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117話目

「どうしてそんなにおびえてらっしゃるの?」


そう言いながらオルアシに近づいていく女性。


一歩ちかづくたびに、オルアシのガタガタとしている震えが

一段と大きな震えと変わっていった。


ただなぜ震えているのか本気でわかっていないのだろう。

女性のほうは小首を傾けていた。


どうして・・・


わからないんだろうか・・・


オルアシの服はすでにビリビリに力任せに引き裂かれており、

その割かれた服も押さえたりすることもなく、

ずるずると地面を引きずっていた。


視線はその女性から離れることはなく、

完全に女性に対しておびえていたのである。


・・・普通逆の光景になるんじゃないのか・・・


服を引き裂かれた女性が地面にへたり込んでしまって、

這いずり回って何とかその悪男の手から逃れようとするはずなのに

目の前で起きている光景は真逆である!


地べたを這いずり回るオルアシ・・・


それを嬉々とした表情で追っていく女性・・・


とりあえず・・・俺は見なかったことにして、自分の対峙した相手に視線を向けた・・・




「ふふふ、そんな顔をしないでください。」


怯えた表情で私を見ながら、必死に私から逃げようとするオルアシに対して・・・



「ぐああああ!!!」


大きな悲鳴を上げるオルアシ!



「そんなに喜ばないでくださいな。」


私の手には鞭がある。


本来は愛刀で戦うのでしょうけど、オルアシはすでに私の性の対象です。

そんな相手に愛刀なんて・・・使える訳がありませんわ!


だから、いつもやっているように手に鞭をもって、



バチン!!!


私に背を向けた瞬間にオルアシの背中を鞭で打つのであった。



「ぐぁああああ!!」


私の好きな甘露の声をあげてくれる。

ゾクゾクと背中を走る気持ちがいい快感・・・


私は自分を思わず両手でグッと抱きしめてしまうのであった。


そんな甘美に浸っていると気がつけば、

オルアシは地べたをはいずりながら、

何とかして私から離れようとしていたのである。



「どちらに行くつもり?」


スッとオルアシの傍へと近寄ってから、

オルアシの耳元でそっと囁いてあげる。



「ひぃい!!」


短い悲鳴を上げて、声をかけた私のほうへとグン!と顔を向けて、

体は引きずりながら一歩離れていく。


・・・どうして・・・


どうしてそんなに私がそそる姿をしてくれるのでしょうオルアシは!!


この場で今すぐにでも食べてしまいそうになるじゃない!!


私が思わず自分のドレスと脱ごうとして、

ドレスに手をかけたところで、



「じょ、ジョセフィーヌ様!!」


そんな声が聞こえてきたので、ハッ!と正気に戻る!

・・・どうしてこんな楽しい時に!!


思わず怒りの表情で声の主であるアンブリッジのほうへと

顔を向けると・・・



「ひぃい!!」


・・・なんで私が向いたら、悲鳴を上げるのよ・・・アンブリッジ・・・



「す、すいません・・・。

 た、助けてください!この男が迫ってきて!!」


・・・謝られるのもちょっと癪だけど・・・


ああ、なるほど、それで私を呼んだのね。


気がつけばオルアシの兄の一人が、剣をもってアンブリッジに迫っていたのである。


アンブリッジは一応、自分の身を守れるようにと

訓練を始めたのだけど、目の前の男は明らかに手に余る。


ただ・・・


だからと言って、私の幸せな時間を邪魔してもらっては困る!!


サーター様からは殺してはダメだと言われているのが

残念で仕方がないけど、



「鋭き風の弾と化してすべてを貫け!!風弾!!」


私の詠唱とともに私の指先に集まった風の弾がはじかれて、

その男の肩をつらくのである!!



「ふぐぅ!!」


・・・不細工な男は、声まで不細工なのね・・・


全くそそらない声のために、続けざまに私は、両太ももと逆の肩も

風弾で貫くのであった。



「ジョセフィーヌ王女様!?」


驚いた声を上げるアンブリッジに対して、



「急所は外してあるから死なないわ。

 ただ動かれると邪魔だから動けないようにしただけよ。」


その声になんと返事をしていいのかわからないような顔をするアンブリッジと

思いっきりため息をついているサーター様が視界に入ってきたのは・・・

まあ、見なかったことにしますわ。



「あ、兄貴を・・・そんな・・・簡単に・・・・。」


先ほどまでも震えていたオルアシが、

私が魔法でお兄様を圧勝したのを目にしたことで

さらに一段とおびえだすのであった。



・・・ダメ・・・



「もう我慢できないわ!!」


そういって、目の前で地べたを這いずるオルアシの襟首を捕まえて、

そのまま近くの鬱蒼とした影に私は消えたのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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