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大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
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ビオーラ

次の日、ビオーラの住み部屋を訪れた。

コンコン

ノックするが返事がない。留守かな?

コンコン

もう1回ノックする。

「ふぁ、は、はーい。」

お、いた。扉が開いて出迎えてくれたのは眠気眼のビオーラだった。

「あら、ハリムさん。」

「ごめん。寝てた?」

「はい。仕事が終わるのが遅かったもので。」

「そうか、ごめんね。出直そうか?」

「いいですよ。入ってください。お茶入れます。」

ビオーラはそう言ったあとお茶の用意をしてくれるが、眠たいのかフラフラだ。私は用意してくれているビオーラを後ろから抱き締める。

「あら、もう、ふふふ。」

「私が用意するからビオーラは寝てな。」

「では、一緒に寝ましょ。」

「いいよ。ベッドに行こう。」

「その…いいですよ。」

「え?いいの?」

「はい。眠たいときって気持ちいいじゃないですか。」

そうかな?うん、そうかも。

私はお姫様抱っこでビオーラをベッドまで運び、しっぽりしたあと眠たそうなビオーラを寝かし付けたのであった。


「おはようございます。」

「ああ、おはよ。」

裸で眠るビオーラの頭を撫でていると昼前にビオーラが目を覚ました。

「あの…いいですよ。」

「え?いいの?」

「はい。寝起きって気持ちいいじゃないですか。」

そうかな?うん、そうかも。なんかこれに似たやり取りあったなぁと思いながらしっぽりしたのであった。


「それで?今日はどうしたんですか?」

「ああ、ビオーラに話があってね。」

二人で服をきたあと、近くのカフェに来て遅い昼食を取る。

「なんですか?もう危ない目に合っていませんよ?」

「いや、そうじゃなくてさ。」

「では、なんですかね?」

「ビオーラ。」

「はい?」

「結婚しよう。」

「は?え?け、結婚ですか?」

「ああ。」

「私と?」

「ああ。」

「ハリムさん、他にも恋人いるんじゃないですか?いいんですか?」

「ああ、みんな纏めて幸せにすることにしたんだ。サラとも婚約したよ。」

「そうですか…」

「いやか?」

「いや…ではないんですよ。嬉しいです。私のこと真剣に考えてくれてるんですね。」

「当たり前じゃないか。」

ビオーラは何か考えている。私、振られるのか?

「ハリムさん。」

「なんだい?」

「結婚したら何処に住むんですか?」

「ああ、『迷いの古城』で一緒に暮らしたいと思っているよ。」

「そうですか…」

「『迷いの古城』で住むのがイヤ?」

「いえいえ、『蕀の魔女』さんにも会ってみたいですよ。」

「では、どうして?」

「あの…なんて言いますか。私って一応芸術家じゃないですか。」

「ああ、そうだね。」

「芸術ってより多くの人の目に触れて、耳で聞かれて育っていくと思うんですよ。」

「ああ、そうかもね。」

「だから私、子供が生まれるまでは旅の吟遊詩人を続けたいんです。」

なるほど。アンナが仕事、仕事って言ってたのに似てるな。

「だから、ハリムさん。子供が出来るまで私にところに通ってください。子供が出来たらお嫁に行きます。」

「ははは。ああ、構わないよ。」

「どうして笑うんですか。」

「ああ、だってビオーラらしいなって思ってさ。それに…」

「それに?」

「振られるかもって思ったから、安心したんだ。」

「もう。振るわけないじゃないですか。私がどれだけハリムさんを愛してるか知っているでしょ?」

「ああ、知ってる。ビオーラ、左手出して。」

「はい。」

テーブルの上に置かれたビオーラの左手の薬指からこの前渡した指輪をはずし、人差し指にはめ直す。そして、薬指には今回私がビオーラのために作った指輪をはめた。

「まあ、綺麗。ありがとうございます。」

「私作った婚約指輪だ。これでビオーラは私のものだよ。」

「ふふふ。私はハリムさんに出会ったときからハリムさんのものですよ。」

テーブルの上で手を握り合ったまま、長い時間見つめ合ったのであった。


『月夜亭』に戻るとアンナの用意はすでに終わっていた。

「あれ?ビオーラさんは?」

「ビオーラは子供が出来まで、旅の吟遊詩人を続けたいんだって。」

「ふーん。そっか。会いたかったな。」

「うらやましい?」

「ううん。もう、大丈夫。古城に行ってもバリバリ働くわよ。」

「お腹の子のこともあるから程々にな。」

うん。私が気を付けないとな。

「では、イザベラ。たまにアンナ連れて顔を見せるから。」

「はーい。子供、楽しみにしてるわよ。」

イザベラに挨拶し、帝国に戻ったのであった。


「何ここ?こんなところで泊まってたの?」

「ああ、帝国に滞在する時に使う宿さ。ホテルって言うんだ。」

「はぁ。うちの宿もシャワラムじゃ大きいけど、ここだと霞むわね。」

「ご飯の美味しさなら、『月夜亭』が上さ。行こう。」

アンナを連れてホテルに入る。


「アンナさんも古城に来ることになったんだね。」

「うん、サラちゃん。これからもよろしくね。マリアムさんも。」

「うむ。会うのは40年ぶりくらいか?よろしく頼むぞ。」

アンナとサラとマリアムが挨拶している。アンナはここにいる全員と面識あるな。

「マリアム、見た目じゃ分かりにくいけど、アンナのお腹には子供がいるから無茶するなよ。」

「なんと。それは目出度いな。今夜は宴じゃな。」

「ああ、古城に帰って宴会やろう。」

「子供…あたしもそのうち出来るのかな…」

出来るだろうな。なんとなくだけど、ハーフエルフ同士より人族との方が出来やすい気がするからな。

「サラ、帝国はどうだった?」

「うん。凄いね。大きな建物や、見たことない物がいっぱい。」

「マリアムは暴れなかった?」

「うん。大人しくしてたよ。」

「わらわをなんだと思っとるのじゃ。」

ドラゴンだろうよ。しかも飛びっきり強い。

「では、古城に帰ろうか。」

ホテルをチェックアウトし、古城に帰ったのであった。


「アンナー!」

「ミザリ!ストップ!」

古城に着いた瞬間、ミザリがアンナにダイブしそうになったので、なんとか空中でキャッチした。はぁ、危なかった。予想していて良かった。

「ハリム様?おかえりなのです。なんでダメなのですか?ミザリ、アンナ抱き付きたいです。」

「アンナのお腹に子供がいるの。ミザリの勢いで抱きついたら大変なことなる。」

「ほぇー。子供ですか。凄いです。羨ましいです。アンナ、おめでとうなのです。」

「ミザリちゃん、ありがと。」

よしよし、みんな集まってきてるな。

「よし、今夜は宴会だー。」

「「おー!」」

「よーし、早速、料理するわよ。調理場はどこ?」

「アンナさん、こっちです。私も手伝います。」

「アンナ、無理するなよ。」

「分かってるわ。」

ナタリアに連れられてアンナが調理場の方に消えた。今日の主役なのにな。まあ、言っても聞かないだろうけど。

一刻後、食堂で宴会が始まり、アンナをみんなに紹介したのであった。


「ナタリア、出産のこと分かる?」

「立ち会ったことありませんが、知識はあります。」

「シャーロット、出産に詳しい吸血鬼っている?」

「ええ、シンディはわたくしも取り上げております。大丈夫ですわよ。」

なんとかなりそうか?最悪、帝国から産婆でも拉致って来ようかと思っていたが。

「シンディ、よろしく頼むよ。これからもあると思うからナタリアにも教えてやってくれ。」

「はっ、承知しました。」

うん、無事に生まれてくれたらいいな。

なんか忘れてるなぁって思ったらアンナ視点でした。書いてみたけど、良くなかったのでボツにしました。アンナ、特徴ないのかな…

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