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99話目

「グンテ殿・・・どうですか?こちらの村での居心地は?」


そう執事サーターが俺に尋ねてくるのだが・・・



「・・・俺は命を救われたのだ。

 その命の恩人に尽くすのは当然だろう。」


「そんな固いことを考えなくても構わないのですけどね・・・。」


そういって苦笑するサーターなのだが・・・



「・・・それだけか?」


そういうと、俺の返事に肩をすくめながら、



「もっとフレンドリーに話してほしいのですがね。」


「・・・俺は騎士だ。そんなことを求められても承服しかねる!!」


「・・・まあ、そう言われると職務に忠実にしていただいているということで、

 これ以上は何も言えなくなってしまいますね。」


苦笑しながらそういいつつ、



「そうそう、今日は先日頼まれたご家族にあてた手紙が届いたので

 持ってきたのですよ。」


そういって、俺宛の手紙を渡してくるのだが・・・



「・・・出したのは昨日のはずだが?」


「そうでしたかね?いや、数日前だったかと思いますけどね。」


「・・・。」


俺は体中の毛穴という毛穴が、このサーターという男から発せられた気配で

開いていくのを感じて、体の寒気が抑えられなくなってしまう。



「・・・確かに俺の記憶違いだ。数日前に頼んだ。」


そういうとさっきまで包んでいた恐ろしいまでの気配が

ピタリとやんだかと思うと、笑顔になったサーターが、



「そうでしょう。どうやらグンテ殿はお疲れのようですね?

 どうですか?今後私と一緒に村の名物料理を食べに行きませんか?」


「・・・。」


どういう意図があって俺を誘っているのだろうか?


思わずサーターのセリフを頭の中で反芻しながら、

意図を割り出そうとするのだけど、意図は読めない。


そんな俺の考えいてることをすぐに察するサーターは、



「純粋に友人のことを想ってのことですよ。」


そういって苦笑するのだが・・・


俺の友人というやつは、

ここから王都までどんなに早馬でも一週間はかかる距離を

一日で往復して手紙のやり取りができるようなやつのことを言うのだろうか?


さっき渡された手紙のあて名は間違いなく、

俺の嫁の字で間違いない・・・


王都に住んでいる・・・


それに俺の友人というやつは、

俺が一生治らない傷を負って、王都一の医者にも

王都一の白魔術師や神官たちすら匙を投げていた俺の腕を

瞬く間になおすような人間を超えたような超人的な力を持つ

人間のことを言うのだろうか?


そもそもがだ!!


俺の嫁がいることなんてこいつにはしゃべってない!


なのに・・・


俺がここに連れてこられて数日経過したときに、



「これを。」


そういって、お弁当を差し出されたのだが、

その料理はまさに俺の嫁の料理であった!!


どうやって俺の嫁を探し当てた!?


いや、それは貴族としての力を使えば可能かもしれない!!


だが!!


お弁当はまだ温かったのだ!!


嫁はここにいることを知らされていたのだろう。

お弁当には日持ちがする料理が作られていた。


だが、そんな日数がかかることもなく俺の元に・・・


というか、数分後というレベルで俺の元に届けられたのだろう・・・


そんなバカな・・・


今までそんな魔術師がいるなんて聞いたこともない!!


そんな魔法があるなんて聞いたことがない!!


そんな乗り物があるなんて聞いたこともない!!


だが・・・目の前の優男はそんな超常現象をやってのけているのである・・・


最初は村に嫁が!?とも思ったがが、どこにもそんな痕跡はない。

というか、その料理に使われている食材は王都でしか手に入らない。


俺は確信している・・・


この男がドラゴンを倒したのだと・・・


ソウルイーターを使うバリティッシュ男爵ではなくて、

この男こそが・・・だ!!


俺の命を助けてくれた上、

今も俺を匿ってくれている恩人であるのはわかる!!


だが、このあまりの恐怖はいったい何なのだ?


こいつは本当に・・・人なのか?


俺はおびえながらも、恩人であるサーターとともに

今日も村で過ごすのであった。



「奥さんもこちらに引っ越してこられてもいいのですが?」


恐ろしいのだが、そう優しく言ってくれる・・・のだが、

こんな針の筵のような村に済ませるわけにはいかない!!


私は一人で戦ってみせる!!


このような地獄には俺一人で十分だ!!


今日も自分の気持ちを奮い立たせて、

村での生活を一人するのであった。





「・・・人種にも私の本性がわかるモノもいるとは・・・。

 面白いですね・・・人種とは・・・。」



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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