第93話・鉄砲隊西へ
藤堂三虎は逆風の中です。
河越夜戦では扇谷上杉を撃ち滅ぼし鉄砲隊の実力を見せつけた上での凱旋、と思っていたのですが
なにやら様子がおかしい…
と言う事で今回は駿河雪斎党のお話しです。
戦国奇聞! 第93話・鉄砲隊西へ
ここは駿河今川館に程近い臨済寺である。
正確には臨済寺の奥、北西に位置する賤機山城の曲輪である。
賤機山城は今川氏が駿河に入府した頃から詰城とされていた城だが、今は賤機山の麓に作られた広大な臨済寺に飲み込まれ、太源雪斎を守る雪斎党の城となっているのだ。
城の一室では僧衣を纏った雪斎と修験者衣装の香山誠、藤堂健一(三虎)が対峙して座っている。
昨日雪斎が今川館で決定した三河攻めの軍略を香山たちに伝えている最中である。
「…次の三河攻めの陣立て、斯様心得る様」
深々と頭を下げる香山教頭の横で藤堂三虎は腕組みでそっぽを向き、独り言の様に声をあげた。
「鉄砲隊を先鋒から外すとは…義元様の周りには馬鹿しか居ないのか、いや 義元様が馬鹿なのか?」
雪斎は暴言を吐く三虎を一瞥し、悪童を窘める様に声を掛けた。
「不遜な事を言う物ではないぞ三虎。
義元様はお主の言葉を御信じになったからこそ、数百の鉄砲を御作りになったのじゃぞ」
「作っただけで使わないのは無能の証拠だと申しておるの で、す、よ。
三河のその先 京に上る道筋を開いたのはオレたちなのに…」
なおも悪口を続ける三虎に雪斎は目を細め、静かな口調で
「その事は人には言わぬが身の為ぞ。
年端もいかぬ織田の跡取りを多勢無勢で討ったは自慢に為らぬでな。
それに…他家の童を殺したなど寿桂尼様の御耳に入らば、其方の命も危う成るやも知れんぞ」
「…ならば河越の事はどうなんだ。 6万の敵を崩して北条を勝たせたのはオレの鉄砲隊だろうが」
「今川の鉄砲隊じゃ、お主のでは無い。
人々は暗がりで何が起きたかは知る由も無い…河越が事は北条氏康様の軍配が結果と思うておる」
雪斎は三虎を諭すのを諦めた様に溜息を付き、視線を香山に移した。
視線を受けた香山は頭を下げつつ慇懃に
「三虎には私から重々言って聞かせますゆえ…
陣立ての件 承知いたしました」
雪斎は軽く頷き立ち上がった。
部屋を出る間際に未だ不貞腐れた顔の三虎を振り返り
「お主 鉄砲足軽どもを街に連れ出し騒いでおるそうではないか。
その事をとやかくは申さぬが… “鉄砲あれば武士など要らぬ” 等とは言わぬが良いぞ。
内に敵を作るは愚策じゃ」
と言い置き部屋から出て行った。
―――――――――
雪斎と入れ違いに来たのは伊賀の上忍藤林保豊だ。
元々は汚れ仕事を請け負う業者として今川に雇われていたのだが、『青田刈り作戦』 (※1) で息の合った所を見た雪斎が香山の下に置いたので、今では東映太秦で量産された悪代官と腹心の手下を彷彿とさせる関係である。
三河攻めでの伊賀者のミッションについて香山から説明を受けながらも藤林はチラチラと三虎の顔を窺ってる。
見た目は厳ついが座の中に不機嫌なヤツが居ると気になってしょうがない…つまり根っからの中間管理職気質なのである。
香山の説明の途中で意を決した様に藤林が口を開いた。
「三虎殿! 先程よりずううと我らを睨まれて御いでじゃが、何か言いたい事が御ありか?
気になって三河攻めが事、入ってこぬ」
「…俺たちの飲み会を見張っていたのはお前か? 鉄砲隊の評判を落とそうってのは誰の差し金だ?」
「せ…拙者では無いぞ。
我らが言わんでもあれだけ連日飲んで騒いで居れば評判になるわい」
良くない目で藤林を睨んでいる三虎に香山が冷たい声を掛ける。
「藤堂先生、少しは自重されては如何ですか…
と言うか全ては身から出た錆って事を理解しているのか?」
「ハァ何の事だ? 教頭先生 後学のために御聞かせ願えますかしら」
「河東 戦勝祝賀会でのお主の行いの事だ!
義元様が鉄砲隊に触れた事に気を良くして “鎧武者など鉄砲の敵では無い、鉄砲だけで天下が取れる” と豪語しただろうが…あれで鉄砲は嫌われたんだぞ。
藤堂三虎は今川家臣団の敵 『public enemy』 に認定されたんだ」
香山教頭が久しぶりに英語教師的言葉で三虎を叱責すると、藤堂先生は歴史教師的諺で応戦した。
「…フン 奴らこそ 『驕る平家は久しからず』 だよ」
鉄砲が戦国時代に与えた影響は正に 『Epoch-making』= “新時代を切り拓く出来事” であったのだが、全ての人がその衝撃度、重要性に気付き受け入れた訳では無いのである。
以前甲斐でも城西衆の春日昌人が “鉄砲を使えば雑兵が豪傑となる” と言い放ち武田の誇り高い武士に動揺を与えた事があったが、駿河今川家でも同様の衝撃が走ったのであった。
雑兵の放つ鉄砲が鎧を簡単に撃ち抜くのを見せられた家臣たちは、本能的に武士の地位が崩れる危機感を持った。
そんな折 国主主催の宴席で声高に武士の存在意義を否定されればどうなるか?
丸い卵も切りようで四角、物も言いようで角が立つ…武士のプライドが噴出し今川家臣団は鉄砲の排斥に動いたのである。
今川家臣たちの狭量さを嘲ってはいけない。
価値観を変える物が出て来た時は何時の時代でも同様の事は起きている。
航空機に依る艦船攻撃の有効性をハワイ真珠湾とマレー沖で実証したにも関わらず、大勢を占めた旧勢力が大艦巨砲に依る艦隊決戦の幻想に囚われた結果、ほぼ全滅してしまった大日本帝国海軍など、正にこのケースであろう。
と、この例には誰も付いて来ていない気もするが…人は思っているより保守的なのだとご理解いただきたい。
歴史教師の常識から鉄砲の大量運用こそが天下取りの決定打と確信している三虎は、周りからは狂人扱いとなっている現状が我慢ならない。
先程雪斎に吐いたセリフで再度 藤林に嚙みついた。
「わざわざ大枚使って作った鉄砲をだ!
わざわざ河越に行ってまで上手な使い方を見せてやってるのにだ!
三河攻めで使わないのはぁ『無能』としか思えないだろ?」
「まぁまぁ三虎殿 御平らに…何れ鉄砲の有難みも知れましょう程に」
三虎を穏便に往なそうとする藤林の心遣いを打ち砕くように香山が冷たい口調で言い募った。
「藤堂先生、気付いていない様なので申し上げるが貴方の評価は Cマイナス ですよ。
理由は専門分野を活かせていないからです。
種子島の鉄砲伝来、武田の信濃侵攻と高遠頼継の蜂起、それ以来貴方の予言は当たっていない。
『青田刈り作戦』 の効果は証明しようが無いし、河越城の件は先程雪斎様が述べられた様に貴方の評価には成らない。
つまり貴方の能力は賞味期限が切れたと見なされています。
違うと言うのならこれから始まる三河攻めの推移を言い当てて下さい」
「ぐ…」
香山は城西学院中等部の人事考課を伝える教頭の口調で藤堂三虎を威圧した。
三虎は反論を試みたが口籠るしかなかった。
藤堂は日本史専攻の歴史教師ではあるが、戦国時代専門では無い。
縄文から現代までの歴史の流れと時代時代のトピックスを諳んじる事は出来るが、戦国中期から後期に掛けて起きた事の詳細までは知らない、と言うか覚えている筈も無いのだ。
特に戦国時代のトピックスの塊である織田信長を自分の手で討ってしまったので、誰が何をするかは五里霧中となってしまったのである。
自分の知っている戦国史より進みが少し早い様な気はするが、信長亡き世界で今川義元が誰とぶつかるかなんて知らねーよ! と居直りたいのが本音であった。
押し黙った三虎を見据え香山が雪斎の指令を読み上げた。
「三河攻めでは鉄砲隊は一隊のみ 中陣・朝比奈殿の与力として参戦の事。
藤堂三虎は駿府にて下知を待つ様に…以上じゃ」
―――――――――
馬小屋よりはマシな板葺きの掘っ立て小屋が建ち並ぶ、賤機山城 三の曲輪である。
表向きは鉄砲隊の屯所となっていたが実質は三虎のアジトと化している場所だ。
下の二の曲輪に通じる道を三虎が供も連れず足取り荒く登って来た。
一番大きな小屋の戸を勢いよく開けると中ではむくつけき男たちが食事の最中であった。
男たちは三虎を認めると一応頭を下げたが、何事も無かったかの様に食事を続けた。
その態度がお気に召さない三虎は舌打ちをし、手近な男に声を掛けた。
「おい、道順は来ているか?」
「は?…四半刻ほど前に百姓が訊ねて来ましたが…あれは道順様だったかどうか…」
フワッとした返答に溜息を付き奥に向かう三虎であった。
奥の部屋には百姓の様な商人の様な下級武士にも見える男が暗がりに寝転がっていた。
一目では正体不明と言うのが諜報員としての道順の優秀さを物語る所ではあるのだが、三虎はお構いなしに罵声を浴びせた。
「弛んでるぞ道順!
そんなんだから藤林の下から抜け出せないんだぞ」
薄目を開けむっくりと起き上がった道順はゆっくりと返答した。
「機嫌が悪そうじゃな…と言う事は、三虎殿の鉄砲隊は出番無しか」
「…全く馬鹿ばっかりだ。
鉄砲隊の一斉射撃からのつるべ撃ちに耐えられる敵なんて居る筈無いのが解らないんだからな」
道順は欠伸を飲み込みつつ肩を回しながら
「それはそうだろうが昔からほら “百聞は一見に如かず” と申すであろう。
今川衆は河越夜戦を見て居らんからなぁ…。
それに引き換え河東での武田の雷玉は見事であったそうな。
打合せ通り今川が引き払った砦に雷玉が撃ち込まれ、櫓や門を吹き飛ばしたそうじゃ。
先程まで籠って居った砦が粉砕されるのを見せられて、さぞ肝を潰したろうな。
三虎殿も覚えておくと良い…人の心を捉えるには見せるが一番じゃぞ」 (※2)
道順は憮然とする三虎に言葉を続ける。
「そう言えば津渡野を閉めると言う話を聞いたが…
三虎殿の指示では…ないな」
「何だって? オレはしらんぞ!」
「やはりな… “鉄砲はコケ脅し、名門今川が使うには不相応である” てな声が上がっているそうだ。
なにやらいきなり風向きが変わったな三虎殿 何か心当たりは在るか?」
「…ざけんなよ」
道順が持って来たバッドニュースは何とか抑え込んでいた三虎の怒りを再燃させた。
鉄砲作りを止めるなんて時代の流れを理解していない馬鹿だ。
そんな馬鹿は…そうかアイツだ、香山のご機嫌取りの献策に決まっている。
あの野郎いつ迄教頭の気でいやがるんだ。
何がパブリックエネミーだ、何がCマイナスだ。
ざけんじゃねぇぞ てめえの専門分野は何だ、英語じゃねぇか。
そんなもんこれから300年はクソの足しにもならねぇ!
三虎の憤怒の形相に道順はドン引きしつつ優しく声を掛けた。
「おい大丈夫か三虎殿…声が出て居るぞ。
怒りは体に悪い、そんな顔をして居る者は卒中で倒れるか、闇雲に切り込んで死ぬるかじゃ。
鉄砲は既に伍百を超したと聞くぞ…数は充分であろう?
そう怒るな」
道順の声で頭がクラクラしていた事に気付いた三虎は深呼吸した。
確かにここで血管が切れたら元も子もない。
少し冷静さを取り戻した三虎は先程聞いた雪斎の戦略、他言無用と念押しされた計画を道順にぶちまけた。
「おい道順 門外不出の雪斎の軍略を聞かせてやる。
今川の軍師の策に点数を付けてみろ。
…まず三河・尾張・近江を鉄砲抜きで攻め取るそうだ。
そして将軍に近い六角氏を露払いとして上洛するんだと…
次に朝廷を抑え今川義元を副将軍に据える。
形を整えた上で細川や三好らの奸臣を排除して幕府再興を果たすそうだ。
…どう思う?」
道順は小首を傾げながら聞いていたが軽く溜息を吐き出し
「まぁ雪斎様ならばそうであろうな。
手堅いと言うか…誰もが考える策じゃ」
「だろ! まったく面白くない…成功すると思えるか?」
ニヤリと笑い道順は答える。
「それで天下が取れるならとっくの昔に誰かが取ってるじゃろうな」
「そうだろ! 手堅く賭けているつもりで絶対来ない目だ…雪斎は賭け事が判っていない!」
雪斎がギャンブルで天下取りを仕掛けているつもりは無いと思うが、三虎の表情が和らいだの見た道順がサービスとして話題を振った。
「ならば三虎殿ならばどのような手を考えるかな?」
問われた三虎は今まで散々考えて来た策を口に出した。
「鉄砲隊を引き連れ一気に京に上がり管領家を討つ。
管領細川の首と形ばかりの将軍を引っ立て御所に出向き、帝を脅す。
そしてオレは将軍を監督する摂政となるんだ。
お前さんが聞いても理解出来ないだろうが、オレは秀吉に成るんだよ。
今更 武家の棟梁には成れないから官僚のトップに成って武家を牛耳るのさ」
道順は神妙な表情で策を聞き小声で訊き返した。
事によると噴き出すのを堪えていたのかもしれない。
「そ、それは大いに面白いな…よう判らんが。
したがどうやって一気に攻め上るのじゃ。
ここからでは三河・尾張・近江と攻め上がる雪斎坊主と同じ手となるぞ」
…確かに。
ここ今川は鉄砲の重要性を理解していないし、オレの意見も通らない。
ならば鉄砲隊を活かせる場所はどこだ?
評価Cマイナスを見返す策は無いか…歴史的知見を活かす道は無いのか…考えろ。
織田信長を始末した今、信長に次ぐ鉄砲使いはどこに居る…考えろ。
確か…根来衆とか言う鉄砲使いの集団が居たよな。
火事場の馬鹿力的に絞り出した知識が三虎の口を衝いた。
「おい道順、根来衆はどこに居るか知ってるか?」
「…根来宗なら根来寺であろう」
「…寺なのか。 あー道順、知らんとは思うが根来寺はどこに在るかは知っているか?」
「根来寺は紀伊国の寺じゃ。
…知らんとは思うが紀伊国は南海道の端、伊勢の向こう側じゃ」
「…南海道って四国だよな、根来寺は四国か」
「紀伊国は四国に渡る手前じゃ、物を知らんの」
「るせぇな…て事は 堺港の近くか?」
「根来寺の尾根を越えれば和泉国じゃから…近いな」
「…堺を押さえれば火薬調達は楽になる…そうかそれで根来に鉄砲が根付いたのか。
それに都にもめちゃ近いじゃないか…よし、行き先は決まったな。
所で道順 根来寺への行き方なんかは…知る筈ないよなぁ」
「あのな儂を誰だと思うておるのだ? 諸国を巡って “城落としの道順” と呼ばれた男じゃぞ。
根来寺辺りの今の領主は誰か知らんが、通り道の伊勢の北畠晴具とは昵懇じゃ。
昵懇を通り越して…阿吽じゃぞ」
「ほぉそりゃイイ 道案内して呉れ。
オレは鉄砲隊を連れてここを離れる…お前もオレと一緒に天下を取りに行くぞ」
「はぁ?」
三虎はさも当然の口調で今川離脱に手を貸せと誘うが、道順としては河越の一件で今川と北条に独自のパイプが作れた所である。
出来れば誘いを断りたい道順は
「ああ、それは何と申すか…今 駿河を離れるのチョット…」
「ん、何だ? あぁそうか、今川と単独契約が出来るかも…ってやつか」
三虎は腕組して少し考えてから深刻な表情となった。
そしてそのままの顔で暗いトーンで道順に語りかけた。
「他ならぬ道順殿だからな、望みは叶えて欲しい物だが…ここに居たら無理だぜ。
おっと何か言い返す前にオレの読みを聞いてみな。
まず上忍の藤林が全力で邪魔してくるな…
今まで自由に動けたから大丈夫だと思っているんだろうがそうはならない…なぜなら香山が居るからさ。
香山の権力欲と独占欲それに執念深さはめちゃ強いぞ。
オレが逆らって逃げ出したと知ったらオレとツーカーだった道順は徹底的に虐められる。
藤林を使って最悪な仕事ばっかりやらされるだろうなぁ 可哀そうに…
それより一旦香山の目の届かない根来辺りで鉄砲隊を暴れさせれば、京の都へも名声が轟くぜ」
眉間に皺を寄せ反論しかかった道順に被せて三虎の声が続いた
「それにオレ一人で放り出されたら河越では北条にすり寄ってた事も…香山たちにポロっと喋っちゃうかもしれないなぁ。
そうしたら小田原にも嫌がらせの手が伸びるだろうなぁ、香山は執念深いからなぁ」
道順は憮然とした顔で
「お主の下衆さ加減嫌いだわぁ。職業的には見習うべきかもしれんが…
したがここで雪斎坊主の顔色を伺って暮らすより、伊賀の里にも近い紀伊国で天下を狙うも一興やもしれんな。
で、どうやって根来へ行くつもりなんじゃ?」
「…知らん、それは道順がしっているんだろ?
伊勢の北畠何とかと阿吽の仲だとか “逆落としの道順” とはオレの事だぁとか自慢してたじゃないか」
「…“城落とし” じゃ虚けが」
「お、気にするな」
―――――――――
数か月後 駿府でちょっとした事が起こった。
三河攻め遠征軍の補給物資と鉄砲隊の交代要員を乗せた船が音信不通となったのだ。
誰が発注した補給物資であったか、船主は誰だったかはっきりしない事が幾つかあったが、乗船していたのが鬼っ子扱いの鉄砲足軽だったので左程大事に扱われず、海難事故として処理されたのだが…
ただ一人、胸騒ぎを覚えた香山が藤林に調査を命じた。
しかし現状これと言った事件性も見つからず、雪斎に報告しようかバックレようか絶賛お悩み中なのであった。
…流石は道順の手筈である。
第93話・鉄砲隊西へ 完
―――――――――
※1:
青田刈り作戦とは 桶狭間での今川義元戦死を回避するために香山&藤堂(雪斎党)が計画した信長暗殺計画です。
草薙紗綾拉致から天叢雲剣のダミー作成などなど、007シリーズに登場する悪の組織:スペクター並みの採算度外視した作戦でしたが、目的は見事達成しました。
まぁ結果 信長絡みの出来事がチャラになったので、歴史教師を有する雪斎党のアドバンテージが怪しくなったのが副作用と言えるでしょう。
何事も禍福は糾える縄の如しです。
※2:
“百聞は一見に如かず” は前漢時代の将軍、趙充国が用いた言葉と言われていますが、最近は余り用いられていない故事成語です。
代わりといっては変ですが最近は1970年代の心理学者アルバート・メラビアンの実験結果があちこちで引用されている様ですね。
人の第一印象を決定する3要素は
見た目などの視覚情報が55%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、話の内容などの言語情報が7%
である。
つまりは “見た目が一番重要” と言う『メラビアンの法則』が就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでよく用いられています。
しかし実はこれ実験の誤った引用なんです。
メラビアンが行ったのは “矛盾したメッセージが発せられた時の人の受けとめ方” に対する実験でした。
具体的には “送り手が曖昧なメッセージを送った場合 視覚情報、聴覚情報、言語情報のどれを重視するか?” と言う物だったのです。
特定条件下の実験結果がコミュニケーション全般において適用されるとされた、一種の都市伝説だった様ですね。
タイムリー?な事ですが作者が最近受講したセミナーでも 『メラビアンの実験結果』 として視覚情報が55%と教えられていました…コワイコワイ。
以上 戦国は関係なかった雑談を終わります。




