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第17話 再会

 しかし、周囲に異変は感じられない。

 アンも、周囲に魔力的影響がないか探ったが特に何も感じられなかった。魔法が発動したが、特に周囲に変化は感じられないとなると呪術的罠か何かでしょうか。わからないなら、仕方りませんね。先に進むこととしましょう。

 アンは、警戒している俺達に、こう告げ、先に進むよう命じた。


 「どうやら何か罠は作動したようです。とりあえず、注意してこの先も進みましょう。行きますわよ。」


 「すまない。こんな初歩的罠にかかって。」


 「まったく、面目ない。」


 それを聞き、俺とリサは、そう言って謝る。


 「過ぎたことは仕方ありません。あの場合、本当に襲い掛かって来て反応が遅れるのも危険でしたし、気にせずに進みましょう。」


 「うん。こっちも気付くの遅れた。」




 とりあえず、その後も問題なく進み、いよいよカミーラ達のいる階層に辿り着いた。

 パルは、カミーラ達と別れた場所を目指し、進んで行く。


 「この先の突当りで、別れた。もう少し先に罠があるので、そこは魔物も居ないはず。だからまだそこにいるはず。」


 「よし、その罠を見つけて解除したら、少し急ぎましょう。それと魔物を呼び込まないように、この先大声は厳禁ですよ。」


 アンの指示のもと、進んで行くと、罠があり、それを解除する。

 そして、その先に進んで行くと、奥から声が聞こえた。


 「誰?助けに来たの?」


 「ジェイミー!パル、助けに来た。」


 「パルなのね!よかった。カミーラの怪我が思ったより酷くて、熱にうなされているの。」


 「私は、暁の戦姫というパーティーでヒーラーをしているアンと申します。見せて貰えますか。」


 「お願いします。」


 アンは、カミーラに近づくといくつか魔法を行使する。リサも、布を濡らし体をきれいにし始めた。

 俺、少し離れた場所で念の為周囲を警戒する。

 もっとも、俺が近づいても役に立たないし、傷ついた体を男性に見せたくないだろうという考えもあり、ただ自発的に近づかなかっただけだが…。


 「これなら大丈夫ですよ。体を治そうとする力が働いて、そのため、体力が弱って熱に侵されているだけです。今治療魔法を唱えるので骨折や傷口が塞がれば、体力も回復して熱も朝待ってくるはずです。」


 「よかった。治るのですね。」


 「ええ、では、行きます。」


 アンは、そう言うと、カミーラの骨折した脚に手を当て、治癒魔法を使った。内出血によって青紫に腫れていた脚は、見る見る元の肌色を取り戻し、腫れてた足も元の状態に戻っていく。そして体中の切傷も、斬られた跡が残らず、嘘のように消えて行った。


 「まだ、暫くは、安静にしておいた方がいいでしょう。それとジェイミーさんでしたね。あなたも頑張りましたね。」


 アンは、カミーラの治療が終わると、そう言って、ジェイミーにも魔法を使った。

 ジェイミーの傷も見る見る癒えていく。


 「ありがとうございます。」


 「いえいえ、それとあなたも疲れたでしょう。少し休みなさい。」


 そう言って、マジックテントを背負い袋から取り出し展開させると、ジェイミーにスリープの魔法を使い、眠らせた。

 倒れこむジェイミーを、アンは抱え込むと、テントの中に連れて行く。


 「リサは、カミーラさんをお願いね。」


 「あいよ。」


 リサも、アンの指示を受けて、カミーラを抱えると、ゆっくりテントの中に連れて行った。

 パルも、心配なようでについて行ったので、俺はとりあえず、安全とはわかっていたが、することもないので、外で見張りをすることにした。 


 「外で待たせてしまいましたね。」


 「まぁ、中に入っても邪魔にしかなりませんし、構いませんよ。」


 「では、今日はもうこれ以上動けないでしょうから、リサと一緒に上の階層に上がるとこまで様子を見に行ってもらえますか?どんな罠が発動したかわからないので、本当は全員で行動したいのですが、現状では、そうもいきませんので、すみませんがお願いします。」


 「じゃぁ、行こうか。レオ君。」


 「わかりました。行ってきます。」


 そう言うと、俺とリサは、慎重に今来た道を戻って行く。道中は、特に変わった様子もなかったが、上の階層に繋がる場所に辿り着いた時、異変を感じた。

 リサが、坂道を登って、上の様子だけでも確認しようと足を踏み込もうとした時、足が見えない壁に当たったように見えた。


 「!なんだ。坂道の先に進めないぞ。」


 「本当ですか?」


 俺も、それを聞き、上に登ろうとするが同じく上ることはできなかった。


 「さっきは、問題なく降りてこれましたよね?なんで登れないのでしょう?」


 「まさか、さっき上でかかった罠とんでもなく厄介なものだったようだな。」


 「上に戻れない罠ですか?」


 「多分な。まぁ攻略できないようなダンジョンじゃないだけマシだが、とりあえず戻って今後のことを相談しよう。」


 

 俺達は、戻って偵察での出来事を報告した。


 「はぁ、それが事実なら、ダンジョンを攻略して外に出るしかありませんね。とりあえず、カミーラさん達が起きたら、状況を説明しましょう。」


 「まぁ、カーミラ達はもともとここの攻略が目的で潜ってるんだ。文句はないだろう。」


 「だろうね。ただ、こっちは救助が目的で来た訳で、攻略の手伝いは、完全にただ働きになるけどな。」


 「そうですけど、そうなったのは、リサとレオさんが原因なのだから、仕方ないでしょ。」


 「そう言われると、反論できないし。」


 「ああ、すまなかった。」


 その後、食事をした後、女性陣が交代でカミーラ達の面倒を見ることにし、俺達も睡眠を取った。




 翌朝、俺は、交代で面倒を見ていた女性陣に代わって朝食の準備をしていると、アンが目覚めて、天幕から出てきた。


 「あら、朝食の準備をして頂いているの?ありがとうね。」


 「まぁ、ダンジョン内だからスープを作るくらいしか手間が掛かることはしてないがな。で、カミーラ達は、起きたか?」


 「いえ、怪我をしてから、二人で一週間近くダンジョン内に居たのですから、疲れているのでしょうね。まだ起きませんわ。」


 「そうか。でも、二人とも無事でよかったよ。」


 食事を用意しながら、そんな話をしていると、リサが天幕から出て来てこう言ってきた。


 「アン、そこにいたか。カミーラが目を覚ました。一応様子を見てくれ。」


 「わかりました。今行きます。では、レオさん、失礼します。」


 そう言って、アンは、リサとともに天幕に消えて行った。




 そして、食事の準備が終わるころ、俺も、リサに呼ばれて天幕に向かった。

 どうやら、ジェイミーも起きた目を覚ましたらしい。


 「失礼する。」


 俺は、天幕の中にそう言って入ると、ジェイミーと目が合った。


 「あ、レオ。あなたも来てくれたのね。ありがとう。助けに来てくれて。」


 そう言って、レオに抱き着く。

 レオは、同世代の女性とのスキンシップに慣れていないレオは思わず赤面し硬直する。


 「ジェイミー、レオ固まってる。」


 パルは、硬直しているレオを見て、ジェイミーに伝える。


 「ご、ごめんなさい。」


 そう言って、ジェイミーは離れる。


 「あら、それだけ動けるなら、もう大丈夫なようね。ジェイミーさん。」


 「うう。」


 「それでは、皆様揃ったようなので、改めて自己紹介と、現状と今後の方策について話し合いたいのですがいいでしょうか。まずは私から、Bランク冒険者パーティー暁の戦姫でヒーラーを務めているアンと申します。」


 アンは、そう言って自己紹介をする。

 他の者もそれに倣って自己紹介を終えると、現状、ダンジョンの罠にかかってしまい、このまま戻ることは敵わず。今考えらる方法が、ダンジョンのボスを倒し、脱出するしか方法がないことを伝え、カミーラ達に了承を取るべく尋ねることにした。

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