二人の花園
リリーの誕生日の前にこちらをどうぞ。
このお話もガチ百合です。
当然、本編に乗せず、削除した作品になります。
今日は早起きしたので散歩をしています。
スフィアは相変わらず朝が苦手なので、
まだぐっすりとベッドで寝ています。
この町並みは花壇が多く、綺麗なお花が沢山咲いて
いるので、散歩をするには絶好の町です。
『綺麗な花ね、持ち帰りたいけど怒られるわよね?』
これだけ綺麗に手入れをしているから、
誰かが育てている花なんでしょう。
お花の種類は詳しくないので分かりませんが、
白、赤、黄、紫、青などとても鮮やかに咲いているのです。
見惚れていると後ろから声を掛けられたので
振り向くと、大人の女性が立っていました。
見た目は30代ほどかな?白く長い髪を束ねて、
緑色の花柄ワンピースを着ているとても綺麗な人でした。
『お花が好きなの?』
『はい、好きです!種類とかは詳しくないのですが・・・』
『詳しくなくてもお花が好きなら嬉しいわ、
ここにある花壇は私が育てているのよ』
『えっ、そうなんですか!?凄く綺麗な花壇ですね!!』
『ふふふ、凄く綺麗だなんて、ありがと』
とても優雅に笑っていました、これが大人の女性か・・・
私も見習おうと思っている時に、女性から質問をされました。
『あなた、この辺りには見かけない子ね・・・観光かしら?』
『私、旅人なんです!友達と2人で旅をしているのです』
『旅を?凄いわね!』
女性は驚いている表情をしてました。
こんなに可愛い子が旅をしているなんて凄いね!と
褒められたので照れてしまいました。
その後も、20分ほど立ち話をして少し仲良くなったので、
何本かお花を切って私にプレゼントをしてくれました。
『こんなにいいんですか?』
『ここで会ったのも何かの縁よ、記念に受け取って』
『ありがとうございます!宿屋に戻ったら飾りますね!』
彼女とお別れをして、宿屋に戻りました。
部屋のドアを開けるとスフィアが丁度着替えをしていました。
『あ、着替え中ごめんね、ただいま!』
『おかえり、その花束はどうしたの?』
私はスフィアにお花をくれた女性のお話をしました。
朝に散歩をすると良いことがあったので、
これからも早起きをした時は、散歩をしようと思った。
こういう些細で偶然な出逢いも旅をするには
大切なことですよね。花束は植木鉢がありません
でしたので、ガラスの瓶に水を入れ詰めました。
『スフィアー、昼から用事あるー?』
『特にないけど、どうしたの?』
私が和かに訪ねたので、スフィアは疑問に思った様子でした。
『良い所を教えてもらったの、昼から行きましょう!』
『良い所?』
『うん!!』
私はお花をくれた女性から、この辺りにある観光地を教えて
もらっていたのです。どういう場所かと言いますと、
町外れに神秘的な花園があるみたいなんです!
私たちは宿屋の食堂でご飯を食べてから、其方に向かいました。
本当に町外れにあったので、数時間ほど
歩いてようやく目的地に辿り着きました。
『凄い・・・こんな所があるんだ・・・』
『本当に神秘的だな・・・』
私達が見たのはそれはもう絶景でした。
トンネル状に鮮やかな花が180度咲いており、
トンネルに入るとまるで別世界に来たかのような
感覚になり、まさしく神秘的な所でした。
いったい何種類の花があるか数え切れないほど
色んな花があります。
歩き続け見惚れているうちに、潜り抜けてしまいました。
『もう1回入ろう!スフィア!』
『今度はこっちから向こうに戻ろうか』
『そうしましょう!』
私達はこちらから入って向こうに戻ることにしました。
『何回歩いてもここは飽きないねー』
『デートに最適な場所だね』
『えっ!デ、デート!?』
『焦りすぎたよ、リリー』
スフィア笑われ冷やかされてしまった。
でも、こんな場所でデートが出来たら幸せだなー。
と思っていた時にスフィアが手を繋ぎ始めました。
『えっ、ス・・・スフィア?』
『ここからはデートをするか』
『いいの?やったあ!』
これはいい雰囲気です。
スフィアから手を繋いでくれたから、
ここはもう少し強気になってもいいかもしれません。
『スフィア・・・デートするならキスしよ?』
凄く驚かれました、まぁ、そうですよね。
私は笑いながら冗談だよーと言いましたが
スフィアは私の肩に両手を置いて顔を近づけてきました。
えっ、まさか本当にキスを・・・?
目を閉じると、スフィアは私のおでこに唇を付けました。
ビックリして目を開けて見ると、
スフィアの頬が少しだけ赤く染まっていた。
『唇はさすがに恥ずかしいから、おでこで我慢してね』
『ううん、凄く嬉しいよ、ありがとう』
その後少しだけ照れくさくなり、お互いに目を
逸らしましたが、手はちゃんと仲良く握って歩きました。
『それにしても、本当に綺麗な花園だな』
『うん、綺麗だね』
忘れられない思い出になりそうです。
次はちゃんとリリーの誕生日を投稿します。