。」
その言葉を聞いたマリが、ニヤリとしいたと思ったら、
「こちらいサーター様から預かった手紙がございます。」
そう言って、俺に渡してくるのだが、このタイミングで手紙?
・・・嫌な予感しかしない・・・
受け取った手紙が嫌に重く感じるのは・・・・きっと気のせいじゃないな・・・
「ふぅ~・・・。」
覚悟を決めて手紙を開くと、
“Dear グンテ殿
最近寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
こちらは寒い日のせいでしょうか、
足腰の節々に痛みが発生しておりまして
暖かい日が恋しく思っております。
さて、本題ですが・・・
そろそろ屋敷を一新したいと思っておりますが、
グンテ殿はどう思っておられるのでしょうか?
・・・etc”
「・・・って、どうでもいい話題しか書いてないじゃないか!!!」
思わず持っていた手紙を地面に叩きつける!!
そしてマリの方を見ると、
「このタイミングで用意された手紙なら、
普通は魔人に関することを書いているんじゃないのか!?
なんで、屋敷の一新の相談や羊の子供が生まれたから、
その子の名前をどうするかなんかの相談事なんだよ!?」
思わず声を荒げてしまうのだが、
「さぁ?わしに言われても・・・。」
笑いながら俺の行動を見ているマリ。
・・・絶対にこうなると思っていたな・・・
そう確信するには十分で、
さらにマリは俺にもう一通の手紙を渡してくる。
「先ほどの手紙を叩きつけたら、こちらの手紙を渡してほしいと言われております。」
「・・・。」
完全にこちらの行動を読んでいやがったな・・・
苦々しい思いに駆られながらも手紙を開くのだが・・・
なぜか開いた手紙の中に更なる手紙が入っているのであった・・・
中に入っていた手紙を開くと・・・また手紙が入っている・・・
そして、また開くと手紙が入っているという繰り返し・・・
「マトリョーシカか!?」
また俺は地面に手紙を叩きつけるのであった!!
その時、一枚の紙がひらひらと手紙の中から舞いだす。
それを手に取ると・・・
“カリカリしなさんな”
思わずその紙を丸めて再度地面に叩きつけたのは言うまでもない!!!
完全に俺をおちょくってやがる!!
「あいつはこんなくだらないことをやるために貴重な紙を無駄にしたのか!?」
「さぁ?わしは言われた通りに手紙を渡しているだけで・・・。」
そう言いながら更なる手紙を俺に渡してくるマリ・・・
「・・・これに書いているのか?」
「わしにはわかりかねますけど・・・。」
ク、ク、クっと笑いながら答えるマリが憎たらしい!!!
絶対にこいつも内容を知っているはずだ!!
それに笑いをこらえている3バカ!!
お前ら俺の立場なら絶対に俺と同じ行動をしているからな!!
カリカリして心が狭いなぁ~とかボソッと言っているけど、
絶対にお前たちが同じ目にあったら同じ行動をとっているぞ!!
くそぉ!!
俺はいらいらしながら手紙を開くと、
そこには今度こそちゃんと指示が書かれていたのである。
“魔人を討伐してきてください”
シンプルなくらいわかりやすい言葉が一行書かれているだけである・・・
「いや、そんな簡単な作業をさせるみたいに書いてるけど・・・。」
討伐するべきは魔人なのだが?
魔人って一国を滅ぼすと言われている相手なのだが・・・
そんな魔人に対して討伐して来いとは・・・
思わず呆然としてしまったのだが、
そんな俺に対してマリがボソリと、
「王女様に抱き着いたこと王都にいる奥様に伝えるとどうなりますかね?」
・・・ここに鬼がいた・・・
「これは・・・不可抗力だろう・・・。」
「そうですか?元最強の騎士であるグンテ殿であれば、
相手が騎士といえど簡単に離せるのではないないでしょうか?
それをニヤニヤしながらいつまでも抱き着かれたままにしているのでしょう?」
そう指摘してくるのであった・・・
周りの3バカも
「ケぇ!!!リア充爆発しろ!!」
「死んでしまえ!!」
「・・・・。」
・・・こんな時に無言で見つめられると言葉を言われるよりも
なんか心に刺さってくるな・・・
覚悟を決めるしかない・・・
「・・・魔人討伐だ・・・。」
そう宣言すると満面の笑みで女性騎士は一段と俺への抱き着きを強くするのであった。
・・・役得は・・・堪能せねばな・・・
指でお金のマークを形成して、悪い顔をしているマリに
支払う意図でうなづいたのだから・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




