108話目
それから数週間、バリティッシュ男爵を監視してみたが、
「・・・情報通りだな・・・。」
最初に手に入れていた情報通りで、
日中はバリティッシュ男爵以外にも貴族らしき人間数人が
出入りをしているのが確認できた。
他にも確かに村内の見回りをしていたのだが、
甲冑を着こんでおり、さらにはあのソウルイーターを
腰に帯びているのである。
当然、奇襲をするのだから抜かれないように
するのは当然なんだが、万が一にも抜かれると危険すぎる!!
しかも甲冑を着こんでいるので、その万が一も起きる可能性もある!
・・・っていうか、なんで村の見回りであんなに甲冑を着こんでいるんだ?
村の外を見まわるのならわかるけど・・・
だいたいこの村の中でも甲冑を着こんでいるなんて、
門兵くらいしかいない。
兵はいるけど、だいたいみんなが軽装だ。
っというか、見回りの時なんか、バリティッシュ男爵だけが甲冑であり、
他の者たちは軽装ですらないものもいる。
・・・いったい何が怖いのか・・・
あれだけのフル装備をしなければならない事情でもあるのだろうか?
村人たちから恨みを買っているのか?
・・・ありそうだ・・・
情報収集するにあたって、人となりを確認したが、
最近でも村人たちから嫌われるできごとを起こしていた。
どうやらバリティッシュ男爵の名前を聞いて、
多数の人がこちらへの移住をしてきているらしいのだが、
明らかに依怙贔屓をしていた。
俺も村中で観たのだが、
・・・・というか、そんなやりとりを村の中でするのはどうかと思うぞ・・・
「これはこれはバリティッシュ男爵様。」
そういって、バリティッシュ男爵にすり寄っていく商人らしき男。
当初は明らかに警戒していたにも関わらず、
その商人らしき男が、
「この度はこちらに移住をさせていただきまして・・・。」
そういって、手をこすりながら頭を下げる商人。
・・・明らかに怪しい商人だな・・・
「こちらはお近づきのしるしに・・・。」
そういって、そっと袖の下を・・・っていうか、
もう丸見えなんですけどね!!
俺から見えるということは、周りにいる村人たちからも
丸見えですから!!
当然、俺は断ると思いっていたのだが、
「う、うん。」
そういって、明後日の方向を見ながら手はしっかりと
その出された箱へと手を出しており、ばっちりと掴むのである!!!
・・・おいおい・・・
俺はそのあからさまな光景にあきれ返っていたのだが、
さらにあきれる発言が続く、
「こちらで商売をしようと思っているのですが・・・。」
どうやら商売の承認をもらいたいようだった商人に、
「どんどんやってくれ!」
快諾するバリティッシュ男爵!
・・・いやいや、そこは何をするのかを確認してからしろよ!!
そんなあからさまに袖の下を渡すような商人だぞ!?
「ありがとうございます!!!」
満面の笑みとなり、頭を下げる商人。
それはそうだろうな・・・
俺はすでに気づいていた。
その商人の指には、隷属の指輪がはめられていることに・・・
それがさすのは、この商人が奴隷商であるということだ!
いや、王にも認められた正式な仕事ではある。
それはわかるが人道的な点から、禁止をしている領主もいるのも事実である。
だから、商人も恐る恐るといった雰囲気であったのに、
何も聞くこともなく一発で承認するとは・・・
たぶん・・・
後ろにいた執事はそのことに気づいているのだろう。
あからさまなため息をついていた。
そのため息にビクリ!!とバリティッシュ男爵がおびえていたのは・・・気のせいかな?
そこで味を占めたのか、さらなる要求を商人はしてくる。
「ありがとうございます!
ただ・・・そうは考えているのですが・・・。」
「どうした?何か不安な点でもあるのか?」
バリティッシュ男爵からのその言葉を待っていたかのように・・・
というか、その言葉を発するように明らかに誘導していたのだけど・・・
「実は・・・場所なんですが・・・。」
「うん?場所?いくらでもあるだろう?
こんなさびれた田舎の村だぞ?
何なら開拓をさせてもいいが?」
・・・おいおい、一商人のために村人を駆り出して開拓をするというのか!?
周りにいる村人たちもぎょっとしたような顔をしているぞ!!
「いえいえ、そんなことは・・・
ただ、一部土地を貸していただけるとありがたいのですが・・・。」
「うん?そんなの簡単だろう?」
「いえ・・・ちょっとだけご迷惑をかけるのですが・・・
その場所に住まれている村人が・・・。」
・・・ちょっとだけ?何を言っているんだ?
お前、村人が邪魔だからどけって言っているんだよな!!
いやいや、おかしいだろう!!
そんな俺のツッコミに対して、
「わかった!村人はどかせてやる!!」
そんなとんでもない発言をするのであった!!
・・・マジか!?
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




