第48話・今度こそ奪還
上原城の状況は一気に動いたが、決着は付いていなかった!(引っ張るね~)
悪足搔きの長時を始末できるのか?
はたまた長時の逆転ホームランを許すのか?
気になった方は本文へ。
戦国奇聞! 第48話・今度こそ奪還
【武田サイド:虎王丸救出隊】
ここは上諏訪、諏訪大社上社 前宮周辺である。
高遠城への連絡路である杖突街道との行き来を妨害する為に、小笠原長時が最終的に設けた砦があるのだ。
ここには千沢城と言う古城もあり、それを利用した複合的な砦となっていた。
真田幸綱は信繫から借りた数人の兵と馬を巡らせ、流れ矢を避けながら周囲の状況を観察した。
三方を山に囲まれた行き止まりに鎮座するのが 上社 前宮である。
その横手の峰、杖突峠に続く道を眼下に見る所にあるのが、千沢城。
この二つで敵を挟撃する作りであるが、敵ながら短時間に良く造ったものだと感心する出来である。
虎王丸誘拐をまだ知らぬ武田・諏訪連合軍は千沢城に猛攻を加え、小笠原方傭兵も最後の稼ぎ場所と心得、頑強に反撃していた。
高遠城の状況が判らぬ彼ら双方は、杖突街道へ続くこの道が決戦の場!の意気込みである。
が、幸綱は地形を見てある事に気づいた。
ここは虎穴、攻め込む方は死地…しかし、守る方も退路が無い…長時は死ぬ気か?
退路を断ち背水の陣で臨む なんて格好いい事を聞く時があるが、これを本当にやる者は大抵寿命が短い。
小笠原は信濃全土を取るつもりの筈で、ここで死ぬ気は無い…ならばここには居ない。
ではどこに居る?
傭兵が逃げだし総崩れにならない様、目の届く範囲には居るであろう…
戦場に程近く、前宮砦よりは逃げやすい所、そして邪魔されず虎王丸を受取る事が可能で身辺警護の兵程度は展開できる所…
長時になったつもりで周辺に思いめぐらせた幸綱は、はたと気がついた。
諏訪大社 上社 本宮…あそこだな。
本宮ならば傭兵が逃げ出しても捕えやすいし、戦場より半里(2㎞)ほど諏訪湖寄りである。
つまり自分が逃げる時には本拠・深志に近い。
今は武田の目は前宮砦と千沢城に向いているので安全だ。
姑息な長時が選びそうな場所である。
早速 馬を飛ばし、上社 本宮に向かい、周辺を探ると…居た。
凝った拵えの鎧を着込んだ武者が警護に当たっている。これは長時の親衛隊であろう。
ざっと見た所、50~60人の兵が居る様だ。
長時の居場所は突き止めたが虎王丸様がここに居るかは別の話しだ。
それを探るには潜入するしかないがこちらは6名、それも忍びの術は使えぬ普通の兵である。
…一旦戻るしかない。
小笠原兵に見つからぬ様、コッソリと後退し 前宮近く、武田菱がはためく 信繫の陣幕(指揮所)へ向かった。
陣内には引きも切らず 駆け込んでくる伝令、使い番に忙しく指示を与える信繫と、その横にはどっしりと床几に座った赤鎧の湖衣姫が居た。
大至急で飛び込んで来た幸綱はその姿に思わず吹き出した。
完全に大将・湖衣姫、参謀・信繫 の構図である。
幸綱に気づいた湖衣姫が腰を上げ、信繫が声を掛けてきた。
「おぉ、幸綱。 笑っている所を見ると、虎王丸が見つかったのじゃな!」
「あ…失礼、こちらの都合で…
長時が本陣は上社 本宮。虎王丸様は不確かなれど、そこに居ると思われまする。
これより潜入する所存なれど、長時が気を逸らす必要あり。
二、三十ばかり兵をお借りしたい」
「よし、判った! と、申したいが…
ここに残って居る馬回りは、十ばかりじゃ…直ぐに呼び戻すゆえ、暫し待て」
「刻が惜しくあります。 妾の隊が加われば直ぐに動けまするぞ!」
「な、何を申される。姫が隊は五人が程。それにその様な危ない所、湖衣殿を行かせるなど…」
「左様左様、姫様は暫しこちらで…」
「何を言う!虎王を救う為に ここに居るのじゃ!」
「そう申されても、湖衣殿が敵陣に突っ込むなどもってのほか…」
陣内で偉い人と偉い人の娘と、多分偉くなる人が揉めている。
幕僚は誰を取り成してよいか忙々とするばかりである。
その時 幕を潜り、大男が入って来た。
来るなり湖衣姫を認め、ポカーンとしている。
揉めていた皆も突然の闖入者に言葉を呑んだ…が、幸綱が声を上げた。
「十座! 早かったな!…良くここが判ったな?」
「美月殿がこの臭いを追えと、これを呉れた」
海野十座、中畑美月に餌付けされていた真田忍者の一人である。
十座が持っていたのは小さな匂袋だ。
その袋を見た湖衣姫が ハッとして
「妾の匂袋…どうしてそれを」
「ん、上原の城で落としたのじゃろ…湖衣姫様一党の誰かの物じゃろうから、ついでに届けてくれと言われた…」
顔を赤くして匂袋を受け取る湖衣姫。
その姿を見て、なぜが信繫の顔も赤らんでいる。
その二人をポーと見ている十座に幸綱が
「で、お主は上原城からここまで その香りを辿ってきたのか?」
無言で頷く十座。
「山犬並みの鼻じゃな…それに、儂も知らん十座の技を、美月殿はなぜ知って居ったのじゃ?」
「んー、忍者ならそれ位できるじゃろと、事も無げに…の」
「…」
美月と言い、古澤と言い 真田に対する城西衆の思い込みは…いずれ意見せねばなるまい、と思う幸綱であった。
「所で、揉めて居った様じゃが、手が足りぬのか? 人なら数人連れて参ったぞ…」
「おぉ、それじゃそれじゃ!」
先程まで揉めていた作戦は、騎兵三十で上社本宮を急襲し長時自身を打ち取り、幸綱は数人の武者を引き連れ虎王丸を探し、保護する。
と言う、甚だ荒っぽい物であった。
長時を打ち取れれば戦全体のKO的勝利であるし、虎王丸が救えればTKO的勝利となる。
阿吽の呼吸を使う “忍びの術” を持たぬ兵では、これが一番実用的な作戦と思えるが、双方の損害…どうかすれば、こちらの全滅も視野に入る作戦であった。
しかし、真田忍軍が間に合えば、話しは違ってくる。
シン作戦はこうだ。
長時が籠る上社 本宮に湖衣姫たちが騎馬武者を引き連れ急襲を掛ける!
と言っても、これは陽動。 長時親衛隊を釣りだす為の餌である。
目立つ女武者には わっ と騒いで、援軍を呼ぶのを装い、本宮の外へ駆け出て、自軍陣地まで走って貰う。
長時たちの目を逸らし、警備兵を釣りだした脇から、幸綱と真田忍軍が潜入し虎王丸を奪取する。
これなら、女武者への危険度はかなり減る。
釣られた長時親衛隊もまさか武田陣まで突っ込んで来ることはあるまい。
途中で諦め戻るであろうが、逆に武田本陣に突っ込まれない様、追い返す兵は伏せて置けば良い。
ほーら簡単! …と言う訳では無いが、長時はじっくり包囲すると これ見よがしに虎王丸を殺す様な奴である。
ここは奇襲に賭けるのだ。
―――――――――
【小笠原サイド:諏訪大社 本宮】
ここは上社 本宮、参道途中の建屋である。
神事を行う際、支度に使うユーティリティハウスである。
真田幸綱の読み通り、小笠原長時はここにいた。
そして余裕をぶっこいていた。
上原城の囲みを解くのは多少予定より早まったが、ここ迄の所 想定通りである。
武田援軍の攻撃力は予想外の強さだが、前宮砦と千沢城も予想以上に善戦している。
あの飛丸とか言う兵器は高い所への攻撃は苦手の様だ…
それに、ダメ元で仕込んでいた乱波が、あっさり虎王丸を攫って来たのだ。
あの幼子の着物でもチラつかせ、休戦交渉を仕掛けていれば、今日明日中には高遠落城の知らせが来るだろう。
そうすれば伊那平は完全に小笠原の物となり、交渉次第では下諏訪も取れるやもしれない。
にやける長時に側近が伺いにやって来た。
「長時様…件の乱波で御座いますが、銭を払えと…」
「?何の事じゃ…銭は渡して居ろうが…」
「請け負った日より前に成就したので、約束の額に色を付けよ…と。
それを受取るまでは 人質はこちらには渡さぬと…」
「ふうむ、約定より遅れたら罰として銭を取る、 と脅したのが不味かったか…
たかが乱波の分際でこの小笠原の足元を見ようとするか…不遜な」
「…如何いたしましょうや」
「如何とはどういう意味じゃ?奪い取れぬのか?ここに居るは当家でも武辺の者であろうが」
「はぁ…それが中々の手練れにて…奪おうと手を出した者が 既に五人が程、返り討たれたと…」
「なんとした事じゃ! 小笠原は弓馬の家ぞ、家名の恥じゃ、射殺せ!」
長時はワイルドカードである虎王丸を目の前にしながら、変なこだわりで 未だ手中にしていなかった。
優先順と損得を正しく理解し、トラブルを収めるのが真のリーダーなのだが、過剰なプライドとサイコパス的性格が抑え切れないのが、いつも通りの長時である。
その時、社が立ち並ぶ参道の奥で、女性と思しき高い声が聞こえた。
長時は思わず腰を上げ、窓から声の方向をうかがう。
体裁が悪いので家臣も表に出さない様 気を付けているのであるが、数多い長時の問題点の一つが “女好き” であった。
英雄色を好む の言葉もあり、女性好きな武将は数多いが、此奴の場合 甚振るのが好きな性癖なのである。 (※1)
ゆえにどんな時でも女性の声には反応するのが長時であった。
※1:思いつきのご都合設定と思われるだろうが、本当にその手の記録はあるのだ。 アンチによる風評の可能性もあるが…
―――――――――
【武田サイド:虎王丸救出隊】
時は若干 遡るが、餌となる湖衣姫&親衛隊の女騎馬隊は上社 本宮にほど近い 神宮寺裏の林の中に居た。
湖衣姫には陣所で信繫と共に居る様、何度も進言したのだが、頑として聞かず ここに居る訳だ。
姫は周りの気持ちを知ってか知らずか、顔を上気させ 突入のタイミングを待っていた。
湖衣姫の横手ではガード役の信繫隊隊長の山高親之が、対称的に顔面蒼白で緊張している。
姫に何かあったら切腹覚悟である。
林に百舌鳥の高鳴きが響いた。 真田忍びの声真似で、突撃の合図である。
林を突っ切り、本宮に横手から突っ込む騎馬隊。
目立つ赤鎧がこれ見よがしに、拝殿に続く参道で馬首を巡らせて一周する。
口々に “ここが本陣じゃ!長時 見つけたり!” と叫んだ。
そして小笠原兵が自分たちに充分引き付けられたのを確認し、参道の入り口を目指し 馬を(追い付ける程度)に走らせた。
ガード役の山高親之は配下の騎馬隊を拝殿前でもう一周 廻し、 ワラワラと湧いて出る小笠原兵を 更に煽った。
湖衣姫を先頭に、赤騎馬を追う徒士の小笠原兵、それを追い立てる様に駆ける親之の黒騎馬、騎馬を追う徒士、遅ればせの小笠原騎馬…
計画通り、大騒ぎで小笠原兵を釣りだす湖衣姫たちであった。
―――――――――
【小笠原サイド:諏訪大社 本宮】
参道途中の建屋から外を伺った長時の前を赤備えの一団が駆け抜けていった。
一瞬で何を叫んでいるのかは聞き取れなかったが、あれは女に相違ない。
どうやら武田の物見に見つかった様だが、武田は女を物見に使うのか?
虎王丸引き渡しのゴタゴタで気が立っていた長時は、ムラムラと女を追いたくなった。
「馬引けぇーい!」
弓の道具を掴み建屋の裏手に回る。
繋いでいる馬に飛び乗り、大弓を片手に、もう片方で手綱を操り 馬を出す。
小笠原は弓馬術の宗家である。
襲歩(全速力)で駆け、的を射抜く “騎射” の技にかけては負けるものではない。
虎王丸を渡さぬ乱波への怒りをぶつける相手を見つけた長時は馬の速度を上げた。
前を走る黒武者には目も呉れず追い越し、その先を行く赤鎧に狙いを定め弓を引く。
ぴゅう と放たれた矢は狙い外さず、最後尾を走る赤武者の首に当たった。
のけ反り馬から落ちる赤鎧を見ながら、次の矢を番える。
長時の意識は笠懸か犬追物に興じる時と同じである。
忘我の境地で弓を引こうとした時、背後からの殺気を感じ、無意識に馬の背に伏した。
横手から一騎の黒武者が槍を振って来たのを 間一髪躱した。
馬首を巡らし横に逸れ、辺りを見渡すと駆け付ける親衛隊が見えたが、自分が突出している事に初めて気づいた。
少し遊び過ぎた様だ。 囲まれる前に、一旦下がる長時。
黒騎馬どもは速度を上げ、前方で落馬した赤鎧を助けに行く様だ。
こちらを長時と見破れず、勝を逃した愚か者と内心ほくそ笑む。
そこで漸く気分が晴れたのか、武田の物見を追う事を止めた。
―――――――――
【武田サイド:虎王丸救出隊】
真田幸綱と海野十座たちは参道脇の茂みに紛れ、湖衣姫たちの陽動の成り行きを見守っていた。
小笠原勢は突然の襲来に一瞬たじろいだが、流石は親衛隊、即座に反応し取り囲むべく、不審な騎馬に向かい走った。
しかし、そこが幸綱の狙いである。
訓練された兵士は緊急事態に即応する、つまり、全員が騒ぎの方を向くので、監視の穴が開くのである。
これが “充分” に訓練された部隊となると、緊急時の役割も決まって居り、意識が散らず穴も開かないので厄介なのだが、長時親衛隊は並みの部隊であった。
幸綱たちは綺麗に空いた監視の穴から素早く、社に侵入した。
兵たちの流れを逆に辿り、社の奥へ進む。
と、農民の男に連れられた女子を見つけた。
物陰から伺うと見覚えのある顔である。
確か城西衆の女生徒黒島葵だ…とすれば 農民姿は伊賀の乱波。そして近くに虎王丸も居る!
確信を得た幸綱は後ろに続く十座たちに目配せし、農民姿に躊躇なく近づき、一瞬で倒した。
黒島葵が悲鳴を上げぬ様、口を塞ごうとするより先に
「わ!幸綱だ!」
「声が高い、静かに…そちは葵殿じゃな? 儂は真田…ん、儂を知って居るのか?」
「当~然!だって美月先生の推しのユキさま だもん」
「…ユキさま? 儂の事か?…その様な事はどうでも良い。
怪我は無いか? 酷い目には合わなんだが? 虎王丸様は何処か?」
「質問多い! ダイジョブ。 トラオーちゃんと私はツルなんだって。 だから傷付けるなって」
「よう判らんが、無事なのじゃな?良かった。 で、虎王丸様は?」
「あっち!」
幸綱を引き連れ虎王丸様の許に向かう葵ちゃんである。
黒島葵が無傷と云うことは、虎王丸も無下に殺される事は無いと読み、一番ノーマルな人質救出手順で行く事にした。
一方の戸口に犯人の気を惹きつけ、別の戸口から突入し人質保護&犯人確保!(テレビドラマで良くやる奴だ)
虎王丸誘拐犯の乱波レベルは中々であったが、幸綱が連れて来た忍びレベルは上々であったので、勝負は一瞬であった。
長時本陣のどさくさ対応が落ち着く前に、人質を奪還し音も無く 姿を消す真田忍軍であった。 (スッキリ)
―――――――――
【武田サイド:信繫本陣】
真田幸綱が虎王丸を連れ帰り、歓喜に包まれる本陣! と書きたい所だが、雰囲気は最低であった。
一人横たえられた赤鎧に蹲り、湖衣姫は打ちひしがれていた。
射抜かれた女武者は湖衣姫の一番の侍女で、矢は頸椎に当たり、致命傷だった。
戦場での犠牲は覚悟出来ているつもりの湖衣姫であったが、実際に目にすると動揺を隠せない。
傍らでは山高親之が女武者を守り切れなかった自責から顔を上げられずに畏まっている。
信繫も彼らに声を掛けられず、陣幕内は只 鎮痛な気が充満するばかりであった。
空気を察した幸綱も無言となっていた所、葵に抱かれていた虎王丸が身をよじり下に降りた。
そして蹲った湖衣姫に近ずくと、優しく頭を撫でだした。
湖衣姫は涙の溢れた顔をあげ、幼い弟を抱きしめた。
時が止まったかの様な陣内であったが、幕を潜り、大男が入って来た。
海野十座である。
「幸綱殿、通夜をしている場合ではないぞ。 長時が逃げ出した様じゃ。
それも前宮砦はほったらかしでじゃ。
長時を追うか、砦を落とすのか、大将の下知が必要じゃ…」
その言葉で信繫が動いた。
幕を潜り、外に出ると 周囲の側近を集め、大声で状況と対策を説明し出す。
側近と使い番が信繫を囲み、信繫の言葉を聴く。
「皆良く聞け!
小笠原長時は逃げ出しおった。 我らが勝ちじゃ!
したが、まだやる事が残って居る。
まずは前宮砦に行き甘利信忠殿と敵籠城兵にこの事を伝えて参れ。
無駄な戦で命を粗末にするなとな。
次に杖突峠を超えられる者を集めよ。
その者を率いる者は…」
「某が参ります!」
山高親之が悲壮な表情で名乗りを上げた。
信繫はその顔をじっくりと見た上で頷いた。
「高遠城を救いに行け。 軍略は親之に任す。が、一つだけ命がある。…死ぬな!」
信繫の後ろで聞いていた大男、十座がのっそりとした声で問いかけた。
「あぁ、長時の事だがな、後も見ずに逃げ出した様じゃが 追いかけて首でも取るか?」
「…今は捨て置け」
「承知じゃ!さぁ皆の衆、指図の通り 後片づけじゃ」
信繫の周りから四方に人が散り、残ったのは真田幸綱と十座であった。
その十座に近づくと信繫は静かに礼を述べた。
「十座と申したかの。…先の言葉助かった、礼を申す。
真田衆に頼み事があるが、聞いてくれるか?」
無言で頷く十座。
信繫は微笑みながら言葉を繋ぐ
「湖衣姫と虎王丸が事じゃ。ここに居っても危険が増すばかり…上原城へ送り届けてくれぬか」
「承知いたした。 暗くなる前に、間違いなくお送り致す。安心して戦を続けられよ」
長時撤退で一応の終結を見た上諏訪である。
全体的には大勝利であるが、苦い勝利でもあった。
さて、今回触れる事が出来なかった高遠城であるが、あちらの後始末は…次回を御覧じろ、である。
第48話・今度こそ奪還 完




