第8話
「はぁ~、結構疲れるもんなんだな」
まだ実戦に慣れていないこともあって、実力差の開いた魔物との戦闘でも疲労感が凄い溜まるリュウキ
「おつかれさまです。 初めてでこれだけ討伐できれば十分にすごいですよ」
初の実戦でこれだけ魔物を討伐するのは、この世界の者からすれば腰を抜かすレベルのことだと思いながら言う
実際、今回の初討伐で数十体程討伐しておりこの世界の平均的な初討伐数は2~3体程度なので十分だと言える
「そんなもんか? まあ今日はもう帰ろうか」
「そうですね、今日は十分過ぎるくらい討伐しましたので帰りましょうか」
二人は頷き合い教会への帰路に着いた。
二人が森から出ようかという時、道のはずれから叫び声が聴こえた
「キャーーー!!」
「なんだ!?」
二人は顔を見合わせて叫び声が聞こえた方に目を向けた
「今の声は… 」
「とりあえず向かいましょうか」
「ああ、そうだな 」
二人は意見を揃え、声が聴こえた方向に向かって走り出した
それから少しで二人が叫び声が聴こえた場所に着くと、そこには普通の村娘が着ているような服を纏った少女が魔物に追われている所だった
「クソッ! 」
「リュウキさん!」
その場面を見たリュウキは真っ直ぐに魔物めがけて駆けていく。 エルマールは静止しようとしたがそんな声はリュウキには届いていなかった
「ソリャー!!」
駆けつける際にグラム・ケイオンを剣形態にしており、魔物に近づくと同時に斬りかかった
「グォォォォ!!」
魔物はその斬撃を腕に掠めながら辛うじて回避していた。
その魔物は人型で体長が3~4m程も有り、頭部からは角が生えており、また口から生える牙も大きく鋭いものだった。
「おい! アンタ! 大丈夫か!!」
リュウキは魔物に目を向けたまま、先程まで追われていた少女に聞く
「あっ、あ、だ、大丈夫です…」
突然の事に驚き、まだ頭が追いついていなさそうな返事をする少女
「そうか、なら向こうに俺のツレが居るからそっちに向かって逃げろ!」
このままここに居ては魔物の標的になりかねないので、避難を促す。
それに、ここにいられては戦闘の邪魔になりかねないからだ。
「はっ、ハイ! ありがとうございます!」
少女は一目散にリュウキが指し示したエルマールの居る方に向かい全力疾走で引いていった。
「今日一番の大物に最後の最後で出会うとはな」
リュウキは魔物と睨み合いながらそんな事を呟いた