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大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
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シャワラムでのいろいろ

「ハリムさん、アッバの町の近くでフェンリルが出たと噂が流れておりますが?」

私とロマニコフ…アンドレイの方はロマニコフ商会本店の広い中庭にいる。フェンリルはでかいからな。

「ああ、私が退治した。今から出すから買い取ってくれよ。」

「おお!さすがですな。でもいいのですか?冒険者ギルドに引き渡さなくても?」

「いいだろ?依頼で討伐したわけじゃないし。もし文句言ってきてもお前評議員なんだからなんとか出来るだろ?ほら。」

私は亜空間から平べったくなったフェンリルの死体を出した。

「こ、これがフェンリル…初めて見ました。大きいですな。傷は…少しありますがいい毛皮が取れそうです。肉は肉食なので臭くて食べられないでしょうが…牙もいいですな。全部の歯が綺麗に残ってる。そうですな…白金貨10枚…いや20枚…」

ロマニコフは死体をじっくり検分しながら算盤を弾く。

「ああ、白金貨5枚でいいよ。」

「な、なんと。」

「その代わり半金貨と金貨でほしい。大金貨以上は使いにくいからな。」

「それはお安いご用意です。」

「あと牙で小剣2本とナイフ10本ほしいな。」

ジークと弟子たちへのご褒美用だ。あと、確かライラもナイフを使っていた。いいお土産になる。

「それもお安いご用です。いつまでにご用意いたしましょう?」

「1本は急ぎでほしい。どれくらいで出来る?あとは私が古城に帰るまででいいよ。前言ってた品もその時でいいぞ。今回は拠点を変えたから帰る前にここに取りに来るよ。」

「承知しました。そうですな…ハリムさんが切り出してくださるのであれば、削って柄を付けて鞘を作るだけですのでニ刻もあれば。」

「ああ、構わないよ。」

私は魔剣ジュピターの抜き魔力を通す。

「全部切っとく?」

「ええ。お願いします。私たちでは時間が掛かります。」

私はサクサクとフェンリルの歯を切っていく。

「さすが魔剣ジュピターですな。いや、ハリムさんがすごいんですな。」

あっという間にフェンリルの歯は全部なくなった。その間にロマニコフは大金貨1枚分ずつ50袋に分けて金を用意してくれた。金を受け取り亜空間に放り込む。

「では、ニ刻後。正午くらいか。また来るからよろしく頼むよ。」

待ってる間、アンナとビオーラに会おうと考え、ロマニコフ商会を出たのであった。


「あら、ハリムさん。」

「やぁビオーラ。今日も綺麗だね。」

私はビオーラの住んでいるところを訪れた。ビオーラが出迎えてくれる。

「この前お金渡したんだから、もっといいとこに住めばいいのに。」

「私にはこういったところの方が落ち着くんですよ。この前のお金お返ししていいですか?袋を開けてびっくりしましたよ。金貨80枚なんて…多すぎます。大きな家が建っちゃいますよ?」

「ははは。いいじゃないか。お金は多い方が。ビオーラにはそれだけの価値があるってことさ。心配なら『シーサイド』の店主に預けるといい。彼は信用出来る。商業ギルドに預けてもいいな。口座持っているんだろう?」

「もう。口座なんて持っているわけないじゃないですか。一介の吟遊詩人が。あとで商業ギルドに連れて行ってください。商業ギルドまで行くのも不安です。」

「ああ、構わないよ。それよりビオーラ。あとでというのは?」

「ふふふふ。ハリムさん。今お時間は?」

「一刻ほどなら大丈夫だが。」

「では、こちらへ。」

私とビオーラは激しく愛し合ったのであった。


「ここでいいのかい?」

「ええ、まだ仕事までは時間がありますから、ハリムさんのことを考えながら歩いて帰ります。」

ビオーラと愛し合ったあと、商業ギルドまで転移魔法で飛び口座開設の手続きをした。商業ギルドのやつらビオーラだけだと胡散臭さそうな顔をしていたが、私が顔を見せると態度を豹変させ、笑顔で手続きをしてくれた。口座が出来て商業ギルドを出るとビオーラは歩いて帰ると言う。

「では、気をつけて帰るんだよ。」

「ええ、大丈夫ですよ。子供じゃないんですから。」

私たちは口付けを交わし別れるのであった。


「あら、ハリム。おかえりなさい。お昼食べる?」

「ただいま、アンナ。今日も凄くキュートだ。お昼頂くよ。あ、これ。」

『月夜亭』の玄関を入るとアンナが受付にいた。私が滞在中は2、3日宿を空けることはざらなので心配はされていない。ロマニコフから受け取ったお金を1袋アンナに渡す。

「ちょ、またお金?もういいってば。ハリムが100年くらい泊まる分くらいはもう貰ってるから。」

「いいのいいの。今回も報酬たっぷり入ったし。今夜からサラと私の弟子二人が泊まりに来ると思うから私の部屋を使わせてやってくれ。」

「いいけど…ハリムは?」

「ああ、また依頼を受けてね。今度はミシビ王国に行って来るよ。」

ドラゴンとは言わない。余計な心配は掛けたくない。

アンナは受付を出て私に抱き付いてくる。優しく受け止める。

「む。また違う女の匂いがする。」

「うぇ。ああ、ビオーラだよ。商業ギルドで口座開設の手続きを手伝ってね。」

「ふーん。まぁいいや。ハリムだし。仕方ないね。ハリム…帰って来たらまたデートしよ。」

「ああ、いいとも。今回の依頼が終わったら南東の海に『フジ』という国を探しに行ってくるから安全そうな国なら一緒に行こう。」

「わっ、行きたい。約束ね。じゃあ、お昼用意するね。」

アンナと口付けを交わし食堂に行って昼食を美味しく食べたのであった。


「ロマニコフ、ナイフ出来てる?」

ここはロマニコフ商会本店の会頭室。『月夜亭』を出た私は正午を少し過ぎたころ再びロマニコフ商会を訪れるとここに通された。

「はい。出来ました。どうぞ。」

ロマニコフは1本のナイフを私に渡す。私は受け取ると鞘から抜き、刃を確認する。

「なかなかいいね。」

「なかなかなんてもんじゃありませんよ。一般に出回っている中でも上質といわれる鉄で作られた物より、切れ味も耐久性も格段に上です。」

「ありがとう。さすがはロマニコフ商会だ。」

「いえいえ、いつもハリムさんには儲けさせていただいていますからな。あ、フェンリルの体内からこんな物が出てきました。」

ロマニコフは大きな透明の宝石をゴトリと机の上に転がした。

「これは…魔王か!」

「ええ、そうでしょうな。私もあの場にいましたから。今は効力を失っているようで触っても何も起きませんでした。」

「危険なことはしてくれるなよ。」

「ははは。私も商人です。多少の危険を潜らないと大きな儲けは出せませんよ。」

「まあそうだろうが、魔王関係の疑いのある物は気をつけてくれよ。」

「ええ、心得ております。」

「この宝石は私が預かっても?」

「ええ、構いません。」 

「では、ちょっとミシビ王国に行ってくるよ。」

「ええ、お気をつけて。」

私はミシビ王国の王都ミシビリアンの飛んだのであった。

少し短いですが、切りがいいのでここまでで。

フェンリルさん5千万と小剣2本とナイフ10本で売れました。毛皮だけでも余裕で1億で売れるのでロマニコフ商会はウハウハです。ちなみに冒険者ギルドだとせいぜい5千万が限界で素材で武器を作ってくれたりはしません。

それにしてもハリムの野郎、口付け交わしすぎ!

前回のお金の計算、白金貨の0の数間違えていたので修正しました。


この世界のお金

銅貨1枚=10円

銅貨10枚=半銀貨1枚=100円

半銀貨10枚=銀貨1枚=1000円

銀貨10枚=半金貨1枚=10000円

半金貨10枚=金貨1枚=100000円

金貨10枚=大金貨1枚=1000000円

大金貨10枚=白金貨1枚=10000000円

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