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第2話 スキル習得と騎士


 リーンの町に戻り、冒険者ギルドで依頼の達成報告と魔石とくず鉄の換金を行うべく向かった。俺は、ギルドのカウンターで受付票と魔石、ゴブリンの使っていた武器を差し出した。

 受付に座っていたのは偶々だが、依頼を受諾したキャスパーだった。


 「依頼を完遂した。コロニーも潰してきたぞ。」


 「よく戻って来たな。レオ。」


 キャスパーはそう言って、受付票を受け取ると、受諾した依頼書を棚から取り出してきた。そして、魔石の数と重さを計量した。

 武器もそれぞれ、手に取って、確かめてから、重さを計量した。


 「武器は、みなくず鉄扱いだがこっちで処理して構わないか。」


 「ああ、構わない。お願いする。」


 「依頼料12,500シリング、魔石が500シリングが17個、一つだけ800シリングで9,300シリング。金属が8キロ、3,200シリング。合計、25,000シリング、そこからギルドの手数料2,500シリング引いて、22,500シリングだ。ソロだとこれ全部、独り占めか、やっぱり、実入りはいいな。で、どうする金貨分は銀貨で渡そうか?」


 「いや、スキルか魔法の習得で使うから金貨のままでいい。」


 「そうか。なら受けっとってくれ。」


 そう言うと、キャスパーは、金貨2枚、銀貨2枚、大銅貨5枚を渡してくれた。

 この国の通貨は、1シリング銭貨、10シリング銅貨1枚、100シリング大銅貨1枚、1,000シリング銀貨1枚、10,000シリング金貨1枚といった感じになっている。その上に1,000,000シリングで聖貨1枚、100,000,000シリングで艶貨1枚という単位もあるが、こちらは、市場でほぼ流通はしていない、貴族や大商人が扱う通貨だ。貨幣の価値的には、庶民なら銀貨5枚あれば、1か月暮らしていけるといったところである。

 俺は、後ろに他の冒険者が並んでいないのを確認すると、渡された金を仕舞ながら、キャスパーに話しかけた。


 「相談なんだが、少しいいか?」


 「ああ、手が空いてるから構わないぞ。」


 「次に、身体強化をスキルか魔法で習得しようと思うが、それぞれの違いがよくわからなくてな。」


 「身体強化か。魔力量に自信がなければ、スキルで習得だな。逆に魔力量に自信があれば魔法で、更に他に習得したいスキルや魔法がなければ両方といった感じか。それぞれの利点欠点は、スキルの身体強化は、魔力は使わないが大体1時間くらいしか継続しない。魔力は逆に魔力を消費するが、魔力を使っていればその間継続して使える。基本値は魔力消費5で10分くらいか。なので、後はお前さんの魔力量と魔力回復量と相談でどっちにするか決めるといい。」


 スキルと魔法は、この世界である程度の取得方法が確立していて、覚えることが可能になっている。中には、まだ先天的にしか習得できない物もあるが。そのスキルと魔法の習得数も人によって習得できる数が違い、その習得できる数は、本人にもわからないときている。

 冒険者として、順調に成長していても、ある日急にスキルや魔法がこれ以上習得できなくなり、成長が止まってしまうということも珍しくない。


 「成程、それとスキルと魔法に余裕があれば両方取得もありという事か。」


 「そういうことだ、但し、スキルと魔法で効果は一度に重複させられないらしいがな。」


 「そうなると、まずは、スキルで習得をするか。」


 「まぁ、ソロで活動するなら、魔法もそれなりに使うだろうからな。ただ、成長すれば魔法の容量も増える可能性がまだまだある。ゴブリンや切り裂き鼠程度なら、まだ身体強化を使わなくても問題ないだろ。次の冒険者ランクになるまで保留するのもいいかもしれんぞ。」


 「そうだが、一人での活動だ。安全マージンはなるべく取っておきたい。今回も危うくコロニーの主を逃がすところだったので、それを考えるとな。それに身体強化があれば、魔法を温存して、もっと楽に剣で立ち回れただろうしな。」


 「なるほどな、しかし、本当に一人でやって行くのか。慣れるまででもパーティーを組んだらどうだ?」


 「うーん、それも考えたが、一度慣れてしまうと、甘えになってしまう可能性もあるし、今回のような依頼一人でやればそれがそのまま自分の収入になるが、パーティーだと頭割りになるすると当然スキルや魔法習得にも影響が出てくる。それを考えたら難しいな。後、一番問題が、パーティーに入ると魔法偏重の構成になる。すると俺の役割では、声が掛からない。」


 「まぁ、確かに今のスキルや魔法がいくつ覚えられるかわからない現状だと、魔法使いが一番潰しがきくしな。初心者にしたら、遠距離から攻撃ができて、比較的安全だし、最低限の魔法が使えれば、職にあぶれる心配が少ない。すると攻撃職が魔法使い優先で組み立てられる。すると斥候職と盾役以外ほぼ不要となる。お前みたいに、前で剣を振り回しながら動かれちゃ、魔法の邪魔になるか。」


 「キャスパーも経験があるだろ?」


 「まぁ、ここでこんな仕事をしているんだ察してくれ。」


 「だな。相談に乗ってくれてありがとう。暫くスキル習得をするので、ここには来ないのでよろしくな。」


 「ああ、これからも頑張れよ。」


 そうして、ギルドを後にすると、俺は市場で買い物を済ませ、自分の家に帰った。自分の家に戻っても家族はもう居ない。両親も冒険者で、俺が12歳の時、依頼に出かけそれっきり戻ってこなかった。俺の両親はそれなりの腕利きで、かなりの貯えを残してくれていたのと、10歳位から、俺に、スキルや魔法を取得させてくれたり、有用なスキル、魔法についての知識なども教えてもらっていたため、親が居なくなってすぐ、12歳で冒険者ギルドで薬草採集などの依頼を熟すには困らない実力を持っていた。

 採集依頼の際には、ギルド貢献には加算されない切り裂き鼠や首切り兎などの魔物も遭遇したため、仕方なく倒したとして、かなりの数を倒して実戦経験を積んでいた。そんなわけで、装備に関しては、自分の金で用意し、スキルや魔法習得の為の費用も親が死んでからは自分で出していた。流石に食費と家に住むための市民税は親の残した金を使っていたが、それももうほとんど使い果たしてしまっていた。

 大分スキルや魔法を習得してきたが、さて、後どれぐらい習得できることやら、俺が上を目指すには、まだ取得したい。これからは、死活費も考えて、稼いだ金を使っていかないとか。




 次の日の朝早く、俺は、冒険者の出で立ちでなく、町人の格好でだ。

 俺は、魔法・スキル習得所という、大きな町に一つはある施設を訪ねた。ここは、様々な魔法やスキルの習得を行える施設である。

 今日から取得を目指す、身体強化スキルは、冒険者や兵士だけでなく、比較的裕福な樵、荷役等様々な職業でも習得するため、かなり人気なスキルだ。

 ただ、急激な身体能力の向上が起こることから、完全に使いこなすための習得期間が2週間とかかるのと、スキルスクロールとしては、人気の為、高額な費用が掛かる。

 費用は金貨4枚、およそ平民の8か月分の賃金と2週間の休業による収入の途絶、習得までのハードルは高いが、習得できれば1日1時間とはいえ、自分の能力が5倍から10倍に跳ね上がるのだから、戦闘時は勿論、物の運搬、力仕事にも重宝するため、費用が高くても回収見込みが高いので、人気が衰えることがないのだ。

 俺は、建物に入って正面にいくつかある受付を眺め、比較的回転の速そうな受付に並んだ。

 後は、並んだ列に変な客が居なければ、いいんだがと、いらぬ心配をいていたが、特に問題が起こることもなく、俺より前に並んでた両隣の人より、早く受付に辿り着いた。


 「こんにちは、ご担当させてもらいます、レニーと申します。本日は、よろしくお願いします。今日は、どのような魔法、技能をお求めでしょうか?」


 「今回は、身体強化のスキルを習得したいんだが、受けれるか。」


 「身体強化スキルですね。少々お待ちください。確認いたします。」


 レニーと名乗った受付嬢は、そう言うと後ろの書棚に向かいほぼ迷うことなく、一冊のファイルを抜き出して、中を確認しながら戻って来た。


 「お待たせしました。丁度明日から、新しい講座が始まります。空きに関しても幸いまだ、余裕があります。習得までにおよそ2週間、費用は、金貨4枚となりますがいかがなさいますか?」


 「では、それでお願いする。」


 明日から受けられるとは、丁度いいタイミングで来たものだ。しかも前日に関わらず空きがあるとは、運がいいようだ。俺は、すぐさまそう了承した。


 「では、こちらの用紙に記入をお願いします。代筆は必要でしょうか?」


 「いや、必要ない。」


 そう言って、用紙を受け取ると、必要事項を記入して、用紙を返却する。

 レニーは、用紙を受け取ると必要事項に漏れがないか確認し、金貨4枚を支払い、明日の部屋と開始時間等の説明を受けた後、受講票を受け取り養成所を後にした。




 翌朝、遅れないように早めに起床し、剣を帯びずに、鎧を着込まないが服装は、冒険者の恰好で養成所に向かった。

 俺は、余裕をもって出かけたこともあり、二番目だった。一番最初に来ていたのは、年齢、身形と体格から、騎士見習いか何かだろう。


 「見た感じ、冒険者かな?私は、騎士見習いのルーチェ・フィガスです。よろしく。」


 「ええ、冒険者をしています。レオと言います。よろしくお願いします。」


 「ああ、仕事じゃないから、普通にしゃべってくれて構わないですよ。私のイメージしてた冒険者と違って、時間を守るし、礼儀正しいね、レオは。」


 「冒険者が皆、ガサツで時間にルーズな訳ではないですよ。」


 「ははは、確かに上位ランク者は、その辺わきまえてますね。しかし、レオ、君は若く見えるけど、もうDランク位なのですか?」


 「いいえ、Eランクに成りたてのペーペーですよ。」


 「それで、もう身体強化を習得ですか。」


 「冒険者に詳しいのですね。俺は、剣で成り上がりたくて、魔法優位の今、剣でアタッカーをやるには、自分が主体になってパーティーを組まないと、パーティーにも入れません。でもパーティーリーダーという柄でもないので、ソロで身を立ててるので、何かあった時の安全マージンですよ。」


 「ガサツでルーズな冒険者が、従兄にいるのでね。しかし、レオは、いろいろ考えているのですね。」


 そんな会話をしていると、部屋は埋まり始め、時間になり講義が始まった。そして冒険者らしき4名が悪びれもせず遅れてやって来た。



 それからも、早く来てるルーチェと俺は、始まるまで雑談をする仲になり、スキルの実技訓練でも戦闘系はちょくちょく遅れてきている冒険者の4人と俺たちだけで、4人は仲間らしく連携を確認しながら動いてるため、邪魔にならないようルーチェと俺で組む形になっていた。

 労働系は、効率的身体強化の使い方を実践、指導をしてくれる感じだ。もっとも、戦闘系も労働系も最初は両方学び、最後の4日だけ分かれただけだ。これは、身体強化を使って喧嘩等を行う危険を労働者には教えるのと、戦闘職でも荷運びをする機会がないわけではないため、合同でみっちりやるというか、スキルを習得しても、慣れるまでは、満足に動けないため、一緒に面倒を見るというのが正しいところだろう。


 そして、俺は無事に身体強化のスキルを習得した。その後は、暫く常設の狩の依頼を行い、身体強化を問題なく行えるように万全を期すために費やした。急激な身体能力の上昇に慣れるまでは、時々首切り兎をオーバーキルして肉も皮もダメにしてしまったりはしたが、概ね順調にいったところだろう。

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