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9話目

「そ、それで私に用があるというのは?」


領主が両頬をさすりながら、来訪者へと質問する。



「はい、私は隣村のリーダーをしているレイと申します。

 我等の村の傍でゴブリンの姿を目撃した者がいたため

 こちらの村のお力をお借りできないかと思って来た次第です。」


「・・・それならお前らを治めている貴族に言えばいいんじゃないのか?」


それぞれの村には、統治してる貴族の領主がいる。

当然、この場合はそちらを頼るべきなのだが・・・



「我々は国王の命でこの地に来たばかりです。

 それでまだ村とは言うものの、領主もおらず、

 我々に命を下された国王の元へと向かうのが筋かと思いますが、

 ここから一週間はかかる道程です。

 ゴブリンが村の近くに現れたとなれば、数日中に村に襲ってくることでしょう。

 そうなれば間に合わないのです!!

 ですので、我が村から一時間ほどの距離にある、

 この村にご助力を求めに来た次第です。」


「・・・なるほどな・・・。」


どうしてここに来たのかは理解したようですね。


顎を触りながら、思慮しているような姿勢をとっている・・・。


しばらくの間、無言が続くのだが・・・



領主むのう、先ほどの話いかがないさいますか?」


「・・・ふ~む・・・・。」


何やら考えているような様子なのですが・・・


それ以上の言葉は返ってこない・・・


・・・これは・・・もしかして・・・



「ゴブリンが村の付近に出たようです。

 それでこちらから兵を派遣して、ゴブリンを討伐してほしいと言っているんですよ。」


「な、何だって!?」


・・・


やっぱり・・・こいつは理解していなかったのか・・・


無言で顎を触っているのはいいのだけど、

なぜか傍にいる私に向かって、何度もチラチラと視線を送ってくるものだから、

どうしたのだろうか?と思っていたのですが・・・・


いや・・・予想はしていた・・・が、ここまで理解力がないとは思ってなかったです・・・


まったく、これっぽっちも難しい言葉は使ってないのですが?


何で理解できなかったんですか??


・・・っていうか、絶対にこいつ話を聞いてなかったな!?


大方、エロ本を見ているところを見られてしまって、

ばつが悪いな~とか思ってどうにかしてごまかせないかと考えていて、

全然聞いていなかったのだろうということが予想がつきますね・・・



「そ、それなら俺ではなく、当然国王に申したてるしかないだろう!!」


「ですから、そこまでの日数がないのです!!

 ゴブリンの足跡を確認しましたら、すでに村の傍にまで来ていることを確認できました。

 早ければ今夜にでも襲いに来る可能性だってあるんですよ!!

 そんな中で、2週間もかけるわけにはいかないのです!!

 是非とも!!

 なにとぞ兵を出していただけないでしょうか!!!」


そう言ってレイは額を床に擦りつけるのだが、

そんなこと知っちゃこっちゃない領主バカは、



「私だって人々が苦しんでいるとしれば心苦しい!!

 そして、すぐにでも兵を出したい!!」


その言葉を聞いたレイは、顔を上げて、期待を込めた目で領主を見るのだが、

次の瞬間、絶望を宿した目になるのであった・・・



「だが、兵を出すわけにはいかない。

 それがこの国の法なのだからな。」


・・・そんな法律ありましたかね?


とりあえず体のいい断り方なだけでしょう?


領主は基本的には自分の領地を治めること。

それが基本ですが、他の領土に兵を進めることを禁じている法律はないはずですが・・・


っというか、この乱世では、難癖付けて隣の領土を襲うことの方が多いでしょうに・・・


そして、それを黙認というか、推奨はしてないけど、

合併して、細かい貴族を潰して欲しいと王国も思っているのだがら、

よくやっと褒められることはあっても責められることはないはずですけどね・・・


領主げどうの言葉を聞いても、引き下がることがないレイ!!


それも当然で、ここで引きさがってしまえば

自分の村の村民が死ぬということに直結しているのだから当然だ!!

だから、



「お願いします!!お願いします!!」


そう言って、領主の足にしがみついて懇願する。

その対応に領主は・・・



「うっとうしい!!」


そう言って、レイを蹴りあげたのであった!?


・・・本当にこの領主クズは・・・


そのまま後ろに転がったレイであったが、それでもすぐに起き上がって、

領主に対して懇願するのであった・・・



「お願いします!!私の村が・・・いえ、村人たちの命がかかっているのです!!

 だから、是非ともお願いします!!!」


「ふん!くどいぞ!!」


それでも一向に首を縦に振ることがない領主。

クズっぷりが本当にひどいですね・・・



さてさて、この方を助けてメリットは・・・ありますね・・・

私は頭の中で打算していく。


そして、ある結論に達するのである・・・



「レイ殿、こちらが助けた場合の見返りは何ですか?」


「・・・え?」


私の言葉にキョトンとした顔をするレイ。


・・・これは何も考えてなかったようですね・・・


どうしてこんなにバカなんだろう、人間というのは・・・



「助けるとなれば、こちらも命を懸けることになります。

 それに対して、レイ殿は対価として何を支払うつもりですか?」


私の意見を聞いた領主バカはここぞとばかり、



「そうだぞ!!こちらが命を懸けるんだ!

 それに見合うだけのモノをだせるんだろうな!!」


すごむ領主・・・なんだろう・・・この小者感が半端ない・・・



「お、俺達が困ってるんだぞ!?

 困っている人がいれば助けるのが当然じゃないか!?」


「なら、あなた方は困っている人が死んでくれと言われたら、

 喜んで死んでいくのですか?」


「・・・そ、それは・・・。」


「あなた方はそう言ってるんですよ。ゴブリンは弱いといっても魔物です。

 魔物を討伐しようとするならば、それ相応のリスクを背負うことになります。

 そもそも、あなた方ではそのリスクを背負いきれないから、

 我々に助けを求めて来たのではないですか?」


「・・・。」


黙ってしまうレイ。

そして・・・領主バカは勢いづいてしまって・・・



「それみたことか!!自分たx・・・。」


「お静かに、領主様。

 ここは僭越ながら、使用人であります私目が交渉させていただきます。」


私が領主こものが何かを言おうとしたのだが、それを遮る。

それでも何かを言おうとしたのだが・・・



「尊大な領主様は、部下に細事を任せて、ドーンと構えるべきかと・・・思います。」


その言葉を聞いた領主は「そ、そうか」と言って、

胸を張ってまたイスに座り直すのであった・・・


・・・クソ単純・・・



「それではレイ殿、私からの提案ですが・・・。」


単純な領主を黙らせて、レイへとこちらの要望を伝えるのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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