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REPORT of the DEAD  作者: 残念無念
2026年 4月

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72/113

福岡市封鎖線近辺で回収されたスマートフォンの記録映像 4月20日

日時:2026年4月20日 朝

場所:福岡県内(福岡市南部〜筑紫野方面)

撮影者:男子大学生(個人所有スマートフォン)



(撮影開始)

(キャンパス構内の一室。カメラに複数の人影が映る。建物の影から外をうかがう映像)


撮影者:

「えー。……ここは、九大の筑紫キャンパスです……。もう丸一日、誰も来てないです」


(周囲は静まり返り、遠くでサイレンのような音が断続的に聞こえる)

(撮影者が窓から外を覗く。キャンパスの敷地内の各所に死体が転がっている)


同行学生A:

「ネット見た。筑紫野の方に自衛隊が出てるらしい」

同行学生B:

「市外に出られたら、救助してもらえるんじゃないか?」

撮影者:

「ここにいても、もう無理だろ。警察も消防も繋がらないし……行こう」


(撮影者たちが講義室を出る。時折カメラに感染者らしき人影が映るが、気づかれることなくキャンバスを出ることに成功する)

(徒歩で移動。人気のない住宅地が延々とカメラに映る)


撮影者:

「■■のアパート、ここから1キロくらい」なんだよな

同行学生C:

「俺の車軽だけど、詰め込んだら何とか5人乗れるだろ…」


(アパートに到着。学生Cが自分の部屋に行き、車のキーを取って戻ってくる。軽ワゴンのドアが開く音)


同行学生C:

「ガソリンはまだある、給油しておいてよかった」


(撮影者たちが車に乗り込み、運転席の学生Cがエンジンをかける)

(エンジン音を聞いたのか、道路上に複数の感染者らしき人影が現れる)


撮影者:

「おいヤバいって、早く出せ!」



(車内映像。フロントガラス越しに事故車両が映る)


撮影者:

「道、塞がってるな……」


(横倒しになった車両、放置されたバイクがフロントガラス越しに映る。車両の周囲には死体が転がっている)


同行学生A:

「また迂回だ」


(何度も方向転換する様子が続く。時間が経過)


撮影者:

「これ以上、車じゃ無理だ」


同行者A:

「たぶんもう少しで封鎖線だ。歩いていくしかないな」

同行者C:

「クソッ、せっかく買った車なのに」


(撮影者たちが車を乗り捨て、徒歩で進む)

(路上に横たわる複数の遺体がカメラに映る。酷く損壊しており、学生が嘔吐する音が記録される)


同行学生B:

「……死んでる」

撮影者:

「見るな。前だけ見ろ」


(片側二車線のバイパス路を歩く撮影者たち。遠方に車両の列と人影が映る。距離およそ500メートル)

(拡声器の音が響く)


自衛隊:

「こちらは陸上自衛隊です。現在、壊死性攻撃行動症候群特別措置法の施行に基づき、福岡市および周辺地域からの移動を制限しています」

「感染拡大防止のため、福岡市民が封鎖線の外へ出ることは認められていません」

「直ちに引き返し、自宅または安全な屋内に戻ってください」

「指示に従わない場合、武器の使用が認められています」

同行学生D:

「……撃たれないよな?」

撮影者:

「脅しだろ……ここまで来て、今さら……」


(数人が小走りで前進する。道路上にはいくつも死体や事故車両が転がっている)

(銃声と地面に何かが当たる音が記録される)


同行学生A:

「なんだ!?」


(再度銃声。砂埃が舞う)


撮影者:

「撃ってる……マジかよ……!」


(映像が大きく揺れる。全員が背を向けて走り出す)


同行学生B:

「戻れ!戻れ!」


(呼吸音、泣き声)


撮影者:

「……助けてくれると思ったのに……」


(映像が地面を向いたまま暗転)

(映像終了)

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