122話目
「シャドーフレア!!!」
その声が響き割るとともに、目の前にあった空間が破裂していく!!
そして、数秒後には先ほどまであった、小さな岩の塊を含む小山が
見事なくらいなくなったのであった。
満足げな顔をこちらに向けてくるマリ。
その満足げな顔が・・・恐ろしい・・・
知っているのだろうかこの子は?
自分が使った魔法がどういったものなのか・・・
最強の一角を示す魔法である極大爆裂を使ったのである。
これを使える魔術師などこの王国にはいない。
というか、この世界でも該当者は・・・一人使えそうな人間が思い当たるが、
その人は大賢者と言われる存在の人だ。
それをこんな女の子が使えるとは・・・
末恐ろしい・・・
「・・・闇属性なのか?」
俺の質問にビクッと反応するマリ、
先ほどまでの笑顔から一転明らかに狼狽したかと思ったら、
ガタガタと震えだしたのだ!
「・・・女の子をいじめるとは男の風上にも置けないですね・・・。」
そんなセリフと共に冷笑を俺に向けてくるサーターに、
俺はあわてて否定する。
「いや、偏見を持って言っているわけではないぞ!!
すごいと思っているんだからな!!」
あわてて釈明するのだが、その声が彼女に届いているかは・・・疑問である。
この王国・・・というか、この世界において、
闇属性という存在は忌み嫌われる対象である。
光属性が何よりも尊いものとされて、
闇属性は犯罪などの暗い部分のように思われていて、
そしてそれが闇属性の迫害に関与することになっている。
うかつだったな・・・
素直に初めて見た魔法に感嘆していただけで、
思わず漏れた言葉だったのだが・・・
この娘だってきっと迫害を受けてきたに違いない・・・
その証拠に、彼女の指つけられている指輪には、
それぞれ水や火の魔方陣が刻み込まれいている。
パッと見で、それを見て、水や火が使える魔術師なんだなっと思うように
彼女なりの配慮があってしているのだと気づかされた。
・・・今にも泣きそうになっているマリを見て、
何かを言わなければと必死に足りなり頭を回転させる。
そうでなければ・・・
サーターの殺気が一段と強くなってきているし!!
殺される!!!
そ、そういえば!!
「フレアが使えるということは、コンタクトをとっている相手は、
大天使なんだな。」
何とかいい言葉を思いついた!!
そう思っていたのだが・・・
なぜか今度は怯えだすのであった!?
なぜ!?
いやいや、大天使とコンタクトが取れるってことは素晴らしいことなんだぞ!?
そのコンタクトがとれたこそのシャドーフレアのはずなのに!?
間違いなくこの王国一の魔術師であるという証明なのに!?
どうしてそんなにおびえるんだぁ!!!!
俺は、必死で彼女を慰めようとするのだが、
俺のどんな言葉も彼女の耳には届くことなかった・・・
ど、どうしたものか・・・
そう思ていると、
「・・・大天使ルシファーとのコンタクトに何かご不満な点でもあるんですかね?」
冷ややかな声でサーターがそう呟くと、
先ほどまでのおびえていた表情が一変する!!
「わしはめっちゃうれしいです!!!」
そう言って、ひきつった笑顔をサーターに向けていた。
・・・いろいろと言いたい・・・
明らかにサーターに対して、おびえてるよな?この子・・・
何をしたサーター!?
そう思って、俺が視線を向ける・・・が、
それにはすぐに視線を逸らすサーター・・・
こいつ・・・
絶対にやましいことがあるな・・・
あと・・・
一つ気になった点がある・・・
今、マリは自分のことを・・・
“わし”って言った!?
私ではなくて?
俺の聞き間違いか?
それとも噛んだりしたのか?
「・・・顔が引きつっておりますが・・・ご不満な点が?」
そうサーターに言われると、
「わしはめっちゃうれしいです!!」
・・・何とか笑みを浮かべようとするのだが、
やはり引きつり笑いのままであった・・・・
っていうか、今まった言ったよ!?
ぼくっ子でもなく、
わしっ子かよ!?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




