表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REPORT of the DEAD  作者: 残念無念
2026年 4月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/115

大阪地上作戦映像記録 2026年4月22日

撮影日:2026年4月22日 19:00頃

場所:大阪府内封鎖線付近

撮影者:綿貫和夫(戦場カメラマン)


(映像開始)


(画面は薄暗い夕空を映している。遠方の空が断続的に赤く染まり、数秒遅れて低い爆発音が響く。)

(砲声が連続する。発射音の後、時間差で遠方に爆炎が立ち上る。)


撮影者:

「特科の砲撃が始まったようです…」


(撮影者の周辺では自衛隊員たちがせわしなく動いている。無線の音声が風に混じって聞こえる。)


自衛隊員:

「目標地域北側、着弾確認。」

自衛隊員:

「効果判定中……集団規模、顕著な減少見られず。」

自衛隊員:

「移動速度、推定時速二キロ前後。変化なし。」


(数秒後、上空を戦闘ヘリが通過する。ローター音が強くなり、機体は視界外へ消える。)


撮影者:

「陸自のアパッチとコブラも来たようです」


(直後、さらに爆発音が重なる。)


自衛隊員:

「ヘリ攻撃実施。散開なし。」

自衛隊員:

「密度依然高い。進行方向維持。」


(カメラが振り向く。封鎖線には装甲車両と普通科部隊が展開している。)

(道路を塞ぐように土嚢で機関銃座が設置され、弾薬箱が開かれている。隊員が弾帯を確認し、銃身を固定する。)


撮影者:

「どうやら特科とヘリの攻撃は効果が少ないようです…」


(無線が再び入る。)


自衛隊員:

「活動停止推定一割未満。」

自衛隊員:

「進行継続中。到達予測変わらず。」


(隊員たちは言葉少なに持ち場へ散開する。爆発音だけが断続的に響く。)

(カメラは封鎖線前方の暗い地平線を映す。感染者の姿はまだ見えないが、砲撃は続いている。)


撮影者:

「特科とヘリの攻撃で阻止できない場合は普通科部隊による直接射撃により封鎖線から排除すると聞きました。おそらくそうなる可能性が高いと思います。」

撮影者:

「一応民間人ってことで退避を勧められましたが、ここに残って最後まで作戦の行く末を見届けるつもりです」


(突然、別系統の無線が強く入る。)


無線機のスピーカー:

『……繰り返す、全隊。作戦中止。作戦中止。』


(隊員たちの動きが止まる。撮影者も無線機を背負った隊員にカメラを向ける。)


隊長:

「中止? 確認を。」

無線機:

『上級司令より命令。先ほど京都府および兵庫県にて大規模な感染の発生が確認された。直ちに作戦を中止し、戦力を転用する。』


(数秒の沈黙。)


隊長:

「封鎖線維持はどうする。」

無線機:

『撤収。繰り返す、全隊撤収準備。』


(隊長と思しき人物が無線機を握ったまま立ち尽くす。近くの隊員が指示を待つように視線を向ける。)


隊長:

「……撤収だ。」


(隊員の一人が短く息を吐く。機関銃座から弾帯が外される。装甲車両のエンジンがかかる。)

(遠方ではなお爆発が続いている。)


自衛隊員:

「砲撃停止命令伝達済み。」

自衛隊員:

「各車両、順次離脱。目的地は追って通達する」


(封鎖線に設置されていた簡易障害物が急いで撤去される。隊員たちは振り返らずに車両へ乗り込む。)


隊長:

「移動の命令が出ました。綿貫さんもここを離れてください。じきに奴らが来る」


(撮影者にそう告げて、隊長も装甲車に乗り込む。)

(最後に残った車両が発進する。)


撮影者:

「京都と兵庫もって…もう終わりじゃん」


(遠方の空が再び赤く染まる。先ほどまで響いていた砲声と爆発音は既に聞こえない)

(カメラが無人となった封鎖線を移す。)


(映像終了)

ご意見、ご感想お待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ