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大魔導師の育成  作者: 春夏秋冬
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月夜亭

食堂で食事をした。

「うわ、なにこれ、めっちゃ美味しい!幸せー」

食事中もサラはうるさい。ナタリアとエドワードは黙々と食べている。

さっきのやり取りを見ていた他の客から私は

「あれが大魔導師ハリムか。」

という関心と

「おれのアンナちゃんが。」

という怨嗟を背中に受ける。


食事を終えると

「じゃあ部屋に案内するわね。3階よ。付いてきて。」

アンナがみんなを先導して階段を上がる。

案の定、部屋は空いておらず、サラは私の部屋に泊まることになったがアンナは何も言わなかった。子供たちがいるからか?


階段を登っていると

ビリッ

布が破れる音

「あーーーーーーーーー」

サラの叫び声。階段の手摺のところから釘が出ていてサラのローブが引っ掛かり破れたのだ。

「お母さーん、こんなところに釘が出てるよーーサラちゃんごめんね。弁償するね。」

「いやいや、大丈夫っす。今日ハリムっちにいろいろもらったので、その彼女さんに弁償してもらうなんてできないっす。ぐすん。」

また変な敬語になってる。すごくショックを受けてるな。

「とりあえず部屋に行こう。」


3階の1番奥のいつも私が使っている部屋に5人で入る。サラは破れたローブを脱ぐ。下はTシャツにショートパンツ。元気なサラに似合っている。ちなみに足元は茶色のブーツ。

「あの、私が縫いましょうか?」

ナタリアがいう。

「ナタリアちゃん裁縫出来るの?」

「はい、得意です。」

「でも、このローブもうボロボロじゃないか。だからさっき買ってやるって言ったんだ。釘に引っ掛かったくらいで破れるようなら防具としてどうなんだ?」

「でもでもこれはあたしが初めて魔物討伐した報酬で買ったやつなんだよ。まだ2年しか着てないんだ。でも、もう限界かな…」

「ハリム何かないの?」

「んー、あるにはあるんだがサイズがなぁ。サラちゃんは背が低いだろ?」

「うっさい。150もあるやい。」

「それなら私とナタリアちゃんで直すわよ。」

「まぁそれがいいか。」

「そんな悪いっすよ。」

「今回はこちらが悪いんだ。甘えなさい。」

そういって亜空間から昔私が着ていた丈が短くピッタリしたデザインのコートを取り出す。

「また高そうなのが出てきた。」

「値段はどうだったかな?私のお古だよ。防刃、防魔が付いてる。精神魔法は完全シャットアウトするよ。」

「うわっ。なにその効果。初めて聞いた。」

「一回着てみて。サイズを見るわ。」

サラはアンナに促されいそいそとコートを着る。くんくんコートの匂いを嗅いでいる。やめたまえ、体臭には気を使っているのだが…

「うん、割りといいんじゃない?肩幅はちょっと直した方がいいわね。」

「丈も直しましょう。ここからこう折ればいいですか?」

「そうね、ここはこうしましょう。」

アンナとナタリアが相談しながら直す場所を決めていく。

「じゃあ、サラちゃん脱いで。裁縫セット持ってくるわ。」

サラがまたいそいそ脱いでいる間にアンナは部屋を出て裁縫セットを持って戻ってきた。

「じゃあ縫いましょうか、ナタリアちゃん。」

「はい。」

二人でコートを直していく。ナタリアって貴族だったんだよな?なんで裁縫出来るんだ?二人の手元を見てると楽しい。


ふと気付くとエドワードとサラが座ったまま眠っていた。仕方ないなぁ。亜空間から桶を出し水魔法で水を入れ火魔法で少し温めてそれでタオルを搾る。エドワードを全裸にして全身拭いてやりベッドに寝かせた。その間全く起きなかった。

さて、サラ。さすがに全裸にするわけにはいかないので、ブーツを脱がせ顔、手、足を拭いてやる。そしてお姫様抱っこでベッドに運んでやる。

「ん…ハリムっち…」

寝言を言っている。なんだよ。エドワードの横に寝かせた。

「サラちゃんかわいいね。」

裁縫しながらアンナが言ってきた。

「それにいい子。」

「そうなんだよ。見た目はとびっきり美人ってわけじゃないけど、いろいろ坪だな。」

「ふふふ。幸せにしてあげなさいよ。」

「うぇ、ななな何を。」

「ハリムは出会った女の子全員幸せにするの。それが他のハーフエルフと違うところ。それが私のハリム。」

アンナはそんなことを言ってくすりと笑った。

「よし、出来たっと。」

「終わりましたね。」

「アンナ、ナタリアお疲れ様。ナタリア、もう遅いからお湯で身体を拭いて寝なさい。ベッドにまだスペースがあるから眠れるよ。」

「はい。ありがとうございます。」

ナタリアは服を脱ぎ身体を拭き始めた。

「私は床で眠るよ。アンナはどうする?」

「一緒に寝るわよ。明日はもう1個ベッドを入れるわね。」

「サラは明日もここかな?」

「泊めてあげればいいじゃない。」

「まぁそうだな。本人次第かな。」

ナタリアが寝たので3人に毛布をかけてあげてから、私もタオルで身体を拭く。アンナが背中を拭いてくれる。アンナは私たちの食事中にお風呂に入ったらしい。この宿にはお風呂がある。

床の上に1枚毛布をひき、二人で横になり上に毛布を掛ける。アンナは横向きで私にすり寄ってくる。

「ハリム、会いたかった…」

「私もだよ。」

私は片腕をアンナの首の下に差し込み腕枕にし、もう片方の手でアンナの綺麗な長い金髪を撫でる。

「おやすみ。」

「うん。」

私たちは睡魔に任せ、夢の世界に旅立つのであった。

やっと1日が終わりました。2話目からやっと1日です。信じられません。次は1話違う人の視点を入れてみようと思います。


1話目で片方の親がエルフなら子供はハーフエルフと書きましたがハーフエルフとハーフエルフの子供もハーフエルフです。

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