ワンセンテンスについての叫び
やあ皆さんこんにちは、僕はいたって普通の高校生、鈴木ヒロキ、今日は僕の高校初めての入学式で、心はドキドキ、ちなみに今はちょっと遅刻気味で、口にはパンをくわえて走っているんだが、なれない道でついつい余所見をしてしまって、角から出てきた女の子とぶつかってしまい、大変なことになって、口論していたら、ふと時計を見るともう時間が――
っていう感じの、見たことない?
ぶっちゃけ、ワンセンテンスが長すぎるヤツな。
とりあえず、叫びたいことは前2話でおもくそ叫んだので、今作以降はぱらぱらと気になることについて記載していく。
まずは、ワンセンテンスの長さから。
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そろそろ私が区切り用のハイフンラインを適当に引いていることはモロバレであろうが、さて。
先ほども述べたとおり、今回述べるのは「クッソ一文が長い作品」である。
冒頭のようなヤツ。
会話ならまだしも、地の文で語る上では仕方ない部分は多々ある。
どうしてもその情景を伝えたいあまり、作者の中であれもいれたい、これもいれたいとなってしまい、結果的にオーバーしてしまうパターンだ。
これは作品に思い入れがあって、作者にやる気があればあるほど、おきやすい。
当然である。文を書くにもやはり力というものはいるし、長い文章を書けるのはそれだけ作者の心の中に思いが詰まっているからである。
だが、それでも。過ぎたるは及ばざるが如し、なのである…。
基本的に本事象は句切れば解決することが多い。
例えば、冒頭の文章だが、下のように切り分けることが出来る。
やあ皆さん、こんにちは。僕はいたって普通の高校生、鈴木ヒロキ。
今日は僕の高校初めての入学式で、心はドキドキ。ちなみに今はちょっと遅刻気味で、口にはパンをくわえて走っているんだ。
そうしたら、なれない道でついつい余所見をしてしまって、角から出てきた女の子とぶつかってしまい……その、ええっと…大変なことになってしまったんだ。
そこから口論していたら、ふと時計を見るともう時間がないことに気づいて――
こんな感じに。(ちょっと追加したけどね)
なお、文頭から句点までを「センテンス」と呼ぶ。これは論文とか書いたことのある大学卒業以降の兄貴たちには既知かもしれない。掲題のワンセンテンスはすなわち「一文」だ。
基本的に、ワンセンテンスは「呼吸が続くまで」かつ「数行」に収めると良い。
個人的にイメージをしやすいのは「ギャルゲーのメッセージウィンドウ」だが、これは一長一短の要素を含む。ようは、ゆるくなりすぎるかもしれない、ということだ。
Web小説としては十分なしまりかもしれないが、純粋に文芸小説などを読み漁ってきた読者を放してしまうかもしれないので、注意が必要である。
もっともそんな読者はこんな場所に来るもんじゃあないが。
とりあえずこのあたりは非常に「作風」に強く関わってくるため、作者さんたち個人個人の按配で調整してみてほしい。
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以下は、余談である。
きょうび、なにぶん、Web小説というカテゴリーは、此処数十年程度で生まれでたものでしかない。
全体の流れとしては、何十年も前から緩やかに続いている「文芸小説」。それの流れを受けて「ライトノベル」が発足し、それを読み漁った層が筆を持ち、またネットワークの発達にしたがって爆発的に増加したのが「Web小説」だ。
筆を持つこと、発表の場を得ることの容易さ、作品数の爆発、これらの要素から「カタさ」を序列付けるならば、文芸小説>ライトノベル>Web小説である。
少し語ったけれど、いいたかったのは「Web小説はまだ若いカテゴライズ」なのである。
今後さらにWeb小説が広がるにつれて、最終的な品質はいまの品質が元になるのは想像に難くない。
筆者がこうしてだべだべ筆を持って書いているのも、多少なりとも未来につなげるキモチがあるのである。たぶん、maybe。