新たな護身用武器
吸血鬼のローザと戦った後のお話でした。
しかし、リリーが護身用の拳銃を持っても使う機会が無いことに気がつき、
本編から外れました。
今私達はスフィアの意見で武器屋にいます。
何故ここに来たかといいますと、
私の新しい護身用の武器を入手するためです。
この先も危険な事が起きるかもしれませんので、
もう1つ護身用の武器を、持っていた方がいいと
スフィアに言われて探しています。
『拳銃なんか良いんじゃないかい?』
『えー、私には難しいと思うよー』
『どれもかっこいいのー!』
スフィアに勧められて、
護身用の拳銃が置いてあるコーナーにいます。
護身用の拳銃だけでも3種類並べられており、
種類も特徴もどれも異なるみたいですが、
私にはさっぱり分かりません。
形や色は少し違いますが・・・。
するとスフィアがカウンター越しにいた男性の店員に、
この拳銃に弾を入れて、試し撃ちが出来る
場所がないか尋ねてくれました。
拳銃は自分に合わない物だと使い辛いみたいなので、
試し撃ちが出来るお店もあるみたいなんです。
店員が奥の部屋に試し撃ちが出来る場所があるので、
拳銃をガラスケースから3つ出して案内してくれました。
ちなみに試し撃ちの料金は銅貨1枚らしいです。
案内された部屋に入ると、奥行きがある所で
壁際には的が描かれていました。
どうやらあの的に狙って試し撃ちをするみたいです。
スフィアは後ろにあった木の椅子に座り、
フワリはスフィアの肩に乗って見守ってくれています。
『頑張ってなのー!』
『試し撃ちだから、当たらなくても気にしないで良いよ』
『うん、気楽にやるね』
店員が1つの拳銃に弾を入れて、
私に手渡しをしてくれました。
『ほらよ、準備が出来たぜ。拳銃の撃方は知ってるのかい?』
『んー、何となくかしら?』
『まぁ、いちよ教えておく』
『はい、ありがとうございます』
店員はとても親切に拳銃の撃方を教えてくれました。
ほー、なるほど、なるほど。そうやってやるのね。
撃方を覚えた私は、的を狙う為に慎重に構えました。
本来拳銃は片手で撃つものですが、
慣れない間は左手を右手首に添えて、
抑えた方が良いみたいです。
言われた通りにやってみますと、確かに安定性が増しました。
さて、そろそろ試しに撃ってみましょう。
『お願い、当たって!』
銃声が鳴り響き大きな音で驚いて体が動いてしまい、
辛うじて的には当てたものの外れてしまいました。
それでも店員は初めてしては上出来だと励ましてくれました。
うー、なんか悔しいな・・・。
その後に撃った手応えを聞かれましたが、
良く分かりませんでした。
取り敢えず3種類の拳銃を撃って、
その中からしっくり来たのを選ぶしかありませんね。
店員から2つ目の拳銃を渡されました。
む・・・これは持ち辛いですね、多分真面に撃てませんね。
いちよ、撃ってみましたがやはり的から外れました。
しかも衝撃が強くて手が痺れます。
持っているのを置いて、3つ目の拳銃を貰いました。
あ、これは持ちやすいですね。
『ラスト!!』
銃弾が勢い良く飛び、的の真ん中に命中する事が出来た。
その瞬間に歓声があげ驚いていました。
『おお!!!凄えなお姉ちゃん!!!』
『流石、リリーだね』
『命中したのー!』
いやーそんなに褒められると照れてしまいます。
この拳銃を買おうと決めました。
色は白色で、そんなにゴツくもないので丁度良いです。
『お姉ちゃん、それ買うかい?』
『買います!』
お会計時に拳銃と弾を買い、
金貨2枚と銅貨6枚をお支払してお店を出ました。
『良いのを手に入れたね、リリー』
『うん!これで一安心かな?
でも、ダガーナイフはこれからどうしようかしら』
『いちよ、持っといても良いんじゃないかい?』
『そうだね、いちよ持っておくわ』
『リリー、スフィアー、私お腹すいたのー』
『そういえば私もお腹すいたなー、夜ご飯にしようか』
『やったなの!』
『夜ご飯は何処で食べる?』
私はひとつ提案を出しました。
『みんな、バイキングはどうかな?』
『いいね!行こうか!』
『わーい、バイキングなのー!』
近くにあったバイキング店に入り、夜ご飯を食べました。
帰り際になるとスフィアがワインを飲んで酔っていたので、
私が肩を貸して宿の部屋まで連れて行きました。
『スフィアー大丈夫なのー』
『もうー、アルコール20パーセントのワインは控えないと』
『2人ともすまないな・・・部屋まで来れば大丈夫だ。
シャワーを浴びて酔いを醒ますよ・・・』
スフィアは脱衣所に入り、私達はシャワーから
上がって来るのを待っていました。
『最近スフィアが良く酔うようになったような気がする』
『舞踏会の時も酔っていたのー』
『やっぱり度数が高いのを良く飲むようになったのが原因ね』
『リリーはスフィアみたいにいつも酔わないのー』
『まぁね、度数が低いからね』
すると、スフィアが脱衣所から出て来ました。
『あ、スフィア!酔いは覚めた?』
『うーん、さっきよりは体調は
いいけど・・・今日はもう寝るよ』
『その方がいいわ。
あ、私の事は気にしないで先に寝ていいからね』
『すまないな。おやすみ、リリー』
『おやすみ、スフィア』
『おやすみなのー』
スフィアの後に、私とフワリで脱衣所で服を脱ぎ、
一緒にシャワーに入りました。
やはり、シャワーは良いものですよね。
1日の疲れが取れて気持ちが良いです。
今日は特に楽しみにしていた事があるのです、
それは、珍しい石鹸を見つけて買いましたので、
使うのを楽しみにしていたのです。
『あ、その石鹸は!』
『フフッ、今日買った蜂蜜石鹸よ!
これで今日は身体を洗ってみましょう!』
使ってみたら、想像以上に蜂蜜の
匂いがして蜂が寄って来そうです。
感想を言いましょう、買わなきゃ良かったです。
シャワーから上がっても、
蜂蜜の匂いがしばらく取れませんでした。
取り敢えず寝ましょうか、お休みなさい・・・。
翌朝になり目が醒めると、
私はスフィアに抱き締められていました。
『えっ!?ちょっ!スフィア!?』
恥ずかしくて焦っている時に、
スフィアの寝言が聞こえました。
『パンケーキ・・・美味しい・・・』
あ、きっと私から蜂蜜の匂いがするから、
パンケーキに蜂蜜を掛けて食べている
夢でも見ているのでしょうか・・・?
あの石鹸はこれから使えないですね、
使ってしまうと毎日スフィアに抱き締められそうです。
まぁ、もう使う予定はなかったのですが。
フワリが起きていたので、私は質問をしてみました。
『おはようーフワリ!』
『おはよー!』
『フワリは今日何か夢を観た?』
『うん!パンケーキに蜂蜜を
たっぷり掛けて食べた夢を観たよ!』
どうやら、フワリもスフィアと同じ夢を観ていたみたいです。
『フワリも観ていたのね・・・』
『ん?何か言った?』
『いや、何でもないよ!
今日はパンケーキをみんなで食べに行きましょうか』
『わーい!食べたいのー』
こうして今日も私達は平和な1日を過ごしました。
この先ものんびりと旅をして、
仲良く一緒に旅をしたいですね。
次の投稿でこちらは完結になります。