表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/266

106話目

「・・・兄ちゃん・・・。」


「・・・ポテト・・・。」


それ以外の音は、俺とポテトが生唾を飲み込む音しか聞こえない。

目も修道女から外すことはできない。


お湯を張った桶を持ってきた修道女!!


さあ!いよいよ!!湯浴が始まるぞ!!


そう思った時だった!



「・・・いよいよか・・・・。」


そんな声が俺たちが隠れていた薮のとなりの藪から聞こえてきたのである!!



「・・・え?」


思わずその言葉に俺が声を漏らすと、



「・・・え?」


薮のほうからも声が漏れるのであった!!


だ、誰かがいる!?


なんてことだ!!すぐそばの藪まで近づかれているというのに

俺は・・・一応、俺“たち”だけど・・・気づかないなんて!!


シュルシュルと服を止めていた帯を脱ぐ音が聞こえてくる。


目の前では修道女が服の帯を外していた!!



ピチャ!!


っと急に鼻のあたりから水のようなものが当たったような感覚に襲われるのだ!!


雨か?


せっかく今からいいところだというのに!


雨が降ったら、湯浴を止められるかもしれないじゃないか!!


だって、あそこは屋根もないところなんだから!!


そんな俺の心配は、どうやら無用のようで、

修道女は服を脱ぎだしたのであった!!


・・・って!!


なんと巧みな!!


着ていた服をすぐそばにある木の枝にかけて

まるでカーテンのようにして、姿を遮ったのである!!


ちくしょぉ~!!!


なんってこったい!!



「こっちにこい!」


その声は本当に小さな声であったが、

俺には明確に聞こえた!!


その声は隣の藪から聞こえてきたのである!!


お、俺を呼んでいるのか!?


頭の中には警戒感が働いている!!


だから、俺は一歩動くのが遅れるのだが、

そこで躊躇しないのがポテトである!


ポテトはその声を聴いたと同時に隣の藪に移るのであった!

そして・・・



「おおぉ~!!」


小さな感嘆の声が聞こえてくるのである!!


それなら・・・行くしかない!!


間違いなく、俺たちに助言をくれた主は同志である!!


間違いない!!


そう確信をして、俺はすぐに隣の藪に移るのであった!


そこには二つの影があり、俺はそれを避けるように動く。

そして・・・


修道女のほうへと視線を戻すのであった!!


・・・ちぃ!!


二人がいる場所が間違いないくベストポジションだ!!


確かに一部見えるようになったけど、俺はちょっと角度が悪い!!


ど、どうして・・・


俺は藪を移るのに躊躇してしまったんだ!!!


くぅ~!!!


ああ!?


もうちょっと!あと一歩だけ左よって!!


左に寄ってください!!


後生だから!!!頼む!!


・・・


俺の祈りはどうやら神には届かなかったようだ・・・


いや・・・


神はいないのかもしれない・・・


いたらこんな残酷なことはしないはずだ!!


どうして!どうして俺だけ!!本当に大事な部分が見えないんだよ!!


本当にあと一歩!いや半歩でもいい!!


ちょっとだけずれてくれたら、俺の角度からでもしっかりと堪能できたのにぃ~!!


俺の叫びはむなしく響く・・・


修道女はさっぱり顔をして、桶と着替えた服をもって建物の中へと戻るのであった・・・


そんな・・・


俺はものすごいショックを受けていた・・・


よろよろと隠れていた藪から出ようとしたときである!


ズルリ!!!


なんと足元が滑りやすくなっていたようで、

力なく立ち上がったたことも加わって、

俺はその場で転んでしまうのであった!!


ズドン!!


勢いよく転んで、どうやら下には水たまりができていたようだ。

体中が濡れていくを感じてしまう・・・



「なんて日だぁ!!」


思わずそう叫ぶと、


「大丈夫か?」そういって、

優しく手を差し伸べてくれる影があったのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ