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好意

春三番くらい風が強いですね。春こないかなー

「失礼しました」


 教員室を後にして会議室へ戻ろうとすると既に陽は斜めに傾いて西日が閑散とした廊下に降り注いでいた。そうかもうこんな時間か……なんだかんだ今日はパソコンばっか見つめててあんまり人と交流できなかったな。変わるって決めたのにこのままでいいはずがない!


「新井さん!」


「はいいっ!?」


 いきなり後ろから声をかけられたものだから変な声が出てしまった。

この男子生徒確か会議室にいた人だった。初対面なのになんのようだろう。かなり顔が赤く見える。差し込む陽の光だろうか。


「俺と、つきあってくれませんか」


 いきなりそんなこと言われても、これ聞き間違えじゃないよね。ごめんって断ってその場を去ろうとしたいのに体が動かない。男子生徒は何か必死に私に訴えかけてきている。でも聞こえない。一生懸命口の動きを追うけどわからない。どうしよう。しゃべり終わってこっちをおろおろと見つめてきた。な、なんて答えよう?


「ごめん。もう私付き合ってる人いるの」


「そっか、うわさは本当だったのか準と付き合ってるって。あんなやつより俺のほうがいいのに……」


 何言ってるかわかんないけど最後の言葉を言い終えたらすごい睨んできた。とりあえずここは去ろう。


「だからごめん。じゃ、じゃあ」


 足早に会議室へと向かった。



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