北部国境門【3】
作戦は1時間後に設定され、あわただしく兵士達が駆け回る。
新兵を叱咤する声がちらほらと聞こえている。
初めての実践経験なのだろう。初々しい兵士達の表情が強張っている。
その光景を横目に私達の作戦会議が始まった。
「おいおい!いくらお前が強くてもあれは無謀なんじゃないの?
俺らもこんな本格的な戦争は経験0だぞ? 」
目線の先の兵士が自分と重なるのだろう。
「ビビってんのか? 」
「ビビってねーって!ただ、無謀すぎやしないかって思っただけだよ!
それに、イブだってそう思うだろ? 」
「怖くない……ことは無いけど、無謀な作戦をユウマが立案するとも思えない……」
「もっと安全な方法もないこともないけど、俺達には実績が必要だからね。
それに二人にもこういう戦いは慣れといてもらいたいし」
「あー! もう、わかったよ!
何か考えがあるんだろ?聞かせろよ」
顔を見るかぎり覚悟……ではなく不安と諦めだろう。
私は二人に作戦の説明をした。
「かなり命がけの作戦だね」
「厳しいことを言うようだけど、ここで生き残れない奴は要らない。
無理に付き合う必要はないよ。
これから冒険するにあたり、二人はどんな状況でも自分で生き残る道を作らなくちゃいけない。
その力が無いならどの道近いうちに死ぬことになるよ。
俺は二人を失いたくないけど、守り切れるとは言えないからね」
暫し沈黙が流れた。
二人には酷なようだが事実である。
実際二人はこのような規模の戦いでは足手まといでしかないのだから。
「やるよ。渋るお前に付いてきた来たのは俺達だし」
「うん、私もやるよ」
二人の覚悟は決まったようだ。
私は旅立つ前日のことを思い出した。




