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121話目

「・・・それで俺と一緒に行動を共にするのは、

 新しく入ったあの3バカということか?」


俺の質問にサーターはうなづきながら、



「何かご不満な点がございますか?グンテ殿?」


「・・・バリティッシュ男爵様の護衛をするのに、

 俺と3バカだけだと火力が足りないが・・・。」


「まあ、姫君の救出ですからね・・・。」


「お前は来ないのか?」


「私はこちらでいろいろとやることがありますので、

 ここを離れるわけにはいかないのですよ・・・。

 ですが、ご心配な点については、こちらもわかっていましたので

 すでに準備していてもうすぐ来ると思うのですが・・・。」


そういって、ふと入り口の扉の方に目をやるサーター。


俺もその視線に引きずられて視線を向けると、

バタバタと廊下を走ってこちらに向かってくる足音が聞こえてきたのである。


そして、その足音は扉の前で止まったかと思ったら、

ノックをしてきたのである。



「どうぞ、入ってきなさい。」


そうサーターが声をかけると、静かに扉が開いたのである。

そして部屋の中に小柄な女の子が入ってきた。



「・・・誰だ?」


俺の質問に女の子が答えようとしたのだが、

その答えを遮るようにサーターが、



「“メイド” 兼 “家畜” 兼 “魔術師”のマリです。」


「・・・途中に不穏なことが含まれていたのだが・・・。」


「ああ!メイドですか!とろそうにマリは見えますが、

 こう見えて、意外と素早く行動することが出来ますので

 しっかりとメイドとしてきっちりと指導すれば

 ちゃんと使えるようなメイドになると思います。」


そう自信満々に俺に返答をしてくるサーターに、



「いやいや、今の3つの単語の中で、一番しっかり来たのは

 メイドだったのだが・・・

 むしろ残り二つの言葉のほうが驚きだったのだが・・・。」


「そうですね・・・確かに魔術師と言われてもピンとこないでしょうね・・・。」


いや・・・そこも多少譲れば理解できるのだけど・・・


まあ、今俺の目の前にいるのはメイド服を着た女の子であり、

この子が魔術師ですと言われても本当にぃ~?っと疑いたくなる。


だけど、まあ、そうなのかと言われてよく見れば

魔術師の影が見られるのでわかるだろう。


彼女がはめている指輪には魔力が漂っていることが、

魔力を持つものからすればわかる。


一般的に魔法は、自分の魔力で、神や天使と言われる存在とコンタクトをとる。

そして、その神や天使の持つ“奇跡の一部”を使用する。


よく魔方陣を描いているが、これはコンタクトをとるために必要であるが、

いちいち魔法を使うために魔方陣を描くことはない。


そのために自分のアイテムに魔方陣を刻むのだ。


それは魔術師の杖だったり、指輪やペンダントなどの宝飾品や

俺なんかだと剣の柄の部分に刻んでいる。


・・・ソウルイーターもどこかに刻んでいるはずなのだが・・・


いまだにその刻まれた部分を見たことがないし、

何より刻むことで微量な魔力を帯びることがあるのだが、

そんな魔力を感知したことは一度もない。


そもそもバリティッシュ男爵様に魔力がない・・・


話を戻すが、その帯びている魔力をつけている指輪の部分、

さらには胸元から感じるのでペンダントでも持っているのだろう。


だから、見た目はかわいらしい女のことだと思っても、

・・・魔法が使えると言われても信じがたいが・・・

魔術師であると言われれば納得する。


そう・・・


俺は魔術師という言葉に納得していないわけではなくて、



「彼女がいれば、心配な点も随分と改善されるでしょう。

 それでも何かご不満な点がありますか?」


・・・絶対に俺の疑問に気づいていて、

あえてその問題にふれさせないようにしているな・・・



“家畜”って言った・・・


・・・触れないようにしよう・・・



「わかった。だが、彼女はどの程度の魔法が使えるんだ?

 特に系統が何かを教えてくれないか?

 道中で役に立つなら知っておきたい。」


「なるほど、そうですね・・・。

 それではマリの腕前を見てもらうために

 少し裏手に行きましょうか。

 ここで魔法を使うと少々目につきますからね。」 


そう言われて、俺とマリ、そしてサーターは屋敷を出て、

森の中へと進んでいくのであった。


先頭からサーター、マリ、俺の順になっているのだが、

前を歩くマリの後姿はやはりか弱い女の子のそれであった。


彼女が・・・


そんなにやり手なのか?


そんな疑問がわくような背中である。


そんな俺の視線に気づいたか、



「マリには手を出さないようにお気を付けくださいね。」


後ろ向きだというのに・・・


どうして気づくのだろうかこのサーターは・・・



「・・・わかってる。」


「道中も領主様ばかと三バカをしっかり制してくださいね。」


「・・・わかってる。」


そう答えるしかない・・・


ちなみにだが、サーターには魔力があるかという疑問だが、

禍々しいまでの魔力が出ているので、間違いなくあるだろうな・・・


っというか、王都で会った時よりもひどい気がするのだが・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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