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祝勝パーティー【3】

翌朝、迎えの馬車がやってき、兵士の案内の元私達は再び宮殿を訪れた。


大広間に通されると、中は既に高官や、権力者達が賑わっていた。


私は内心このような大人たちの政治の場には辟易しているのだが、どうやら横の二人も顔を見るに、同じ意見らしい。


「おぉ、勇者殿、それにレオ殿とイブ嬢! 」

私達に気づいた、ゴルゴンが私達を呼ぶと一斉に会場の視線が私達に集まった。

ゴルゴンが手を招くと、群衆が割れ、道が出来た。

好奇の視線を浴びながら、ゴルゴンの待つ壇上に上がった。


「皆の者、我が国の危機を救ってくれた3人の英雄を紹介しよう!

こちらがあの勇者一行。勇者ユウマ殿に、レオ殿、イブ嬢である! 」

会場は拍手であふれた。


「エルカサ国は我が国との盟約を守り、同盟国防衛のために遺憾なく力を発揮してくれた。

その功績を今ここに称え、勲章を授ける。

ユウマ、レオ、イブ……我が国を救った3人の英雄に再び盛大な拍手を! 」


私達は拍手に包まれながら、壇上を下りると、政治屋の格好の標的となり様々な人々に囲まれた。

隅の方にいる軍事官僚達は面白くないと言った顔をしていた。


自分たちの……というよりも、自分という存在が国家間に与えるパワーバランスの傾倒は想像に難くない。

話す者皆、自国に引き込めないかという欲望が丸出しである。


私と言うイレギュラーな存在は人間間の争いにおいては、大きな抑止力となる以上に、恐怖の対象になり得るだろう。

魔人からの解放という意味での希望と力による支配という恐怖の表裏一体の危険性を孕んでいる。


「やっぱりお前の力は危険かもしれないな。」

帰りの車中でレオが言った。

「きっと国王はこうなることわかってて、俺達を派遣しただろ……

そういうことを平然とやってのける人間は危険じゃねーか? 」


「あぁ、乗せられてしまった自分にも嫌気が差すよ。

自分の未熟さを悔いるって、こういう時に言うのだろうな」


「ユウマは悪くないよ。皆救おうとした結果だもん」

イブの慰めの言葉で少し気が楽になった気がした。


だがしかし、実際問題あまり勝ちすぎるのは良くないのかもしれない。

人間がいくら犠牲になろうが、周囲の人間さえ無事であれば関係ないことなのだから。


それに、私が例え魔人を御したところで、人間同士が争うのならば犠牲になる人々は必ず居る。

両親や妹、友人の命さえ守れればそれでいい。

力を見せつけるような行動をすると、返って争いを生む結果になるだろう。


「もう、二人とも辛気臭い顔はやめよ?

帰って美味しいもの食べようよ」

明るく振る舞う彼女に、私達二人は笑って応えた。




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