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大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
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三重奏 2

サラ視点。

「ちょっとクリミドの冒険者ギルドに寄っていい?」

武器屋からクリミドのギルドまではすぐそこだからついでに寄りたいな。

「クリミドの冒険者ギルド?」

「今行ったところとは違うのですか?」

ジークもルーチェも知らないみたいだ。

「クリミドにはね、帝国ギルドって呼ばれてる冒険者ギルドとクリミドのギルドっていう2つがあるんだよ。」

「あ、なんか聞いたことあるかも。」

「知りませんでした。」

うむ。なんかお姉さんになった気分。

「あたしは今まではクリミドのギルドを中心に活動してたからさ、ちょっとそっちの知り合いに挨拶したくてさ。」

「そういえばシャワラムに来たいって仰ったのはそれが目的でしたよね。」

ルーチェ覚えててくれたみたい。

「そうそう。お昼もそこで食べよ。けっこう美味しいんだよ。」

「あ、そういえばお腹空いたな。」

「私もペコペコです。」

そう言えば二人お金持ってるのかな?

「二人ともお金持ってる?」

「持ってないや。」

「私も持っません。」

げ、ハリムに貰ったお金全部武器屋で使っちゃったんだよね。まぁあたしのお金で出せばいいか。あとでハリムがフェンリルのお金くれるって言ってたし。

「あたしが奢るよ。行こう行こう。」

クリミドのギルドに向かった。


「サラっ、無事だったのかっ、良かったっ。」

クリミドのギルドに入った瞬間、待ち合い場所からアレンの声が聞こえた。フロルとカルル、あとアルセンさんに『白薔薇』のみんなもいる。良かった無事みたい。アレンとフロルとカルルが私のところに来てくれた。

「あたしは大丈夫だよ。アレンたち無事で良かった…心配したんだよ。『白薔薇』さんたちも無事で良かった。」

『白薔薇』さんたちの方を見ながら言うとみんな会釈してくれた。

「あのあと気付いたらアルセンさんとサラ以外みんなここで倒れれててさ、ギルドの職員たちが回復魔法使える人をかき集めてくれたんだ。」

フロルが説明してくれた。急に怪我人がいっぱい現れたらびっくりするよね。ここはパニックだったんだろうなぁ。

「アルセンさんから聞いたんだけど、サラお前、ハリムさんと…」

「うん。あたし、ハリムのものになっちゃった。ごめんね。」

アレン、ごめんね。でもここははっきりさせておかないとね。

「そか…あの白いウルフ、フェンリルだったんだってな。それをサラを守って倒してくれたんだろ。敵わないな。」

「うん。すごくかっこ良かったの。」

「いつかオレも強くなってサラを見返してやるからな。」

「うん。頑張って強くなってね。」

分かってもらえたみたいで良かった…

「やぁ、サラくん。この前はどうも。」

アルセンさんが話し掛けてきてくれた。

「アルセンさん、あのときいろいろ押し付けちゃってごめんなさい。」

町長さんの前にポンだもんね。

「いいよいいよ。ハリム様の恋路は邪魔出来ないさ。」

「ハリムのこと、ファンだって言ってたもんね。」

「ははは、ハリム様は俺の、いや、全ハーフエルフの憧れの存在なんだ。あの強さ、女性を口説くテクニック…他の追随を許さないよね。」

ははは、ハーフエルフって変だね。

「そ、そうなんだね。」

「あ、これ、この前の依頼の達成報酬だ。サラくんの分。」

「え、あたし帝国ギルドで依頼受けたんだよ?」

そう言えば帝国ギルドで何も言われなかったな。アーノルドが受け取ったのかな?あたしも分けてほしいなぁ。

「受けたのは君ではないだろ?君はあの戦いで1番の討伐数だったんだ。こっちでも受け取る権利はあるさ。」

「そうかな。じゃあ有り難く貰うね。」

臨時収入助かるぅ。あたしはアルセンさんからお金の入った袋を受け取る。ずっしり重い。けっこうあるんじゃない?  

「サラくんはこれから依頼?その二人と?」

「うん。帝国ギルドの依頼だよ。シャワラムを出てすぐの北の海岸の調査だった。確か。」

「北の海岸か…最近クラーケンを見掛けるらしいから気をつけなよ。」

「あ、うん。そのクラーケンの討伐。」

「「え!?」」

まぁそういう反応になるよね。

「あれは帝国ギルドでもB級以上推奨ではなかったか?」

「うん。そんなこと言ってた。でもこの二人が強いので受けれたんだ。この二人、ハリムの弟子なんだよ?」

「この二人が?確かに普通の子供には見えないがクラーケンと戦えるのか?」

今まであたしたちが話すのを黙って聞いていた、ジークとルーチェに視線が集まる。

「ん?僕?クラーケンって戦ったことないか知らない。ルーチェは?」

「私も見たこともないですね。」

「ところでルーチェってどれくらい強いの?」

「どれくらいと言われても困りますね。ハイエルフの森では強い方でしたよ?」

二人とも初対面みたいなもんだもんね。

「パーティーメンバーの強さが分からないのはよくないな。どうだ?裏の練習場で模擬戦やるかい?」

アルセンさんが言ってくれる。練習場…前はアレンたちとよく使ったな。

「お、面白そう。母ちゃんと以外は久しぶりだ。」

「ふふふ。いいですね。やりましょう。」

二人はノリノリになってきた。さすがバトルジャンキー。

「では、練習場に行こうか。」

アルセンさんに付いて練習場に移動する。アレンたちや『白薔薇』さんたちも付いてきた。


練習場に到着した。ジークは木剣を選んでいる。ルーチェはすでにさっき買ったショートボウに先を潰した矢をセットして練習場の中央に立っている。小さいのに風格あるなぁ。あたしは練習場の端でアルセンさんの右隣に立った。アレンがあたしの右隣に立っている。

「ルーチェ、お待たせ。」

ジーク2本の木剣を両手に持ってルーチェに相対する。二人はどれくらい強いんだろう?

「ルーチェにはまだ教えてないから魔力循環法は使わないでおくよ。」

「ええ、私も魔法はなしにしますね。」

なんか二人の間に火花が見える?

「では、いいかな?はじめっ。」

アルセンさんが言った瞬間だった。

「「え!?」」

みんな驚いた。だってジークが消えたんだもん。と思ったらルーチェも消えた。

シュパンシュパン、ヒュンヒュン

音だけが聞こえてくる。あ、練習場の壁に矢が突き刺さってる。

「ねぇ、アレン。見える?」

アレンに聞くと静かに首をを横に振ってる。アレンには見えないよね。だって、あたしより弱いもん。

「ここまでとは…あの歳ですでに俺レベルだと…」

アルセンさんの呟きが聞こえる。あの二人、もう赤級レベルなんだ…

すぐに戦いの決着が着いた。片膝を付いたルーチェの首にジークが木剣を突き付けて止まったんだ。

「そこまでっ。」

アルセンさんは試合を止めた。

「負けました。悔しいです。」

「いや、ルーチェ、強かったよ。魔法があったら危なかったかも。どうですか?僕たち。クラーケンに勝てそうですか?」

ジークがアルセンさんに問う。

「あ、うん。大丈夫じゃないかなぁ。」

やった。赤級冒険者からのお墨付きだっ。

このあと、アルセンさんに奢ってもらって、待ち合い場所でみんなでお昼を楽しく食べたんだ。

三重奏、3話くらいで終わるつもりだったんですが、この調子だと10話以上掛かるかもです。


強さ比較ですが、エマとクリスはアルセンより強いです。冒険者辞めたあと、ハリムにいろいろ教えられましたから。ルーチェはマーベラスボアに苦戦してましたが、あれは美味しいお肉のために土魔法で攻撃しなかったからです。使えば余裕で倒せてました。ジークはマーベラスボアを瞬殺出来ます。

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