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第4話 討伐の打ち合わせ

 俺達は、冒険者ギルドを出ると、下準備のため、半日費やし、翌朝、べスの村に出立した。

 ルーチェが馬車を用意していたので、それに荷物を積み込み、移動の時間も大幅に短縮して、昼にはベスに到着した。

 その日は、坑道への出入り口の確認、ケイプクローラーが確認されている場所などの地質や中の構造などの調査に費やした。

 それが終わると、俺は対処方法を立案し、手伝いを頼むため、ルーチェを呼び出した。


 「頼みがあると聞いて、やって来きましたが、どうしました。」


 「討伐自体は基本こっちでするが、数が把握できないため、時間短縮のため、魔石を取りだすために見習い騎士か従士を借りたい。できれば洞窟内なので小柄な者がいいのな。それとルーチェ、君には、身体強化スキルが切れる前に戦闘を終わらせるようにするが、万一に際に備えて俺達の護衛を頼みたい。」

 

 「なるほど、私の従士2名なら、成人したばかりだし、結構小柄だ。ちょうどいいだろ。それと、私の護衛に関しては問題ない。もともと立ち会うつもりだったしな。」


 「では、明日、午前中に坑道内の立ち回りと、ケイプクローラーの魔石の取り出す際の注意点など打ち合わせをしてから、午後から作業に取り掛かろう。身体強化スキルが使えるのはどうせ1日、1時間だけだからな。」


 「わかった。従士には、私から伝えておきます。」


 「ああ、お願いする。それと手伝う報酬についてだが。」


 「私は、領主様から俸禄を貰ってるし、領主様の依頼で、動いているのだ。貰えませんよ。それと、私の従士2人は、私が俸禄を払っています。そこは気にする必要はないのでは?」

 

 「まぁ、それなら、ルーチェは、俺から金を受け取るわけにはいかないだろうが、従士2人は、お前に対する業務以外をするんだ。危険手当として、魔石代の一割を2人に払おう。構わないだろそれなら。」


 「いいのですか?」


 「ああ、それくらいの役得があった方が仕事に身が入るだろ。」


 「レオがそれでいいなら、構いません。でも報酬については明日レオが、2人に伝えて下さい。」


 「ん?わかった。」


 「褒美は、それを出す者が伝えるものですよ。しかし、そう言った気遣いもできますし、事前打ち合わせもしっかり音頭を取ってやれるのですから、パーティーのリーダーに向かないと言ってましたが、出来るんじゃないですか?」


 「戦闘時、先頭で剣を振るっている者が、適切な指示は出せないだろ。」


 「ああ、それがありましたね。戦場でも、指揮する者は全体を見渡せた方がいいですしね。」


 「そう言う事だ。では、明日は頼む。あと、打ち合わせ場所も用意しておいてくれると助かる。」


 「任せて下さい、では、明日はよろしくお願いします。」




 翌朝、俺は、ルーチェに指定された部屋に向かうと、既に部屋には、座っているルーチェと俺と同じくらいの背丈の男性が二人、手を後ろ組にして、椅子の後ろ両脇に控えていた。


 「おはよう、レオ。後ろの二人が従士のトーマスとグレゴリオです。」


 「おはよう、ルーチェ。それにトーマスとグレゴリオ。今日はよろしく頼む。」


 「「よろしくお願いいたします。」」


 「では、ケイプクローラーの掃討について、説明を行う。ケイプクローラーは長ったらしいので、今回の依頼中は。クローラーで統一する。了解してくれ。」


 「わかった。そうしましょう。」


 「で、洞窟内のクローラーについては、今日の午後と明日の午前中に掃討を行う。その途中、原因究明出来れば、その間にそれを解消するかもだが、その場合都合3日付き合ってもらうことになる。覚悟をしといてくれ。その代わりと言っては何だが、従士の二人には、得られた魔石の買取価格の一割をそれぞれに与える。」


 「おい、一割だとよ。」


 「魔石を魔物から抜くだけで、一割もそれぞれに出してもらえるのですか?」


 トーマス達は一割の取り分に驚いて、そう声を上げた。


 「今回の掃討は、身体強化が使える時間に敵を倒し切れるかが、カギになる。なので、魔石採りを効率的に行ってもらうのも大事なんだよ。」


 「なるほど、頑張ります。」


 「それと、魔物の魔石剥ぎは、慣れてないだろうから、簡単に説明をする。今回の魔物はクローラー系なので、魔石の位置は、3対の足がある節の所だ。3対の足の間にナイフを入れ、取り出せば平気だ。それ以外の場所から、ナイフを入れると酸を浴びる可能性があるから、絶対にしないように。ナイフが使い物にならなくなるだけでなく、体も溶かされるからな。」


 「「はい、気を付けます。」」


 「それと地面に隠れている奴は、頭の蓋になっている部分の一文字に結んだ口に見える部分を刺して仕留めるから使い物にならなくなるが、頭の蓋の部分は3枚重ねると、軽くて丈夫な盾を作れる必要なら、剥いでおけ、頭と体の間の皮にナイフを入れ、回し切るようにして剝げば、酸を浴びることはない。くれぐれも乱暴に頭を落とし切るなよ。」


 「その盾はどれくらいの性能なのかな。」


 「身体強化された冒険者の斬撃でも軽く弾き返せる性能だそうだ。」


 「それはすごいですね。トーマス、グレゴリーなるべく多く確保したいですね。」


 俺の言葉を聞いた、ルーチェは、その性能を聞いてそう言った。


 「はい、頑張ります。」


 「で、それはそうと、その剥ぎ取り部位については、売ってくれるのでしょうね。」


 「その辺の取り決めをしていなかったな。魔石以外は領主の取り分で構わない。面倒なものも押し付けるかもしれないしな。」


 「面倒ですか?」


 「そこは安心してくれ、Cランク冒険者には過ぎたるものと言うことだ。」


 「よくわからないですが、内容的にレオが不利になる気がするのですがいいのです?」


 「構わん。というか、それで頼む。何なら、追加で依頼内容に明文化しとこうか。」


 「ちょっと待ってください。私の一存で、契約内容をかってにいじる訳には行きません。後で調整させて下さい。」


 流石に、ルーチェでは、領主との依頼の契約内容を勝手に手を加えるわけにはいかないか。


 「まぁ、いいだろう。それに俺の予想が外れる可能性もあるからな。その場合は、剥ぎ取り部位にいくらか色を付けてもらう必要もあるか。」


 「頼みます。そうして下さい。」


 ルーチェは、俺があっさり引き下がってくれたことに安堵しながら、そう言った。


 「あと、俺の身体強化が切れて、それでもクローラーが近づいて来た時は、すまないがルーチェに身体強化を使ってもらって仕留めてもらう。この樟煙玉と言うのを投げると、連中の動きが悪くなる。本来これは、ジャイアントビーの巣を除去するときに使う物道具屋で一般的に売られている物だが、クローラー等の虫型モンスターにもある程度効果がある。それを投げて弱ったところに、クローラーの目玉模様の所から、頭にめがけて剣を突き刺して欲しい。それで仕留められるはずだ。」


 俺は、あと万が一の場合に備えて、ルーチェにクローラーの倒し方を説明した。


 「その樟煙玉とやらを使うと、クローラーはどれくらい動きが悪くなるのです?」


 ルーチェは、実際の動きがどうなるか、そう訪ねて来たので説明をした。


 「おおよそ1/3以下の活動量になるらしい。」


 「なるほど、それなら、身体強化でこっちの速度も上がるから、仕留めるのも確かに楽になりますね。」


 「ああ、よほど油断をしなければ問題なく倒せるはずだ。」


 倒し方を聞いて、ルーチェも従士たちも思っていた以上に、危険がなさそうなことが分かり、安堵した表情を浮かべた。

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