兄妹
私は、いつかあの子達を助けることができるのでしょうか?
二人の兄妹は、手を繋いで歩いていました。
歩いても、歩いても家に辿り着きません。まだ幼い妹は疲れてしまい、泣き出して歩こうとしませんでした。表情を変えないお兄さんは、妹の前にしゃがむと、背中におんぶしてあげます。
泣きながらも、お兄さんの背中にしがみつきます。
妹が落ちないように、ゆっくりと立ち上がり夕暮れの道を歩きはじめます。背中にしがみついている妹は、まだ泣いたまま。しかし、お兄さんは泣いている妹に声を掛けませんでした。
静かに、ゆっくりと歩いていきます。妹は泣き続けていますが、暴れることはありませんでした。
お兄さんの歩く速度がゆっくり、ゆっくりと落ちていきます。呼吸が乱れ、意識が朦朧としていました。妹は泣きながら、お兄さんの背中を見つめています。
お兄さんの背中は大きく見えて、真っ赤に染まっています。妹が泣いても、お兄さんを呼んでも返事をしてくれません。そんな時、お兄さんは歩くのをやめました。
お兄さんの目の前には、お兄さんが妹を守るように抱きしめて倒れていました。
それを見つけた、お兄さん。
また、初めの場所から妹と手を繋いで歩きはじめました。
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