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130話目

「・・・あれ。」


そう言って馬車の業者台で見張りをしていたオルアシが

俺に声をかけてきたのである。



「どうした?」


俺は荷台から業者台へと移って、オルアシの指す方向を見ると・・・



「・・・土煙か・・・。」


馬車は止めることなく歩を進めていたので、

徐々にオルアシが示した場所に近づいていくと

俺の目にも土煙が立っているのを確認することが出来た。



「どうした、グンテ?」


俺の行動を見たのかバリティッシュ男爵様も荷台から顔を出す。



「あちらに土煙が・・・。」


そう言ってバリティッシュ男爵様に指し示すと



「土煙・・・だな・・・。」


俺と同意見なのか、では万が一のことを考えて迂回して・・・



「で、土煙が何か問題あるのか?」


・・・どうやら俺と同じことは考えてはいないようだ・・・


ちょっとあきれた目をしてしまいそうになるが、

そこはぐっと我慢しよう!!



「あそこで魔物が襲っているか、盗賊や山賊がいる可能性があるということです。」


「何!?じゃあ、すぐにでも迂回して避けるぞ!!」


「了解しました。では、この先に分かれ道がありますので、

 そこであちらに向かう道ではなくて、遠くなってしまいますが

 こちらを迂回して進みましょう。オルアシ、頼む。」


「・・・。」


無言でうなづくオルアシ。

その時だった!


急に耳を立てるようなしぐさをしたと思ったら、

急に背筋を伸ばして目を瞑るバリティッシュ男爵様!!



「な、なにか?」


そのしぐさに思わず慄いてしまうが、何とか尋ねると、



「いま・・・女の叫ぶ声が聞こえた・・・。」


「・・・はぁ?」


思わず間抜けな声を出してしまうのだが、



「あそこに女がいる!!助けに行かなくてはだめだ!!」


「・・・。」


・・・そんな理由で?


いや、俺たちはバリティッシュ男爵様の身の安全を考えて迂回を考えていたのだが・・・


というか、



「オルアシ、お前には聞こえたか?」


俺の質問に首を左右に振って聞こえていないと答える。



「・・・本当に聞こえたのですか?」


正直に言って俺の耳にはそんな声は聞こえていない。

耳がよくて、斥候ができるオルアシも聞こえていないというのに・・・


幻聴か?


ついに自分の都合がいいような幻聴までも聞こえるようになったのか?

と声に出そうになったのだが、何とかグッと我慢が出来た。

で、何とか不快感を示さないように尋ねたのだが、



「間違いない!!行くぞ!!」


オルアシにそう命じるバリティッシュ男爵様。


困ったよな表情を浮かべてこちらを見てくるオルアシに

俺はバリティッシュ男爵様に従うようにうなづき、

場所の行く先を土煙が起きている方へと向けるのであった。


そのまま馬車は迂回せずに道をすすで行く。

徐々に土煙が大きくなっていくとともに喧騒の声が聞こえてくるのであった。



「スカイ、ポテト、マリ、戦いの準備を。」


荷台にいる3人に声をかけたのだが、すでに準備は整っていた。

っというか・・・



「バリティッシュ男爵様、鎧を着てください。」


「・・あ!?ああ、もちろんだ。」


今更ながらに鎧を着始めるバリティッシュ男爵様。

・・・そんなに声の主の女性が気になるモノかな?


荷台に戻ったバリティッシュ男爵様が鎧を着始めたところで、

俺たちの目にもハッキリと何が起きているのかが分かった。


馬車が襲われている!!


相手は盗賊のような服装をした男たち!!


一台の馬車を囲うような状態になっているのだ!


その馬車も馬がすでに殺されているようで、

逃げ出すことが出来ない状態である。


多勢に無勢であるのであろう。

俺たちが近づいている間にも馬車を守る護衛の人間たちが、

一人、また一人と盗賊たちに殺されていたのである。



・・・というか・・・



「あいつら・・・盗賊じゃねえな。」


スカイの言葉にやはりかと思う・・・


統率が取れた動きをする盗賊たち。


護衛の者たちに対して、一対一では絶対に挑まない。

一人が動いたと同時にほかの盗賊たちも動いて、

常に一対複数を形成するような形になっていた。


これは・・・


そう思った時のことである!!



「あなた達!!逃げなさい!!」


護衛の一人がそう叫ぶのだが・・・



「あの声だ!!!」


いまだに鎧を着れていないバリティッシュ男爵様が荷台から顔を出す!!


・・・・そんなに慌てなくてもと思うのだが・・・



「何をしているの!!逃げなさい!!」


再度叫んでくるのはどうやら女性騎士のようで・・・相当な美人であった!!


・・・バリティッシュ男爵様の女レーダー・・・


マジですごいな・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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