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第14話 街の中

 あれから、3か月程が過ぎた。かなりの大金を手に入れたので、魔法・スキル習得所技能習得をし、その慣らしの為、2、3回依頼を受けるのルーティンで仕事を行っていた。

 幸いまだ、スキルや魔法の習得上限には達しておらず、次のランクを狙える技能構成に近づいていた。

 まぁ、もっとも実績がまだまだ足りないので、実績も積み上げなければならないのだが、Cランクの依頼で中々ソロ案件と言う物もあまりなく、常設依頼や自分で何とか達成できそうな依頼を受けるしかなく、実績を大きく積み増せる依頼は受けれないためだ。

 まぁ、Cランクに成ったばかりで、Bランクなんてまだ先だから、実績もなにもないけどな。


 ギルドで掲示板を眺め、特に受けれそうな依頼もなかったため、受付に居たキャスパーに手だけ降って、ギルドを出る。

 今日も常設依頼で、スキルを慣らすか。

 そんなことを考えていると、ギルドの外で、カミーラ達に出会った。


 「よお、レオ久しぶりだな。」


 「レオ君、おひさしーです。」


 「やぁ、そっちは、順調か?こっちはいい依頼がないので、常設依頼を森に行ってこなすとこだ。」


 「あれから、前にパーティーで一緒だった。斥候役が、また一緒になってくれるのが決まってな。紹介するよ。ジェイミーの後ろに隠れてるのが、パルっていう猫族の獣人だ。」


 「どうも、パルです。よろしくです。」


 「ああ、レオだよろしく。」


 「それでレオ、常設依頼をする予定だけなら、予定を変更してちょっと時間を貰えないか。」


 「ダンジョンの話なら、何度話されても同じだぞ。」


 「そのことではあるが、ちょっと違うんだ。いいかな?」


 「わかった。じゃぁ、知人に紹介された食堂があるから、そこで話をしようか。」


 「そうね。ギルドの中じゃ、話ずらいし、そこで構わないよ。」


 俺は、ルーチェに連れられて行った飯屋に、カミーラ達を案内した。

 店に入ると、朝の仕事始めの時間を過ぎていることもあり、人は居なかったので、奥の空いてるテーブルに座り、カミーラ達に食事を摂れるか聞いて、大丈夫とのことだったので、店の親父に、麦粥定食を人数分頼んだ。

 親父は、手早く麦粥定食を人数分テーブルに運ぶと、店の奥に下がっていった。


 ジェイミーは、麦粥を一匙持ち上げ、息を吹きかけて冷ましてから、口に運ぶとこう言ってきた。


 「あ、これ、レオが村で作った麦粥に似てるわね。ここの店のを真似たんだ。」


 「ああ、そうだ。どっちがうまかった?」


 「うーん、流石にこっちの方が味はいいわね。」


 「そうか。結構上手く作ったつもりだったが、まだまだ精進しないとだな。」


 「あー、すまんが、そう言う話は、本題が終わってからしてもらっていいか、二人とも。」


 カミーラは、楽し気に話していた俺とジェイミーに、そう断りを入れて、本題に入ろうとした。


 「ああ、すまん。」


 「ごめんなさい。」


 俺とジェイミーは、勝手に話をして盛り上がってしまったのを反省して、そう素直に謝った。


 「じゃぁ、折角だから冷めないうちに食べながら話そうか。」


 「うん、うまい。カミーラに話は任せる。」


 運ばれてきてから、食事から目を離さず食べているパルは、そう言って話に入るつもりもなくそう言って、カミーラに任せた。

 カミーラも分かってるとばかりに返事をして、俺に話をしてきた。


 「あいよ。レオは、この街の生まれだよな。」


 「そうだが?」


 「それなら、この街の冒険者もある程度知ってるよな。」


 「ああ、上の方の連中や、跳ねっ返り連中の話なら知っている。」


 「なら、黒翼の剣という連中の評判は聞いてないか?」


 俺は、記憶をだ取ってみたが、生憎聞いたこともないパーティー名だった。この街の連中じゃないのかもなとも思いつつ、断定もできないので、知らない旨を伝えるだけのつもりで、こう答えた。


 「黒翼の剣?聞かないな。」


 「実は、ダンジョン攻略のメンバーを募集したところ、手を上げてきた奴らでな。出来れば女性メンバー中心のパーティーが良かったんだが、そいつらは男だけの4人組だったんだ。それを理由に断るのも悪いから、数回パーティーを組んで依頼を受けてみたんだ。」


 「なるほど、まぁ女性の冒険者自体少ないからな。募集で女性冒険者限定としたら、応募自体絶望的か。」 


 「まぁな。それで、黒翼の剣の実力自体はまぁ、Cランクに成っている時点で問題ないし、私らとの連携も大丈夫そうだったので、後は人格的なところを聞き取れればと、レオを誘って聞こうと思ったわけだ。だが、レオも知らないか。無駄足を取らせてしまったな。」


 「まぁ、俺は知らなかったが、知ってそうな奴から聞き出そうか?」


 「知り合いの情報やか何かか?」


 「いや、ギルド職員だ。」


 「ギルド職員が情報を漏らしたらまずいんじゃ?」


 「そうよ、レオ。ギルド職員には仕事上知り得た秘密はしゃべっちゃいけない規則になってるのよ。」


 「いや、ギルドでの言動や為人を聞くだけで、それ以上は聞かないさ。まぁ、向こうも話さないだろうけどな。」


 「それ位なら、問題ないのか、な?」


 「噂話程度、問題ない。」


 パルと言う獣人は、相変わらず食事に集中しているかのように食べながら、そう言ってきた。ほう、熱心に食べているが話は聞いていたのか。


 「あら、パルちゃんと聞いていたのね。」


 ジェイミーも、驚いたようにそう口にした。


 「勿論。仲間だし。」


 「なら、問題にならない範囲で聞いてくれるか?あたしらが聞きまわってるとわかったら、向こうもいい顔しないだろうしな。」


 「そうだな、それじゃ聞いとくよ。」


 「何かわかったら、紅葉の湖畔亭という宿屋にいるから、連絡をくれ。」


 それから俺達は、お互いの近況等を話し合いつつ、時間をつぶして別れた。




 それから、俺はギルドに戻り、キャスパーと雑談を交えながら、黒翼の剣について聞き取りをした。

 わかったことは、2年ほど前に、ここリーンの町にやって来た冒険者らしいことと、来た当初は問題行動もあったが、その当時のリーダーらがパーティーを離れてからは落ち着いているとのことだった。ギルドの依頼も豆に達成させているようで、よく見かける連中だという事だった。

 まぁ、多少問題点もあったが、今は落ち着いているようだということが分かったので、カミーラ達に、判断材料の一つとして、そのことを伝えた。



 それから、暫くして、またカミーラ達から、呼び出しがあった。


 「すまないな。また話を持ち掛けて。」


 「構わないさ。今日はどんな用だ。」


 「実は、今度黒翼の剣の連中とダンジョン攻略をすることを決めてな。」


 「そうか、頑張れよ。」


 「ありがとう。それで万一の時、レオとの依頼で結構な稼ぎが出来ちまったろ。それで、もし私らに何かあった時、その金をここから王都に向かう途中にあるダーナの街にあるアルス教の孤児院に半分を寄付して欲しいのと、残りを同じくその町の鍛冶屋『鉄血救命』の親方に届けて欲しい。報酬は、金には困ってなさそうだし、この護符でどうだろう。」


 そう言って、1枚の護符を差し出した。


 「これは?」


 「防刃の護符だ。その名のとおり、剣などの武器に対して防御効果がある。といってもこの護符を貼り付けた鎧が多少丈夫に感じる程度だがな。」


 「いいのか?これからダンジョンに潜るのに、そんなものを俺に渡して?」


 「ああ、私らはもう使ってあるからな。それは余ったやつだ。それに、私らが無事に戻って来てもそれは返す必要なない。貰ってくれ。」


 「わかった。だた、これは預かるだけだ。お前らが戻って来てから、処遇を決めよう。」


 「まぁ、いいだろう。受けてくれるということでいいのだな。」


 「ああ。」


 「では、ギルドで預入金の手続きをしよう。」


 ギルドに預けた金銭は、本人が死亡若しくは所在不明で死亡扱いになった場合、パーティーメンバーが受け取るか、街で代理人を定め、その人物が受け取ることができる制度がある。それを利用して、俺がカミーラ達に何かあった場合の預入金の受け取り人になる手続きを行うために、カミーラ達と俺は、ギルドに向かい手続きを行った。

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