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129話目

今日のマリも輝いて見える・・・


すでにマリと一緒に旅を始めて5日目の朝を迎えた。



「おはようございます、領主様。」


朝からマリの優しい声で起きる。



「おはよう。」


にこやかに応えながら俺は起きて、マリが用意してくれた湯桶で顔を洗い、

軽く体を拭いたらマリに服を着せてもらってから、宿の食堂へと向かう。



「おはようございます。」


グンテが立ち上がって俺に挨拶をする。

それに倣うようにスカイ、ポテト、オルアシも立ち上がって、

俺にそれぞれ頭を下げたり、挨拶をしてくれる。



「うん。」


俺の挨拶と共にまた座りなおしてから、食事を摂る。



「今日はだいたい一日かけて、2つの村を越えていきます。」


グンテが俺に対して、今日の一日の行動予定を話し始める。


それに俺はうなづきながら、食事を摂り、俺が食事を終えたころには、

すでにマリが俺の荷物を馬車へ積んでいてくれて、

出発の準備はできているのである。



「しかし、まだ目的のシンガーには到達できないのだな・・・。」


「そうですね。ただ、今日の目的地がシンガーの対岸に位置する都市ポールです。

 そこから一日船に乗れば、到着しますので、あと二日ほどで目的のシンガーには行けます。」

「・・・だが、そこから魔人捜索だろう?」


「はい。」


「もし本当に魔人がいたら命掛けじゃないか・・・。」


「そのためにバリティッシュ男爵様が派遣されましたので。」


「・・・軍でも送ればいいのに。」


「有象無象の軍を送っても被害が拡大するだけで、

 ここは現有勢力中で最も強力なバリティッシュ男爵様を送るのが

 賢明な判断だと思います。」


「・・・最強か?」


「はい、バリティッシュ男爵様に敵う者などおりません。」


先日まで王国の騎士団長をしていた最強の騎士グンテが

そう断言してくれると気持ちがいい!!


俺は最強の騎士にまで認められるほどの男だということだ!!



「まあ、そこまで言われるのなら悪い気分ではないな・・・。」


思わず口元がにやけてしまうじゃないか!!


いかんいかん!


今回のパーティーは俺が中心なんだ!


中心人物がちょっとのことで心を動かされたはダメだな!!


そう心に決めながらも顔のにやけが止まらないのであった。






「・・・はぁ~、まだ起きてきませんね・・・。」


これでもかというくらいのため息をつくマリに、



「マリ、悪いがお越しに行ってくれ。」


「ええぇ~!!!嫌ですよ!!あんな領主様ぶさいく!!」


「・・・そうは言ってもお前の主なんだぞ?」


「わしの主はサーター様です!!

 ・・・ああ、愛しのサーター様・・・あの顔が見れないとマリは、

 一日働く気が起きません・・・・。」


「・・・その割には、サーターの顔を見るなり、

 奇声のような返事しかしないよな?

 ほかの言葉を語り合っているところなんて見たことがないが?」


「・・・緊張してしまうんです・・・あの顔に見られると・・・いや、

 何か思い出してはいけないことが思い出しそうな気が・・・。」


そう言って、悩みだすマリに、



「悪いが、悩むのは後にして、バリティッシュ男爵様を起こしに行ってくれ。」


その言葉にちょっとむくれたような顔をして、



「グンテさんが起こしに行ったらいいんじゃないんですか?」


「俺のようなむさくるしいおっさんに起こされたいと思うか?」


「・・・ごめんこうむりたいですね。わしが目覚めに見たら、

 間違えてシャドーフレアを放ちそうです。」


「・・・俺の顔を見たくらいで、

 街が壊滅するような魔法を発動されるのは止めてくれ・・・。

 とりあえず理解できたのなら起こしに行ってくれ。」


「はぁ~・・・了解しました。」


そう言って席を立ちながら、俺たちの前にあった空の食器をまとめて、

食堂の入り口へと運んでいくマリ。



「・・・黙っていればいい女なんだがな、気もきくしな。」


そう呟くスカイに、俺はうなづくのであった。



「しっかし、あの領主様ばかをわざわざ連れていく必要もないだろうに。

 俺たちやグンテ殿、マリが行けば魔人相手でも後れを取るとは思えないけどな?」


「王からのご命令だ。

 それにシンガーも一応は国だからな。

 そこに俺たちのようなしがない一般人が行くわけにはいかないだろう?

 そこは貴族様が行くのが体面としていいんだろう。」


「・・・で、そのバカが粋がると?」


「まあ、ちょっと調子に乗ってくれたほうがこちらとしてはやりやすいだろう?」


「まあ・・・な・・・。」


スカイとの会話をしていると入り口にバリティッシュ男爵様の姿が目に入る。

しっかりと髪も整えられて、きれいに服を着ている。


マリもなんだかんだといいながら、

しっかりとメイドの仕事をしてくれるじゃないか・・・


あとでマリをほめてやるかと思いながら、

俺は立ち上がってバリティッシュ男爵様を迎える。


本来は、こんなところでそんな出迎え方をしていれば、

他の者の目につくし、この中に盗賊や山賊もいる可能性もある。


そいつらにわざわざ自分たちが貴族ですよと教えてやる通もないのだが・・・


こうしないと一日バリティッシュ男爵様がへそを曲げるからな・・・



「おはようございます。」


さぁ、めんどくさい一日の始まりだ・・・はぁ~・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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