第65話・クロスファイア
いよいよ始まってしまった “紗綾奪還作戦”
禰津神平たち 主力戦力は押切館に駆け付けられるのか?
長い前書きは不要である!
いざ 本編へ
戦国奇聞! 第65話・クロスファイア
【里美:押切館・舞台裏手】
草薙紗綾が待機していた楽屋は 望月千代が投げ込んだ煙玉(発煙筒)で視界ゼロとなった。
元々2~3基の灯火しかない暗い楽屋で、城西衆・鷹羽開発の発煙筒を焚いたのだ。
結果、白煙で光が乱反射し 部屋の中はオレンジがかった灰色が充満した。
紗綾監視を兼ねた白巫女たちは、横に居る仲間の姿も判別出来ない状態である。
室内で辛うじて識別出来るのは、紗綾の赤装束だけであった。
が、千代はそこを見越し、紗綾の頭から白の絹布を被せた。
と、同時に赤装束の禰津里美が部屋を駆け抜け、楽屋の戸口付近にいた 使いの下忍を擦り抜け 室外に走り出た。
ステージマジックの演者の様に、伊賀者たちの視線と意識を赤い塊に集め、紗綾を見えなくさせたのだ。
“紗綾が逃げたぞ!” の叫びと共に、下忍と白巫女が里美を追い 室外に駆け出して行った。
数舜の後、千代が絹布を被ったままの紗綾の手を取り すり足で白巫女たちが出払った楽屋部屋を出る。
里美が順調に騒ぎを起こしていく様子が、遠ざかっていく叫び声で確認できる。
速足で進む白い塊は灯りが途切れる廊下の端まで来たところで停止した。
すると千代がマジシャンの手さばきで紗綾の布を替えた。
今度は墨染の布である。
紗綾の白布を瞬時に巻き取り、黒布を被せる。
目立っていた白塊は、チラと紅色が見えた後 一瞬に暗がりに沈み、視界から消えた。
ハリーポッターの透明マントには敵わないが、実戦的な忍びの技である。
同色の布で隠れるこの技は、忍者コントでもよく見るチープな手だが、時と場所がマッチすれば 非常に有効なのであった。
こうして、姿を消しつつ暗がりを辿り、新六と達川が待っている勝手口に向かう千代と紗綾であった。
―――――――――
【忍芽:押切館・大手門前】
時間は少し遡る。
狐面を被り、傾いた恰好の吉法師たち一団は、屈強な武者に前後を守られ、粛々と進んでいた。
傾奇者の真ん中には 一際目立つオールドファッションに身を包んだ真田忍芽が歩んでいる。
耳を欹てると、松明の燃える音に交じり、忍芽の声が低く聞こえる。
朔の夜の道すがら 古今東西のティーンエージャーが大好きな “怖い話” を語って聞かせているのだ。
“押切館には入らせないぞ作戦” の布石である。
効果は上々、赤鬼だろうと青鬼だろうと退治する意気込みであった護衛の武者たちも、忍芽の話しに引き込まれ 血の気が失せている。
そろそろ前方に押切館の篝火が見えて来たが、心なしか 歩む速度が落ちてきている。
揺らめく炎が、鬼火か火の玉に見えているのであろう。
忍芽以外喋る者はなく、黙々と歩んで来た一行だが、篝火に浮かぶ 焼け落ちたままの櫓門の少し前で動けなくなっていた。
折しも忍芽の話しは 冥府の門に纏わるもので、進んではイケないと、本能が足を止めるのであった。
頃は良し。
忍芽は静々と皆を追い越し、一団の先頭に行くとクルリと向きを変え、対面した。
そして、皆の視線が集まるのを充分に待つと、狐面をゆっくり外した。
忍芽の顔は…真っ白の のっぺらぽうであった。
「!!ひっ」
全員が息を呑み硬直した。
人間、本当に怖いと悲鳴は出ないのである。
間近に妖怪を見る事になった先頭の武者は、十文字槍を抱えたまま 白目を剥き失神一歩手前だ。
ここでタイミングを逃さず 付かず離れず脇を進んでいた源左衛門が 懐から鳩を取り出し、放った。
うるさく羽音を立て、一団の頭上スレスレを飛び去る伝書鳩。
…鳩は連絡以外にビックリ箱にも使えるのである。
恐怖でパンパンに膨れていた本能に、止めの針が刺された。
「ぐわっ!!!」
鳩尾を殴られた様な呻き声を上げ、武者たちが踵を返し駆け出した。
それに釣られ パンキーな童たちも転げる様に元来た道を駆け戻る。
彼らを笑ってはいけない。 戦国時代を生き延びるには、逃げ足の速さも 重要なスキルなのである。
源左衛門が 打ち捨てられた松明を消しつつ のっぺらぽうに近づき、落ち着いた声で語り掛けた。
「思いの外、巧く運びましたな…」
のっぺらぽうが頷きながら、顔に手をやった。
忍芽の してやったりの顔が現れた。
忍芽は妖怪では無かったのだ!狐面の下に 更に白塗りの面を付けていたのであった!
(…読者様は判ってるって)
安心してください、着けてますよ!…マースク! ってやつである。
(…すぐ、風化するぞ)
「雪斎党が直ぐに様子を見に来る筈、まずは合図の花火を。
我等は横手に回り、里美を救いに参りましょうぞ」
「否、里美殿は一人で逃げ仰せましょうぞ。 それより紗綾殿を抱えた千代様が心配…」
と、やり取りしながらも、竹筒にセットされた合図用花火を取り出し、点火する。
花火は シュルシュルシュルと音を引きながら昇って行き、上空で “パン!!” と破裂した。
忍芽と源左衛門が大手門を離れようとした時、背後から甲高い声が聞こえた。
「忍芽、お主 人か妖怪か? 吟味致すゆえ そこに直れ!」
この声は…と思いながら忍芽が振り返ると、仁王立ちの吉法師である。
あの恐怖MAXの状況で唯一人、踏み止まったのだ。
これは将来、一廉の武将となるか、早死にするかのどちらかであろうと、感心する忍芽であった。
が、感心している場合では無い。
今や屈強な護衛も、完璧な影武者たちも居なくなったのだ。
悲鳴に近い声で忍芽が叫んだ。
「吉法師様、ここは危なく御座ります! 早うお逃げ下され!」
「離れるなと申したは爾であろう! 楽しみを潰しおって…憎き奴じゃ!」
駄目だ…矢張りコイツは虚けなのか。
遠くの篝火に微かに照らされた吉法師は、太刀を握りしめ雄々しくはあったが、状況的には最悪である。
忍芽がイラつく間にも 大手門の奥からは人の音が近づいて来る。
想定通り、雪斎党が駆け付けて来たのだ。
隣の源左衛門が小声で忍芽を急かす。
「我等だけでは吉法師様は守り切れませんぞ。 致し方なし、引き揚げましょうぞ…」
事前に取り決めた本作戦の優先順位では 紗綾が第一、第二は自分たちの命、余裕があれば吉法師の安全 であった。
忍芽たちは吉法師に逃げるチャンスは作った…
ここは源左衛門の言に従い、二人で逃げるべき場面である。 が、
忍芽が吉法師に駆け寄りながら手を差し出し、呼ばわった
「吉法師様、これへ! この忍芽から離れてはなりませぬぞ」
忍芽は吉法師の手を取ると、脇の藪に駆けた。
源左衛門は 予想していたのであろうか、無表情で忍芽の後を追った。
―――――――――
【新六:押切館・勝手口横】
暗闇に身を潜め、事が動くのを只管待っていた達川は、予想外の打ち上げ花火に 思わず立ち上がった。
咄嗟に横から新六の手が伸び、達川を座らせ耳元でこごとを言う。
「落ち着き召され!こちらがバレては元も子も無くなり申す」
「今、シュルシュルパーンって、 あれ合図? 花火?」
「し~、声が大きく御座る。 そうじゃ、合図じゃ。 直ぐに騒がしくなるであろうが静かに待つのじゃ」
聞き耳を立てていると館の奥で怒声が動いている様で、騒ぎが広がっていくのが感じられる。
達川は “あれば里美ちゃんがガンバッテル音だよなぁ” と考えたら顔が熱くなるのを感じた。
“あれ?オレって里美ちゃんに惚れてるのか?” などと能天気な事を考えていると 押切館の勝手口が開き、黒い影が転び出た。
月も無く、曇り気味で星すら見えない漆黒の中、何も見えない状態の達川は体を固くしたてが、新六は周囲が見えている様だ。
達川の耳元で興奮した様に告げた。
「千代様と紗綾殿じゃ…遂に取り返したのじゃぞ」
一目惚れの女子を救出すると言う ドラマチックな状況で、紗綾に駆け寄りたい達川であるが、現代人には朔の夜の闇では何も見えず動けない。
この時代の人間ならこの暗闇でも見えるのか、忍びの者の特殊能力なのかは知らないが、千代も周囲が判る様で、紗綾の手を引き近づいて来ている様だ。
新六は二人を迎えるべく、空間を開けたが、達川は一間(1.8m)程の距離まで来て、漸く 何か動く気配を感じる程度であった。
新六は紗綾に向かい小さいが 落ち着いた声で話し掛けた。
「紗綾殿でありますね。今まで良く 頑張り為さった。
ここは敵に近いゆえ火を使えませぬが、あと少し離れれば灯りを点しますで…あちらへ」
と、手を取り小田井川方面に誘った。
盲目状態の達川も慌てて 手探りに人を捜し
「あの…オレも連れて行って下さい」
「あ?その声、達川君? 忠君はどうしたの? 他に誰が居るの?」
「紗綾殿…詳しい話は後ほど…」
―――――――――
【里美:押切館】
楽屋を飛び出した里美は 逃走路に立ちふさがる男をヒラリヒラリと擦り抜け、明る過ぎず暗過ぎない場所を選び、走り続けた。
横手に煌々と照らされた舞台が見えたが、顔を隠す様に走り抜け 先の暗がりで一旦 身を隠した。
予定では勝手口から遠い方角に追手を引き連れて走り、千代たちが逃げる隙と時間を作る。
同時に表口では忍芽様が吉法師たちを追い返すので、雪斎党はそちらにも手を取られ、こちらを追う者は増えない筈。
頃合いを見て、三の曲輪辺りから外に脱出するのである。
暗がりの中で自分が落ち着いているか確認しつつ、手順を呟いた。
「えーと、ここで着替えなきゃ。 この目立つのは脱いで…と」
里美は深紅の巫女装束を手早く脱ぎ捨て、中に着込んでいた黒い忍び装束姿となった。
一塊にまとめた巫女衣裳をチラと見
「♡かわいい…持って帰っちゃダメかな…幸綱様に強請ったらまた呉れるかな…」
―――――――――
【忍芽:押切館・大手門前】
吉法師の手を引き、横手の藪に逃げ込んた忍芽たちであったが、出来る事はひたすら息を殺すだけであった。
幸い 星も見えない朔の夜。 闇に紛れるには打って付けではあるが、打開策とは言い難い。
忍芽の人の心を操る術を使えば、囲みなど逃れられるだろうと ツッコミも聞こえるが、あの術は雰囲気を作ってこその、術。
そんじょそこらの超能力チート技では無いのだ…仕込みが必要なのである。
と、ふんぞり返った所で却えって虚むなしいのであるが…
この状況では、恐怖で逃げ散った護衛と影武者の悪童が冷静さを取り戻し、吉法師が居ないことに気付き、己の役割を思い出し、探しに戻って来るのを願い…時間を稼ぐしかない。
雪斎党の大半は逃げ散った童を追って行ったが、逃げ込む所を見られた様で、付近には数人の気配が残っていた。
忍び装束であれば吉法師を背負い、伊賀者の脇を走り抜ける位 出来そうな気がするが、この衣装では無理だ。
雰囲気重視で選んだ扮装が動きづらい事 この上ない。
女子は淑やかに歩くべし とか決めたヤツを殴り倒したい気分である。
一旦は遠ざかった松明が再び向かってくるのが見えた。
殺気立ち 松明を翳し捜索する雪斎党がこちらに近づいて来る。
口々に “吉法師を探せ・殺せ” と言っているのを耳にし、流石にヤバイと悟ったのか、吉法師が大人しくなった事が救いだが、見つかるのは時間の問題の様な気がして来た。
と、隣に蹲っていた墨染の源左衛門が声を出さず口を動かした。
“儂が飛び出して敵の気を引く”
他に手も無く、頷く忍芽。
次の瞬間、わざと大きな音を立て 源左衛門が松明を持つ伊賀者の横を駆け抜けた。
反射的に刀を抜き、後を追う雪斎党。
離れて行く松明を確認し、忍芽は反対方向へ中腰で移動しだす。
吉法師も付いて来る気配があり、このまま何とかなるかも…と思った時、頭上から声が掛けられた。
「これは何処の女御殿かな? 女子供を手に掛けるは気が進まぬが、そこの童は見逃せぬでな。
そ奴を置いて立ち去りませい」
瞬時に小太刀を抜き、背中に吉法師を庇った忍芽は暗がりを窺う。
気配が見えない…
が、向こうからは忍芽が見えているのであろう、からかう調子で
「おぉ、小太刀を構える立ち姿、勇ましや…」
「されど我等の目論見を知った上での邪魔立てならば、手加減は致さぬぞ」
次の瞬間、鋭い殺気に忍芽が小太刀を振るうと、火花を散らし苦無が弾かれた。
「ほう…其方も忍びか?」
「…秘在寺に居ったか者どもかの?」
漸く見えた相手の気配が声と共に二つに別れた。
忍芽の混乱を見透かす様に、二手から飛来する苦無。
辛くも打ち払い、構え治す忍芽にまたもや からかう様に
「古渡に閉じ込めた筈が、しぶといのう。されどあの時の様にはいかぬぞ」
忍芽は坂井忠から聞いていた事をハッと思い出した。
双子の忍者だ。
夫、幸綱でも討てなかった曲者である。
これは…不味い事かもしれない。
今日は厄日か…戦うなら源左衛門が釣っていった有象無象の方が楽であった。
向こうの二つの気配が大きくなった次の瞬間 消えた。
一撃で決めるつもりだ…
忍芽は虚となり、周囲の気に溶けた。
すると、吉法師の気のみが鮮明に立ち上がる。刹那、そこ目がけ 鋭い気が突き刺さる。
忍芽の市女笠が飛び、吉法師の寸前で鋭い気の軌跡を逸らす。
二、三本の苦無を受けた市女笠が地面に転がった。
双子の舌打ちが聞こえ、片割れのウンザリした声が聞こえて来た。
「どこの誰かは知らぬが其方は武田の者であろう?
織田の童に なぜそこ迄 命を賭ける?」
押切館からは新たな松明が近づいて来るのも見え、愈々拙い事になって来た。
逃げ場を捜し 回りを窺う忍芽の周りに、立て続けに火矢が刺さった。
朧であった人影が鮮明となり、吉法師を背中に庇う忍芽の姿が浮かび上がった。
最早 闇に紛れるのも敵わない。
勝ち誇った様な双子の声が被さって来る。
「その辺で良かろう…逃げ場はもう無い。 覚悟致せ…」
「てえぇ!!!」
と、双子の声がユニゾンで叫ぶ。
声とほぼ同時に
と、耳を劈く 雷鳴の様な音が四方から響き渡った。
火矢に照らされていた忍芽と吉法師が身を伏せたのか見えなくなる。
周りの松明に向かい、双子の声が飛ぶ。
「手応えがあった。吉法師を討ち取った筈じゃ! 止めを刺すのじゃ」
と、その時 双子の背後の空から 複数の煙が弧を描き降ってくるのが見えた。
里美か源左衛門が投じたのであろう、煙玉である。
吉法師を押し包みつつあった松明の周りに落ち、辺りは白い煙に包まれた。
周囲は松明の炎の反射でオレンジの煙に大きな人影が揺らめく。
煙の中で右往左往する松明に向かい 煙の外から双子が冷静に指示を出す。
「慌てるな!目眩しじゃ。 横一列となり、逃れる道を塞ぎ 進むのじゃ!」
声を受け、松明の動きが一列に纏まり出したが、違う動きも見て取れた。
松明の間を走り抜ける、黒い影である。
すると煙の中から警戒の声があがる。
「何か獣が居るぞ! 狐か…山犬じゃ!」
と、今度は双子の忍びの背後から不思議な音が上がった。
遠吠えである。
松明にパニックが広がった。
この当時は山犬(日本狼)は健在である。
集団で狩りをする狼は、忍びの者と言えども簡単に戦える相手では無いのだ。
先ほどの轟音に周辺の森から一斉に飛び立った鳥たちも、獣の群れに反応したのか、上空で煩く鳴き交す。
横一列に広がっていた雪斎党の松明が一か所に集まり、互いに背後を守る隊形を取ったのは流石であるが、周りを走り回る黒い影に混じり 何かを引きずりながら離れて行く影には気付かない様であった。
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【八幡部隊:小田井川】
時は四半刻(30分程)巻き戻る。
救出した草薙紗綾を連れ、小田井川(現:庄内川)の船着き場に一足先に向かった新六たちは、禰津神平と邂逅を果たしていた。
神平たちが古渡城を脱出したのは昨日深夜であったが、那古野に続く街道は通行止めとなり、平手政秀指揮で執拗な捜索が取られたため 身動きが取れなかったのだ。
佐野縫殿右衛門尉の粘り強い交渉と、猟犬に拠る威しの結果、小田井川の川漁師の小舟をチャーターする事に成功し、日の暮れるのを待ち 川を遡上して来たのだ。
押切館に一番近いと思われる浅瀬に舟を着け、急ぎ現場へ向かおうとしている所を、千代が見つけたのであった。
事のあらましを聞いた神平は押っ取り刀で吉法師救出に向かう。
距離は四半里(1㎞ちょっと)、先頭を走るのは縫殿右衛門尉と褐色のブリンドルパターンを持つ数頭の猟犬たち、その後を神平、彦十郎、源三郎らが追う。
篝火に浮かぶ大手門を認めた時、凄まじい轟音が響いた。
皆 足が止まり、思わず臥せる程の音で、このまま突っ込むのを躊躇させる音であった。
と、彦十郎が声をあげた。
「この音は…一度、伊那松尾城で聞いた事が御座る。
その時よりも大層大きいが…よもや、鉄砲とか言う物ではあるまいか?」
「なれば雪斎党が吉法師様を撃ったのか! 急ごう」
走り寄ると大手門前の馬出辺りは動き回る松明が白煙に巻かれている。
この煙は、煙玉。 八幡部隊の働きだ…
つまり、松明は雪斎党、そしてこの煙の中に吉法師が居ると言う事だ。
神平が手短に命じる。
「縫殿右衛門尉! 犬であの松明を追い散らせ。
彦十郎、源三郎! あの煙の一番濃い所、あそこに吉法師様が居る。救い出せ!
籐七郎、忠継! 四方に気を配れ、ここを保つのじゃ」
と、忍芽と吉法師の消息が気になる所で、紙面切れである。
…またかよ! の罵声が聞こえるが、そういう事なので ご納得を。
次号に続く。
第65話・クロスファイア 完




