私が塾に通っているわけ
私は、塾に通う普通の高校生。私の通う塾は国語とか数学とかじゃなくて、もっともっとすごい。学校では、あまり必要ない。う〜ん。そもそも、塾とは言わない気がする。でも、「塾」という名前のところなのだから、塾と呼ぶしかないだろう。そう、この塾では、人生の生き方を学んだり、他の学生とおしゃべりをする。なぜ、私がこんな「塾」に行くことになったかというと…。
これは、長い話になる。一年前…。
「どうしよう。こんな点数お母さんに見せられないよ。塾とかはいったほうがいいのかなぁ〜」と私は考えながら家に帰る。足取りは重く、表札をくぐったところで足の重さは更に増した。玄関を開けると…。思ったとうり待ってましたとでもいいたげな母の顔があった。もう、この光景、何回みたっけ?そしていい塾みつけたの。と母にノリノリで言われた。
名前は「塾」。「○○塾」とか「△△塾」のように塾のまえに何もないただの「塾」だった。
よく学校で「今から、塾なのぉ〜。ゴメンね〜」なんて言う会話を聞くけど、その塾の名前はきっと○○塾とかだろう。絶対とは言えないけど、多分「塾」はありえない、だろう。
もう、眼が点になるかと思った。でも、お母さんは勝ち誇ったような表情で言った。
今までたくさんの塾を通わせてきたけど、今度は絶対大丈夫。根拠だってあるよ?根拠わぁ〜単純な名前!今までのは全部○○とか△△とかついたじゃない?でも、今回わぁ、塾。ハッキリしててイイでしょ。シンプル イズ ベストみたいな?
でも、私は知っている。母の性格を。
母は、明るいし、優しいけど、何も考えないでその場で判断する癖がある。だから、今までたくさんの塾に行ったけど、どれもダメだった。だから、今回だって期待なんか、少しも出来ない。でも、私のために一生懸命応援してくれる。もう、行ってはやめて行ってはやめての繰り返しはイヤだった。でも、そんなことに対してなにも出来ない自分が一番イヤだった。なにも出来ないことに子どもっぽさを感じてイライラさえ感じる。
私は母が好きだ。
だから、私は塾に行くことにした……