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大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
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謝罪

ライラと愛し合ったあと、大宴会が行われている領主館前の広場に顔を出し、また部屋に戻って愛し合った。

明るくなったのでミシビリアンの冒険者が集まっているところへ二人で行く。さすがに疲れたのか、みなぐったりしていた。何人かは間に合わず死んでしまったしな。

「本当に一緒にミシビリアンに戻らないのか?」

「ああ、あたいはこの隊の隊長だかんな。ここでもうちょっと事後処理を手伝ってから、隊を率いてゆっくりと帰るよ。」

「そうだな。さすがにライラには仕事放り出して私に付いてこいとは言えないな。」

「ああ、あたいはあたいを生み育ててくれたこの国を愛してるかんな。ハリムはいつまでミシビリアンに?」

「ドラゴンの件がどうなるか次第だけど、たぶん明日にはいないと思う。」

「そっか…でもまた会いに来てくれるんだろ?」

「当たり前だ。」

ライラと包容を交わす。

「あ、そうだ。これ、ライラに。」

私はライラにフェンリルのナイフを渡す。

「な、なんだよ、この高そうなナイフは。」

「これはこの前クリミドで出たフェンリルから作ったナイフなんだ。」

「な、フェンリル!?伝説の神獣じゃねぇか。クリミド大丈夫だったのか?」

「私がさくっと倒したから大丈夫だ。」

「さくっておま…やっぱハリムはすげぇんだな。」

「ああ、すごいぞ。夜の方もな。」

「そそそれはもう散々味わったよっ。もう。大切にするよ。ありがと。」

ライラは頬を赤らめて上目遣いでお礼を言った。この顔はすごい破壊力だ。私にとってはフェンリルより敵わないな。

「あの、ハリムさん。」

バカなことを考えていると、ひとりの男が遠慮気味に話し掛けてきた。彼は確かライラのパーティーメンバーのカシム。

「なんだい?」

「ハリムさんに助けて貰った女たちがハリムさんにひとことお礼言いたいそうなんですけど、いいですか?」

「ああ、構わないよ。」

私はライラから少し離れる。すると冒険者の女性が私の胸にすぽっと飛び込んできて「ありがとうございました。」とひとこと言って去っていく。そしてまた次の女性…みんな服はこの街で貰ったのか簡易の長いワンピースに防具を付けている。何人かお礼を聞いたとき、ひとりの女の子が私からなかなか離れない。どうしたのかな?とじっと見ると彼女はあの戦いの中、間に合わずすでに犯されてしまった女の子のひとりだった。彼女が私の耳に口を近付けようとする。私も少し屈んで彼女の声を聞く。

「あの…ハリムさん。わたし、慰めてくれる彼氏がいません。いつでもいいので慰めに来てください。ライラさんには内緒にしますから。」

「ああ、構わないよ。でもたぶん半年後か1年後になってしまうと思う。」

「構いません。ずっと待ってます。わたしの名はセダ。」

そういうとセダは私の外套のポケットに紙切れを入れた。きっと泊まっている宿屋の名前が書かれているのだろう。

「セダか、いい名前だ。では必ず会いに行くよ。」

私がそういうとセダは微笑んで去って行った。か、かわいいじゃないか。こういうことがあるから人助けは止められない。動機が不純?綺麗事ばかり並び立てて動かないやつよりよっぽどいいだろ?


ライラたちに別れを告げてミシビリアンの城に戻った。謁見の間。

「魔導師ハリム、パルテンの件、恙無く片付けて参りました。勝手を言って申し訳ありません。」

「いやいや、ハリム殿。大変助かりました。して、ミシビリアンの冒険者たちはどうなりましたかな?」

王が聞く。私の情報が最速だろうならな。

「数人残念ながら間に合いませんでしたが大半は元気です。」

「おお、それはよかった。してパルテンの街は?」

「はい。街や民に被害はなかったと思われます。」

「それは重畳。では早速ドラゴンの件お願いしてもよろしいですかな?」

「そのつもりで帰って参りました。あれから進展はございませんか?」

「今のところ目撃情報はないが飛び立ったという報告もないのでまだ南の森にいると思われます。」

私と王が情報交換しているそのときだった。

カンカンカンカンカン

けたたましい鐘の音が響き渡った。

「な、なにごとだ!?」

王が言ったそのとき伝令の兵士が謁見の間に飛び込んできた。

「報告!ドラゴンが2頭ミシビリアンの上空を旋回しております!」

「なに!?」

私は上空に意識を集中する。すると、大きな魔力の反応を2つ掴んだ。そのうちのひとつの魔力はとても大きい。これは白竜姫級…あれ?なんか、だれかに似てるな?

「おい、大きなバルコニーに案内してくれ!」

私は謁見の間の出入口の近くで控えていた使用人に叫ぶ。

「はい!こちらへ。」

使用人が歩き出したあとに付いていく。

「我も行く!」

王や大臣、護衛たちもぞろぞろ付いてきた。

少し歩くと光が見えたので使用人を追い抜きバルコニーに飛び出し上空を見上げた。そこには白い大きなドラゴンと黒い中型のドラゴンがミシビリアンの上空を何かを探すように旋回している姿があった。やっぱり…私の身体中から嫌な汗が吹き出す。

ふいに白いドラゴンと目が合った。その瞬間、ボフンとドラゴンは可愛らしい女の子の姿に変身した。

「ハリムー!」

私の名を呼び自由落下でこっちに向かって降りてくる。黒いドラゴンも男の子供の姿になって続く。

「マリアム!?」

マジ勘弁してくれ。身内の不祥事を解決しようとしてたのかよ。

私はマリアムを受け止める。子供もかなりの高さから降りてきたのに私の近くにピタリと着地し

「パパー。」

と言って私の足に抱き付いてきた。

「ぱ、パパ!?」

まぁ子供の姿に変身した瞬間になんとなく想像出来たが…

「そ、この子はハリムとの子供、カミール。かわいいだろ?」

マリアムはどや顔で言ってくる。ああ、かわいいよ。かわいいが周りを見てみろ。みんなポカンとしてるじゃないか。

「ああ、かわいいはかわいいが…」

私は胸にしがみ付いているマリアムを引き離しバルコニーに立たせる。マリアムはキスだと思ったのか目を瞑った。はぁ、昔はこの顔をとてもかわいいと思ったもんだが、今はとりあえずイライラする。私はマリアムの頭を拳骨で殴ったのであった。


再び謁見の間に戻ってきた。マリアムとカミールを連れて。

「はっはっはっ、わらわは白竜姫マリアム=ドラゴニックローいてっ。」

皆の配置が整った途端、マリアムが腰に手を当てて物凄くでかい態度で自己紹介を始めたもんだから殴って止めた。

「この竜族2頭は私の身内でした。大変お騒がせしました。」

私は完全に土下座である。カミールはキョトンとしている。

「ハリム!心配するでないぞ。わらわは何ひとつ悪さはしていないからな。それよりもそこの人族いてっ。」

「マリアム、ちょっと黙れ。」

「ハリム、さっきからわらわの頭をポカポカと。なぜ軽く殴っているだけでこんなに痛いのだ?」

「ああ、これか?これはな拳に対ドラゴン用の結界を張っているからな。そのせいじゃないか?」

「対ドラゴン用の結界じゃと!いつの間にそのようなものを。」

「はっはっはっ、私がこの30年、ただ女を口説いていただけと思うなよ。」

「なっ、ハリムっ、また女を増やしたのか?」

「あ、いや、まぁ、その、なぁ。」

「うむ。良い良い。それでこそわらわの伴侶じゃ。」

「あっ。」

そこまで話して周りの状況を思い出した。

「すみませんすみません。マジすみません。ドラゴンの件の報酬はもちろんパルテンのお礼もいりません。おい、こら、マリアム。お前も頭下げろっ。」

「なぜわらわが人族ごときに、いてっ。痛いと言うとろうがっ。」

「殴られたくなかったら早く頭を下げろ。」

マリアムはしぶしぶ頭を下げようとする。

「いや、良いのです。良いのです。して、その可愛らしい女の子があの有名な白竜姫なのですかな。ハリム殿と恋仲とは初耳ですが。」

王は許してくれるようだ。

「ええ、帝国とヘルミナ王国、クリミド商国以外には内緒にしていましたから。」

「ほぅ、ではクリミド商国のロマニコフ商会が力を付けたのはそれが原因ですかな?」

「まぁ、マリアムの鱗なんかを卸していましたから、それはあるかもしれません。」

「なんと!白竜姫の鱗をですか。羨ましいですな。」

「ほしいですか?」

「頂けるものならば。」

ミシビ王国を騒がせたお詫びに是非渡したい。

「おい、マリアム。鱗落としやがれ。」

「アホか。人型で鱗が落ちるわけなかろうが。」

「じゃあ、ドラゴン型に…いや、ここじゃダメだな。城が壊れちまう。」

「いやいや。無理にとは言ってないですぞ。」

「では、今度落ちましたら最優先で献上いたします。」

私は王に深く頭を下げ、ミシビ王国のドラゴン事件は無事?解決したのであった。

セダ視点は書きません。たぶん15禁じゃ収まらないから。

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