表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
23/64

初めての魔王

アンナとのデートの次の日、そろそろミシビ王国にドラゴンをと思ったけど、今夜ビオーラと約束したから止めた。ドラゴンと戦いになった場合1日では決着が着かない可能性があるからだ。2頭いるみたいだし。さすがに竜王や竜姫級ではないだろうが、竜族の上位種が2頭だった場合は負けはしないだろうが、さすがに苦戦する。明日にしよう。


『月夜亭』の食堂で朝食を取ってコーヒーを楽しんでいると商業ギルドの人が訪ねてきた。馬車を守ったことをお礼され、他国の騎士たちがクリミドに侵入できたのは、クリミドの西、ファルファン共和国から1番近い町、レウベレットの町長があやしいと言っていた。まぁ他国に1番近い町の町長だからな。あやしいのは私でもわかる。私が出張ることでもないだろう。国の問題だし。

「そういえば、バジって名前の商人知ってる?灰色の短髪の人族で年齢は30代の中盤くらいかな。神経質そうな男だった。わたしが卸した物ではないマジックバッグを大事そうに抱えていた。例の馬車に乗っていてね、私と商売の話がしたいと言っていた。商人が商売の話でこんなに来ないのはおかしいだろ?」

「確かにおかしいですね。バジ…聞いたことないですね。一介の商人までは把握しておりませんが。分かりました。少々調べておきましょう。」

「よろしく頼むよ。」

商業ギルドの人は帰って行った。


昼食を取り部屋にナタリアとエドワードと3人。

「ちょっと軽く修行を始めようか。」

「しゅ、修行ですか…」

「はい!お願いします!」

ナタリアは不安そう…エドワードは嬉しそうだ。

「そんなに難しいことじゃないよ。私が考案した魔力循環法。強化魔法の基礎だよ。」

「魔力循環法ですか…」

「ああ、たぶん今までの魔法の先生は魔力媒介に集中して魔法を放てって教えてくれたんじゃないかい?」

「はい、そうでした。」

「ビアンカ先生もそう言ってました。違うんですか?」

「いや、それでも悪くはないんだけどね。私の魔力媒介法を使うと身体能力も飛躍的に上昇するし魔法媒介を使わなくても魔力媒介を使ったのと同じような効果はあるんだ。」

「す、凄いですね…」

「教えてください!」

「では、立って自然体になって、そうそう、リラックスして全身の力を抜いて目を瞑って。」

二人は立ち上がり自然体になる。

「胸の真ん中…鳩尾の少し上くらいに熱い塊があるのを感じてみて。」

「あ、感じます!」

エドワードはすぐだな。

「…えっと…わかりません…」

ナタリアはちょっと時間掛かるかな。

「ではナタリアはそのまま塊を探してみて。焦らなくてもいいよ。ゆっくりで大丈夫。エドワードはその塊をゆっくりと身体中を巡らせてみて。胸から手へ、手から頭へ、頭からお腹へ、お腹から足へ。」

エドワードの魔力がゆっくりと身体中を巡り始める。やはり天才だな。覚えがいい。

「いいぞ。その調子…」

そんな感じで修行をしていると

「ハリムー。お客さーん。ロマニコフさんと商業ギルドの方が来てるよー。」

ドアの外からアンナの声。

「ああ、ありがとう。今行くよー。ナタリア、エドワード、今日はここまでだ。ごめんね。暇があったら、この魔力循環法やるといいよ。エドワードは今のが出来たらちょっとずつ巡らすスピードを速く。ナタリアは魔力の塊を見付けられたらエドワードにアドバイスを貰って身体中を巡らせてみて。ちょっと行ってくる。」

「「はい。」」

私は部屋を出た。


1階に降りるとロマニコフと朝来た商業ギルドの職員がバジが持っていたマジックバッグを抱えて立って待っていた。なんかあったか?

「やぁ、座って待ってればよかったのに。さぁ座ろう。」

3人でテーブルにつく。

「で?なんかわかった?そのマジックバッグは?」

ギルド職員に聞く。

「あ、はい。あのですね。あれからギルドに帰ってハリム様が言っていた男を調べてみたのです。すぐに見付かりました。」

「見付かったの?じゃあバジは?」

「はい。昨日路地裏で死体で発見されていたんです。」

「!!!」

「これが死体が持っていた鞄です。普通のマジックバッグは誰でも中身を取り出せますよね?」

「ああ、そうだな。」

私やシャーロットが作ったやつはそうだ。

「これはロックが掛かっているみたいに取り出せないのです。ハリム様ならなんとかなりますか?」

そう言ってマジックバッグを渡してきた。確かにマジックバッグだ。中に何かあるのは分かるが取り出せない。

「少し集中するから、待ってて。」

私は鞄の口を大きく開き、空間魔法を発動して慎重にロックを切断する。成功。でも手を突っ込んでも中身に触れない。鞄をひっくり返す。すると。

カタカタカタカタジャラジャラジャラドスン

大量の私が魔導具に使うような宝石が大量に落ちてきて小さな山を作る。床にも何個か落ちる。そして最後に一際大きな赤い宝石が落ちた。その赤い宝石を見た瞬間感じた。ヤバいと。

「あ、なんか落ちたよっ。」

食堂から出てきたアンナが落ちた宝石を拾おうとする。ロマニコフもギルド職員も。

「さわるな!!!」

「え?」

3人は固まる。

「ごめん、大声出して。でも私の魔導師としての勘が言っている。こいつはヤバいと。」

3人は固まったまま静かに頷く。

「私がいいと言うまで絶対に触らないでくれ。頼む。」

そう言って私は大きな赤い宝石にゆっくりと手を伸ばす。触れた瞬間…


そこは暗黒の世界だった。

「やぁ初めまして『氷結の魔導師』くん。君ならここにきてくれると思っていたよ。」

背後で男の子の声。振り返ると男の子が1人立っていた。ぱっと見は普通の男の子。青いチェックのシャツを半ズボンの中に入れサスペンダーで止めたちょっといいところお坊っちゃん。でも明らかに人とは違う点が1つ、目が4つあるのだ。

「…百目族?もしかして魔王か?」

「はははは。ああ、その通り。ボクは百目族の長にして魔王ピエシエ=ラーゲルグレンバーグ。よろしくね。」

こ、こいつが…

「ここはどこだ?あの石は?」

「うむ。ここはあの赤い宝石の中だ。君の意識を取り込んだ。今君は宝石の中で私の意識と会話しているのだよ。」

「他の宝石は?」

「あれは私の視覚魔法というのを付与してある。あれを触るのを阻止して正解だったよ。あれに触ると君の彼女はボクの目のひとつになるところだった。」

「そんなこと私に教えていいのか?」

「ああ、構わない、ここで今君と会えたのだから。他に質問は?」

「あのバジという男、お前が操っていたのか?」

「操っていたわけではないよ。ボクの部下に指示してあの男にあれをお金に変えるように勧めさせただけだ。欲の深い人間だったからね。裏社会の人間に売ろうとして殺されたのではないかな?上手くやってくれれば世界中に私の目がばら蒔かれるところだったのに。」

「ふん。嘘をつくな。もうばら蒔いているのだろう?」

「ははは。それはご想像にお任せするよ。」

「魔王…私と接触して何が目的だ。」

「ああ、本題だね。ボクが魔王になって500年。そろそろ飽きたのだよ。」

「飽きた?」

「ああ、飽きた。この敵のいない戦いのない生活がね。ああ、『蕀の魔女』との戦い、楽しかったなぁ。四方八方から襲いくる凶悪無比な森魔法…」

「魔族同士で戦っていろよ。」

「戦ったよ。もういなくなってしまったのだよ。ボクに逆らうやつが。」

「それで私か?」

「ああ、君とは『蕀の魔女』を通して少なからず因縁があるだろう?こんなことなら150年前の戦いにボクも参加すればよかったよ。君が出てくるとは思わなかったから。」

「あれもお前の指示か?」

「いや、人間たちを殺したいってやつがいたから勝手にしろって言っただけだよ。」

150年前の戦い…人族領に魔族が大量に攻めてきて甚大な被害がでたのだ。

「そろそろ君と戦いたい。」

「断ると言ったら?」

「帝国の新しい皇帝…君の娘なんだってね。」

「てめぇ、ソフィアに手出したらぶっ殺すぞ!」

「おお、怖い怖い。では君が戦ってくれるね?」

「お前だけじゃないんだろ?」

「ああ、ボクの他に10人いる。君も君以外に10人用意したまえ。」

10人か…

「20年いや、15年でいい。待ってくれ。対抗できる戦力を用意する。15年くらい、お前の寿命だと一瞬だろ?」

「15年か…わかった。15年でいいよ。今から15年経ったら『迷いの古城』に使者を送るから『黒の森』の奥に来たまえ。」

「『黒の森』にか…」

「ああ、『黒の森』の方が君は全力が出せるだろう?ああ、ちなみに『蕀の魔女』だけはあの結界から出せないのでそのつもりで。」

「ちっ、無理なのか。」

「ああ、無理だ。私を倒せば解放して上げよう。」

「ああ、約束だぞ。」

「ははは、では15年後を楽しみにしているよ。」

「ああ、それまで大人しくしていろよ。」

「ははは、ああ、きっとね。」

「あ、戻った。」

景色がさっきまでいた『月夜亭』の食堂に戻った。

「ハリム様!」

「ハリムさん!」

「ハリム!心配した。急に固まるんだもん。」

3人が心配した顔で見ていた。さっきの体制のまま。

「どれくらい固まっていた?」

「2、3分くらいかな?ねぇ。」

「はい、それくらいだったかと。」

「ハリムさん、何がありました?この宝石は?」

「ああ、私が宝石を回収する。そのまま触らないでいてくれよ。詳しい説明はそのあとで。」

私は掌を魔力でコーティングし、さっきのマジックバッグに全部入れ口を閉じた。

「私が預かっておくよ。」

亜空間に放り込んだ。立ったままのアンナを手で呼び私の横に座らせる。

「宝石の中に意識が吸い込まれていたんだ。中で魔王に会った。あの宝石は魔王が作った魔導具だ。」

「!?」

「魔王…」

「15年後やつと戦うことになった。」

「え!?」

3人とも驚いている。アンナ心配そうだな。まぁそうだよな。当たり前か…

「遅かれ早かれ戦わないといけない相手だったんだ。大丈夫。なんとかするよ。」

10人…ジークとエドワードは決定として他はちょっと難しいな…これから15年、優秀な子供を集めて鍛えないといけなくなった。理想で言えば5~10歳の子供がいい。成長率がいいからな。いざとなれば剣聖や拳聖に頼むしかないがあまり頼りたくないな。よし、今から本格的に始めよう『大魔導師の育成』を。

本当はこの日の昼にサラに召喚される予定だったのですが、ビオーラと恋愛→サラと恋愛、H→ビオーラとHよりビオーラと恋愛→間→ビオーラとH→サラと恋愛、Hの方がちょっとクズさが薄れるかと思い魔王登場をぶっ込みました。アッバまで3日くらいと書いたのでギリセーフですよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ