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127話目

「・・・そういえば。」


バリティッシュ男爵様が屋敷に戻って、椅子に座りながら

サーターの方を向きながら、



「俺はどこに行くんだ?」


「・・・。」


こいつは・・・行くところもわかっていなかったのにごねていたのか?


・・・まあ、命令書が来るということは、

ろくでもない土地に行けと言っているようなものだけど・・・


尋ねられたサーターは、執務室の机に向かうと机の上に置いてあった手紙を手に取ってきて、



「こちらに書いております。」


「別に俺に渡さずともお前が読んでくれていいのだが・・・。」


そう言いながら受け取ると手紙を読みだす。



「ヘルンだとぉ!?」


そう叫びだすのであった。


・・・


逃げ出したい・・・


驚愕の顔を浮かべているバリティッシュ男爵であるが、

それも当然である。


ヘルンとは、小規模ながら独立国家であるが、

大きな都市が一つあるだけの国家であり、

・・・治安が最悪に近い状況である。


魔物は山のようにいるし、そもそも犯罪者の島流しの場所に使われていたところで

治安の悪さは本当にひどいものとなっていた。

しかも取り締まれるだけの人員がいない。



「・・・なんでそんなところに行かなくちゃいけないんだ・・・。」


バリティッシュ男爵が震えながらそういうと、

それに冷静に答えるサーター様。



「こちらにも書かれておりますが、ヘルンの領主からのご依頼で、

 魔人の調査をしてほしいとのことです。」


「魔人だって!?」


「・・・はい、そこに書かれている通りで、

 どうやら魔人らしき情報が流されているらしくて、

 その確認をしてほしいとのことです。」


「いーやーだー!!!!」


子供のように駄々をこねだすバリティッシュ男爵に対して、

スッと耳元に近づいて、何事かを話したかと思ったら、



「行くぞ!!さぁ行くぞ!今すぐ行くぞ!!!」


いきなりやる気を出し始めるのであった・・・・


どうして?


そんな俺の不思議そうな顔を察したのだろう。

俺のところにサーター様が来て、



「スカイ、もし領主様の心が折れそうになったりした際には、


 “ヘルンの王女は独身で美人です”


 そう伝えればおおむね大丈夫ですから。」


にっこりとほほ笑んで俺にそんなことを伝えてきた。


たしかに・・・


直接見たことがないが、世界3大美人と言われる中に、

ヘルンの王女が入っているのは聞いたことがある。


ちなみにそのうちの一人にジョセフィーヌ王女が入っている。

まあ、少なくともあのレベルでの美女ではあるということだろう。



・・・間違いなく美人であろう・・・


それにさらに噂では、性格の良さも聞いている。

これが本当かどうかはなんといえないけど・・・


俺が聞いた中ではジョセフィーヌ王女も

評判は良かったからな・・・


あのサドが!?っと今では、疑問しか感じなくなっていた。


ものすごくやる気になっているバリティッシュ男爵には、

一抹の不安があることを伝える必要はないだろう。


美女であることさえわかっていれば・・・頑張ってくれるはずだ!


ちなみに違う理由で喜んでいる者もいる。



「ちなみに・・・アーサーたち・・・は?」


サーター様にバリティッシュ男爵が恐る恐る聞いていると、



「アーサー様には別の依頼が来ているとのことで、

 今回の任務からは外れることになっています。」


「ほんとか!?」


満面の笑みで喜んでいるバリティッシュ男爵。

ただ、すぐにハッとした顔となったかと思ったら、



「・・・ジョセフィーヌ王女様は・・・国外には出れないんだよな?」


「はい、王女が国外に出ることはできませんから。」


「「「よっしゃー!!」」」


・・・あれ?


バリティッシュ男爵だけではなく、俺の後ろからも声が・・・


そう思って振り返るとポテトとオルアシが声を出して喜んでいたのである。


・・・よっぽどだったんだろうな・・・


普段無言のオルアシが全身でさらには声を上げてまで喜ぶとは・・・


まあ・・・


そう言っている俺も心の中ではガッツポーズだがな。



「・・・お願いしてみましょうか?」


そんなことを言い出すサーターに対して、



「「「「いやだぁ!!!」」」


四人の声がそろうのであった。


・・・この四人が今被害にあっているのだろうな・・・


俺たち四人は無言でうなづき、

お互い四人で抱きしめあうのであった。



「・・・。」


冷たい視線が俺たちに注がれていることに気づくことはなかったのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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