ハロウィンだから、いいよね?
この小説には、流血表現があります。
「あはっ。あははははははは!!!」
静かな夜に、赤い液体と、綺麗な声で、楽しそうに笑う少女。
「今宵はハロウィン!わかりますか!?殺戮なんて、お菓子をくれなかった人間が悪いっていえば、悪戯なの!!!あははははははははははははははは!!!!」
楽しそうに笑っているが、今彼女がやっている事は…
殺人。
これを、悪戯と称して楽しそうにすることは、普通の人間には不可能だろう。普通なら。
そう、彼女は『人外』。人間など、所詮はただの遊び道具。
「価値がないなら、み〜んな消えるの!!!」
「そうだね!消えたらラクになるよ!おいで!殺ってあげるから!!!」
隣にいる少年は、とても綺麗な顔立ちで、少女の様だ。何も知らないなら、ただいるだけで周囲の気を惹き付けるだろう。でも、今彼の顔についているのは、『体液』。赤く、紅くキラキラと輝く、いわゆる『血』といったところだ。
「ほら!おいでくださいなの!!消えるの、楽しいの!!!消すのっ、すっごく楽しいの!!!!」
「そうだよ!殺ってあげる!!もっと殺ろう!きっと、どんな遊びよりも、とっても楽しいさ!!!!」
今更だが、少女は魔女である。見た目通り、高校生だ。
少年は、蛇である。見た目以上に子供で、中学生だ。
この二人を見てわかる事は、
『血に飢えている』
事。
「わあい!また消えたのっ!!楽しいな!!!当麻!!!はやく殺っちゃお!楽しいの!!!!あははははははは、ははははははははははははは、ははは!」
「そうだよね!纒!!殺っちゃえ、消えちゃえ!!!」
当麻は、少年の名前らしい。纒は、少女の名前らしい。
そして最後に、大人数の人を、柄だけが違う大きな鎌でいっせいに斬り、楽しそうに赤い液体を撒き散らす人間を見ながら、息を揃えて、声を揃えて、さも楽しそうに叫んだ。
「「こんな世界、消しちゃおう!!!!!!」」